Vlerick Business School

上澤 隆信(うえさわ たかのぶ)さん Vlerick/ベルギー2006-2007 在校生

[2007−2008ALC特別体験談より]

上澤 隆信さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

第一に、ヨーロッパのビジネススクールの特徴である「国際性」に魅力を感じたことです。私が理想としていたのは、小規模でアットホームな雰囲気を持ち、国際的かつ経験豊かなクラスメート達と一緒に学べる学校でした。まさにヨーロッパのビジネススクールの特徴と合致していたわけです。ですから、受験仲間の間ではいつもアメリカの学校の話題で持ちきりの中、私は一切迷うことなくヨーロッパの学校に絞って受験先を選んでいました(笑)。

第二に、欧州市場をもっと知りたいと思っていたことです。これまで欧州市場向けセキュリティシステムのマーケティングや営業をしていたのですが、日本を拠点にしながら業務を行っていたのでどうしても市場理解に限界を感じていました。そこで欧州市場を深く学ぼうと思って留学したのですが、思いがけず国際的なクラスメートや教授のお陰で欧州だけでなく世界中の市場知識を深めることができました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

留学前の先入観は「MBAは大変」。留学して実感したのは「MBAは物凄く大変!!」。2年の課程を物理的に無理やり1年に短縮したようなカリキュラムでしたから、年間を通して休日が殆どありませんでした。毎日平日は朝9時から夕方5時半までずっと授業、途中の休憩時間や昼食時間、平日夜間と土日は宿題・予習・スタディグループの打合せに費やす羽目になりました。英語の得意不得意に関係なく、学生皆そのような感じで1年間過ごしていましたね。よって月に1日以上のオフがあったことは滅多にありませんでした。ただし、年末年始とイースターにはゆっくり休めました(宿題なし!)。

最も大変だったのは時間の創出だったかも知れません。限られた時間内で何をやり何を捨てるか?いかにして短時間で結果を出すか?どんな分担作業をすればグループ課題を上手く処理できるか?そのようなことを考えて行動しないとすぐにパンク状態になります(笑)。

好きな教授や科目は?

最も面白かったのは「Negotiation Skills」(David Venter教授)でした。この教授は南アフリカのマンデラ大統領(当時)に仕え、南ア政府と反政府組織との交渉を裏で支えた人です。授業では自身の経験談を織り交ぜながら学生を惹きつける話をしてくれたので全く飽きませんでしたし、様々なケーススタディを用いた交渉練習を何回も授業に組み込んでくれて楽しく学べました。

そこいらの本屋で売っているMBA関連本を読めばビジネスクールで教わる科目の殆どを学べますが、交渉術は読書からではなく直接教わりながら実践しないと身に付かないと思いますので、是非また受けたい授業の筆頭です。因みにこの教授は我々クラスメートによる教授評価でも年間No.1を獲得しました。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

私がいた年度のクラス(51名)の国籍数は28カ国で平均年齢は31歳。学生は様々な業界の民間企業経験者が大半でしたが、中には官僚、弁護士、会計士、航海士、起業家などもちらほら。皆年齢相応の社会経験を積んでいるため「mature」なクラスでした。これだけでも十分に国際色が豊かですが、驚いたことにほぼ全員が母国以外での就業経験や留学経験があったため、意外にも諸外国を深く学ぶことができました。

これだけ多様性のあるクラスですから常に誰とも阿吽の呼吸でことが進むのでは決してなく、例えば人によっては時間の感覚が大きく違いましたし、自己主張ばかりする人や個人プレーに走りがちな人も少なからずいました。グループワークを進めていく上ではやっかいになりますが、慣れてくるとそれ自体を異文化体験として楽しむ余裕が出てきました(笑)。もちろん度が過ぎる場合はちゃんとグループで話し合って解決を図りました。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

幸い Vlerickのあるルーヴェン市の生活環境は高度に整備されており、大きな苦労は感じませんでした。15世紀から脈々と続く学生街であり、街中いたるところに学生向けアパートがありますし、学生は市内バスが無料です。人口10万人程度の市の割に大手スーパーやデパートもあります。Vlerickの母体の大学内にスポーツ施設が完備されており、私はフィットネスジムやトラックを頻繁に利用していました。またブリュッセルまで電車で25分程度で移動できますので、グランプラスや美術館にも気軽に行けます。

不満点を挙げるとすれば、市内では和食の食材が殆ど手に入らなかったことと、店の営業時間が短かったことです。ベルギーでは店舗の殆どが午後6時30分に閉店し、日曜日はほぼ全ての店舗が休業します。土曜日までに食料品を確保しないと日曜日に食べるものが無い場合も…。帰国後、コンビニや深夜営業スーパーの素晴らしさを再認識しました(笑)。

MBA取得後のキャリアは?

私は企業派遣だったので、転職活動はせずにそのまま派遣元の日系電機メーカーにて海外事業企画を担当しています。勤務先は大企業なので個人の役割が細分化されており、MBAで学んだことを全面的に直接活用する機会はあまりありません。しかし会社の経営状態や事業計画の判断、並びにオペレーションの立案・実行をする上で役に立っています。また、MBA留学前に比べて視野と守備範囲が格段に広がり、日常業務を推進するプロセスとアウトプットにも効果が出ていると思います。企業経営にまつわる知識やスキルを得たことで各業務の背景が見えるようになりましたし、各職能部門の専門知識をある程度学んだことで他部門コミュニケーションも円滑になりました。今後は更に実務経験を積み、専門スキルに厚みをつけていきたいと思います。

ページの先頭へ