EMLYON Business School

井上 真司(いのうえ しんじ)さん E.M.Lyon/フランス2001年9月卒業

[インタビュー実施:23/04/2001]

大学卒業後、電器メーカーを経て総合商社の情報通信・航空機部門に勤務。商社時代は、英国及び米国に計5年7ヶ月間勤務する。2000年7月に退職し、同年9月よりE.M. LYONへ留学。

MBAのコースを受講していて、どんなことを学んでいますか?

私の場合は学生時代に経済や経営について体系的に学んだ経験がなかったため、マネジメントについて広範に学ぶことがMBA留学の第一の目的でした。社会人として 10年以上の業務経験がありましたが、この間仕事に全力投球でしたので、10年程度を一区切りに知的充電を行ないたいというのが第二の目的でした。MBA 課程の8ヶ月が経過した現在、どの程度この目的が達成されているのかを確認している最中です。

私は、MBAで知識や技術を学ぼうとは考えていません。それらは時が経過するとともに陳腐化し、いずれ新しく生まれ変わります。私が身につけたいものは、より普遍的に物事を考え抜くための理論構成力であり、的確に物事を決断するために必要な思考フレームワークを自分自身のなかに構築することです。これらは、 MBAの授業で学ぶというよりも、むしろ同じ志を抱く人たちとの議論から学ぶものだと思います。

ヨーロッパのMBAを選んだ理由は何ですか?
また、現在のコースはその目的をどのように満足させていると思いますか?

英国と米国での業務経験が既にあったことと、学生時代からフランス語やフランス文化に長く親しんできたことから、フランスのグランド・ゼコールのMBAのみを始めから志向していました。E.M. LYONはフランスのビジネス系グランド・ゼコールではHEC、ESSECについで第3位にランクされており(年によってESCPと順位が入れ替わることもある)、その中で唯一パリ以外に所在することから、同校を志望しました。

フランスの高等教育制度は日本や米国とは異なり、大学とは別にグランド・ゼコールが存在します。グランド・ゼコールへ入学するためには、通常、大学入学資格試験(バカロレア)を受験後、選抜された高校(リセ)のみに設けられた準備クラスで1年ないし2年間の準備教育を終了し、学校ごとの選抜試験に合格して初めて入学が許可されます。グランド・ゼコールは、技術系やビジネス系など多様な分野でのエリート教育を行なうことを目的としています。それだけに、入学してくる学生は将来のフランスを担う存在であり、彼らは一握りの優秀な人材と言われています。グランド・ゼコールのMBA課程では、そのようなグランド・ゼコールで教鞭をとる教員の授業を受講することから、我々の知的関心を十分に刺激してくれる環境が整っていると言えるでしょう。

また、クラスメイトは60名と少数ですが、20カ国余りから業務経験平均9年の精鋭が集まっており、彼らとの議論からも学ぶことが多々あります。

今後の目標

短期的には、7月からDouble Degree Programで出かける英国Cranfield School of Managementにおいて必要単位を修得し、E.M. LYON及びCranfield両校からのMBAを取得することです。その後はビジネスの現場に復帰することが一つの大きな課題です。今までの経験を生かしながらも、常に自分自身の能力を向上させることができる環境を手に入れたいと考えています。そのうえで今後10年くらいを視野に入れて、自分自身が挑戦したいと考えていることに取り組みたいと思います。とにかく、後悔しない選択を心がけるつもりです。

電子メールアドレス: shinjiparis@hotmail.com

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M.Hさん E.M.Lyon/フランス2005年卒業

プロフィール[インタビュー実施:Oct/2005]

E.M. Lyon MBA 2005年卒業

大手銀行・外資系コンサルティング会社勤務にてM&A、ビジネスコンサルタントとして従事。現在EM.Lyon・早稲田大学MBAと共同で起業プロジェクト実施。ユーロMBA推進プロジェクト代表、フランス糸東流空手道支部長として精力的に活動

MBAのコースを受講していて、どんなことを学んでいますか?

プログラムは1年間で、4つのフェーズ(Foundation course, Gateway, Electives, Capstone Project)に分かれております。GatewayではCorporate Finance, Managing Market Driven Companies, International Business, Global Leadershipの4つの中から専門を選択します。選択科目のElectivesでは、Executive MBAの生徒と一緒にフランス語の授業を受けることも可能です。私はイレギュラーなケースで、入学当初よりアントレを志しておりましたので、過去の知識の応用や速読などで授業の負担を軽減、できるだけ自分のリソースをベンチャー立ち上げのプロジェクトに注力してきました(プログラム開始後すぐにアントレのプロジェクトが実施可能)。陳腐化する経営メソッドをただ単にインプットするより、プログラムと並行して何を成しえたか、そして今後の修学の活かし方が大切だと感じました。

ヨーロッパのMBAを選んだ理由は何ですか?
また、現在のコースはその目的をどのように満足させていると思いますか?

