欧州MBAの特徴/基礎知識

MBA取得の方法

米国MBA留学:日本でMBA留学というと、一番ポピュラーな取得方法です。日本での人気が高いため、入学試験ではスコアが重要になります。

欧州MBA留学:近年非常に注目されている取得方法です。実践的なプログラムが準備され、国際的な環境での取得が可能です。

海外通信教育:ヨーロッパでは、特にイギリスが通信教育制度が発達しています。
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国内MBAスクール入学:「日本語のみ」、「日本語と英語の組み合わせ」のカリキュラム。同志社大学のグローバルMBAの様に「グローバル」で勝負したい方向けの「英語のみ」のプログラムなどもあります。

欧州MBA留学の特徴

受験戦争ではない。MBA入学は、より、リクルートメント・プロセスに近い

日米では、MBA入学に関して受験戦争のような状況が繰り広げられている、という情報が多くの日本の方から寄せられていますが、ヨーロッパでの状況は、少し違っています。 

ビジネススクールは供給者であり、学生は消費者、企業は顧客となる、という状況の下、ビジネススクールは、企業から需要がある人材=仕事ができる人材を欲しがっているためヨーロッパにおいては、個人の性格やその個人が何をしたいのかが尊重することを徹底しています。

ヨーロッパで必要となる判断材料とは?

(1)プログラムを吸収することが出来る基礎知識 (2)プログラムへの興味、やり遂げる熱意が充分ある (3)キャリアの方向性がそのプログラムと一致している (4)他の学生に貢献することができる (5)スクールのカルチャーや学生層とマッチしている

ヨーロッパでは上記のような事を基に判断するもので、GMATのスコアや大学時代の成績の競争が主軸ではありません。
①や④においての基礎知識の判断材料として、学歴証明や英語の証明が必要になる、という状況です。

以上のことから、ビジネススクールへの入学プロセスは、職歴、個人のキャリアの方向性、パーソナリティー重視、また、スクールのカルチャーとのコンビネーションなどを考え合わせた上で合否が判断されますので、リクルートメントのプロセスに程近い、と言うことができます。

ただし、歴史の古い大学が経営するビジネススクールに関しましては、この限りではないスクールもございますので、入学前相談窓口(ryugaku@business-paradigm.com)までお問い合わせください。

GMAT、大学の成績は目安として使われ、それが最大のクライテリアではない

GMATや大学の成績は目安程度にしか使われないことが多く、最低点を満足させていること、もしくは、最低点に程近いスコアがあること(最低点が600であれば、590でも交渉次第で入学が可能になることは多くあります。)が証明できれば、後は、申請用紙やエッセー、インタビューでの判断に任されます。

英語に関しましては、言葉が通じなければ、いくらビジネスができたとしてもプログラムを吸収することができませんし、他の学生に貢献することができませんので、“使える”英語力があることが要求されます。

ただ最近は、日本人申請者に対する英語のスコアに対しては厳しくなってきている面も見受けられ、現地でインタビューができない場合には、電話でインタビューをセッティングするスクールも増えてきました。

インタビューなどにおきまして、現地スタッフと話をするときに英語力を判断されることはもちろんですが、仮に運良く日本人卒業生とインタビューという事になりましても、通常の日本語でのインタビューのほか、日本人同士で英語のセッションを持ち、インタビューをするところが多いようですので、“使える”英語力を入学前から鍛えておくことは大切です。

基礎知識 ~MBAとMSc/MAの違い~

MBA<実践的>
ビジネス界でのキャリアアップやキャリアチャレンジを目的としており、数年以上の就業年数が求められる。
そのため、年齢も26歳以上が中心で30代、40代の方も多い。

MA/MSc<学問的>
スタンダードな大学院の修士課程。就業年数は問われないことから大学卒業後すぐに進学する人が多い。
学問的知識やセンスを要求される。

コース選択の基礎知識

ランキングに頼らず、コース選択は自身の目的が重要

近年特に、MBAランキングが本当に基準になりえるのかという議論が取りざたされています。

ランキングの基準項目はあまりにも多様で、すべての基準項目を完全に網羅し、かつ、評価する側の私情を含まない、といった基本的な要件を満たすことはもちろん、完全なサンプルをとるということは不可能だからです。したがって、ランキングが高いからといって、そのスクールがご自身に適しているということはできません。実際にそのランキングリストに敢えて名前を出さないスクールなども出てきていますので、まず、ご自身が何を求めているのかを明確にした上でコースの選択をすることが大切です。

ヨーロッパでは様々な国が隣接しており、それぞれが異なる文化や教育システムの歴史を有していることなどから、欧州という一まとめでランキング付けをする事は、誤解を招くことにもなりかねません。実際、評価基準が異なると、ランキングも大きく変わってしまう事も多々あります。

コース選択の基礎知識

EMBAとは、経験豊富な忙しいエグゼクティブが現職を離れることなくMBAを受講できるよう、オンラインでの受講、及び数日から1-2週間ごとのキャンパスでのモジュールを組み合わせたプログラムです。

欧米では人気のあるシステムですが、数日から1-2週間の休暇を度々取得し、現地や海外の提携スクールなどへ渡航する事が現実的には忙しい日本人にとっては、海外赴任者等でたまたま近くのスクールがEMBAを提供している、会社からこのような形態での受講で援助を受ける、などといった場合以外は、まだ馴染みのない形態であるかと思われます。

社員がEMBAを受講する場合の会社にとってのベネフィット

スポンサーを考えている企業にとりましては、優秀な人材を確保し続けながらも、EMBAで様々な世界中の現役エグゼクティブ達と会い、学びあってくる社員から新しい発展や貢献を期待することができます。キャンパスでの受講が毎週設定されているプログラムの場合には、地元からの学生が多く、特定の地域に根差したネットワーキングを築くことが出来ます。海外拠点から社員をかようなプログラムに派遣される場合に有益です。他方で、年間に数回、キャンパスでのモジュールが定められている場合世界中のエグゼクティブたちが各モジュールごとに指定されたスクールへ集まるわけですので、大変国際的な視点が養われることになります。