まず、フランスに来た理由は主に2つです。健康面まで害し、公私ともども今後このままの延長線上でいいのか?人は誰でも平等に死が訪れるに、今後もやりたいこと (国際関係の仕事等)を犠牲にする意味があるのか?と考えた場合、やはり自分の好きな分野、競争優位性をレバレッジし、社会に少しでも自分の生きた証を残そうと決心をしたことが1つ。もう1つは、正直、将来の自身の生き方について、熟考する時間が欲しかったことが挙げられます。上記両方の目的を融合することができる選択肢は、米国ではなくMBA以外のもの、即ち歴史文化や第2外国語などが吸収できる欧州にありました。そして起業に重点を置く学校(*)を選び、自らも起業に携わりたいと感じたのは、外資系コンサルタントとして働き、ロジックの構築は磨かれたものの、事業へのコミットメントやビジネスを介した人との繋がりの充実という面で、どうしても1事業に責任を持つ人たちとの乖離があることに気付いたからです。 MBAコースの魅力は、知識そのものよりもあらゆるビジネスに応用できる思考技術を習得できる点にあります。よって時間的制約・不確実性の中でいかに意思決定をするか、シナリオを描き、また場合によっては変更する柔軟性があるか、シナリオを実行する際、リーダーシップをどのように発揮するか、などの訓練を行います。私は授業内容をそのままアプライさせる意味で、並行して起業プロジェクトなどを進めてきました。そもそも最初に気付いたことは、自分で1から絵を描いていく起業家と、合理的経営を目指すMBA経営は本質を異にするという点です。私が行き着いた結論は、起業家は創造力だけでなく、事業評価・遂行能力に長けた「バランス感覚の取れた人間」でなければならない、というものです。米国型ベンチャーの評価では経営陣の構成を最重要視すると聞きますが、やはり結局は物事を変える・動かすのは人間の心であり、企業内の問題も、最後には人間の問題に帰着するのではないでしょうか。また、欧州は米国と異なり、ストックの社会なゆえに、既存のものを潰して(あるいは無視して)創造しようという本来の起業の概念は相容れないものなのかも知れません。そうした中、この欧州の地で「人間としてのバランス感覚」を養い、良い意味での自身の価値観・人生観を大きく変容できたことが、1番の収穫であったと認識しております。

(*)商工会議所がバックアップのアントレプレナーシップセンターが学校に隣接しております。

今後の目標

今後は@自力で新しいことを誰もがのってくるアイデアで、A日本1目指し、Bそして国全体の産業再生、もしくはそれ程のインパクトを発揮できるような事業、を目指して挑戦し続けます。

1人でも何かを作り上げるのだという気概を持った、今までの自分を変えるのだという意識を持った人に1人でも多く、欧州MBAに来ていただきたいと願っております。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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企業研修プログラム / E.M.Lyon

企業研修プログラム

フランスのトップクラスのMBA.
英語のみで受講可能です。企業や国内・外ビジネススクールとのInternational Networkが大変発展ており、ヨーロッパを始めとする様々な国のビジネススクールや企業を訪れる機会があります。
卒業後のネットワークなども大変充実しているため、卒業後にそのネットワークからビジネスチャンスが生まれる事もしばしばある、というよい循環をしているビジネススクールです。数々のMBAを成功させてきたDeanの下、EMリオンは、現在、フランス第2の都市であるこのリオンにあるまる企業とともにさらに発展し、ヨーロッパの中核となろうと相当なビジネス展開を繰り広げています。

Cranfield(英国トップクラスMBA)とのMBAダブルDegreeコース有り。

英語(前半)とフランス語(フランス語を身につけた後半)の2年間マネージメント修士号もあります。また、企業研修などにも大変定評があります。

スクール公式サイト

企業研修・エグゼクティブプログラム / メルマガ 「The 人事部 」 掲載記事

フランス第二の都市リオンにあるEM Lyonは、フランスでも屈指のMBAとして知られていますが、その国際的ネットワークをフルに生かしたエグゼクティヴ教育でも、高い評価を得ています。過去15年間で、350社以上、1500人以上のトップエグゼクティブ教育に従事してきました。特に定評のあるのはテーラーメードのプログラム。企業の要望に併せて、

・ マネジメントチームの認識と結束を強固にする。
・ 顧客志向性を強める。
・ 異部門間におけるコミュニケーションとシナジーを高める。
・ マネジメントスキルを要請する新たな人事政策を構築する

など、様々な課題を共に解決すべく、ファキュリティが一丸となっています。

顧客企業のひとつ、ダノンはEM Lyonに委託してDanon Marketing Universityを開講しています。トップから、入社したばかりのジュニアまで、それぞれの置かれた状況にあわせて、徹底的に鍛えられるわけです。研修はEM Lyonでのオンサイトトレーニングと、CD-ROMを使ったオフサイトトレーニングで構築されており、忙しいビジネスマンが無理なく教育を受けられるよう、様々な配慮がなされています。EM Lyonはブランドマネジメントの雄フランスのトップMBAにふさわしく、マーケティング、ブランド構築に非常に強い学校です。特にこの分野でのエグゼクティヴ教育を考えられている皆様に、自信を持ってお勧めできるプログラムです。

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R.I. さん EMLyon/フランス2004-2005 在校生

[2006−2007ALC特別体験談より]

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

まず、ヨーロッパのMBAには1年間で取得できるコースが数多くあること、このことは時間的にも経済的にも助けになると思いました。次に、就業経験数年以上という基準を設けている学校が多く、様々な経歴を持ったある程度の年齢層以上の人が集まってくるところも魅力でした。そして、EUの統合が進み大きな経済市場を作っている中で、ヨーロッパの経済やビジネスについて自分があまりにも無知だったため、学ぶことに興味を持っていました。もちろん、もともとヨーロッパの文化、歴史、雰囲気が好きでしたので「暮らしてみたい」という単純な希望もありました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

私の場合は、語学の問題から、授業、課題をこなすのに大変な時間がかかりましたが、それらは自分の責任で何とかキャッチアップすることは可能でした。ただ、ディスカッションやグループワークなどにおいて自分の意見を伝えることができないことが特に最初は多かったので、自分は「Uselessだ」と感じてしまったときが一番落ち込みました。今考えると、それもいい経験で、そういうちょっとした挫折があったので、その後の自分の変化(成長)を感じとることもできました。

私は、1年制でも2年制でも、最初のクォーターまたは半年がつらいのは同じなのではないかな、と思います。慣れない環境の中で、多くの課題、授業、グループワークをこなすためには、全てのことに全力投球ではなく、どこに力をいれて、どこで少し息を抜くかをみんなが試行錯誤して、つかんでいっているようでした。

好きな教授や科目は?

印象に残っているのは、Personal Development Managementという授業です。1クラス15名ほどのセミナー形式で3日間のクラスが2回ありました。 ゲームや心理テスト、写真を使った自己表現など様々なアクティビティやディスカッションから、自分を知り、他人を知る、ということを学び、キャリア育成につなげていくことを目的としています。自分の考えを表現することはとても難しく、授業のあるときは気が重かったのですが、最終的には自分自身について考えることになりましたし、クラスメイトからのフィードバックで言われた言葉を今でも時々思い出すことがあります。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

みんなとても個性的で、その個性を存分に表現していました。日本人にもいろいろな人がいるように、一人一人みな違います。「○○人は〜と」カテゴライズしてしまうのではなく、違いを楽しんでいくことが大切だと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

苦労といえば、やはりフランス語でしょうか。手続き(滞在許可証、契約、等)にいく時はとても緊張しました。でも、困ったときには必ず友達や、たまたまそばにいた方が助けてくれましたので、今ではいい思い出に変わっています。

楽しかったことは、リヨンでの生活そのものです。リヨンは世界遺産にも登録されているほど歴史のある古い街です。フランス第三の都市でありながら、小ぢんまり、のんびりした街は歩いているだけでいろいろな発見がありますし、川沿いのマルシェ、通りのカフェもとても雰囲気がよく、人々が気軽に声をかけてくれる素朴さもありました。その大好きな街で、同級生はもちろん、日本にいては決して出会えなかったたくさんの人たちに出会えたことは何よりも大切な思い出です。

MBA取得後のキャリアは?

帰国後は、コンサルティング部門に異動しました。MBAではBusiness to Business Marketingを専門したこともあり、自分で希望し、営業・マーケティング戦略やプロセス改革のプロジェクトを担当しています。問題を分析する際には MBAで学んだフレームワークを使うことがあります。実務を経験することで、MBAで学んだ理論の意味合いを確認することができているように思います。

ただ、理論などよりも自分に一番プラスになったと思うのは、人とのコミュニケーションのとり方です。初対面の人や、バックグラウンドが異なる人とも、以前よりもスムーズにコミュニケーションをとることができ、多くの情報や意見を交換できるようになったように感じています。これは、どうにもならない状況(言葉や根本的な文化の違い)の中で多様な人と時間をともにしてきた成果ではないかとうれしく思っています。

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