HEC

M.S さん HEC/ フランス2012-2013 在校生

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

欧州の文化・人々の価値観・社会のあり方についての理解を深めたいと考えており、欧州の国際的な大学院に行きたいと考えていました。また幼い頃フランスに住んでいたこともあり、フランスに行きたいと考えていました。HECはフランス・欧州のビジネススクールでありながら学生・教授の国籍やバックグラウンドが極めて多様で、国際評価も非常に高いため、自分の留学目的にぴたりと当てはまるスクールでした。(尚、HECのMBAの授業は全て英語で行われます。)

授業はどうでしたか?大変だったことは?

HECではほぼ全ての授業でグループワークが義務づけられており、グループワークが成績に占める割合が非常に大きいです。グループは国籍や職務経験をベースにスクール側が指定し、多様で異なるバックグラウンドを持ったメンバーによって構成されます。Coreフェーズ期間中の前半8ヶ月は課題も非常に多く、常にグループのメンバーと議論している状況だったように思います。
何度もディスカッションや共同作業を繰り返すうちに、どうすればグループを積極的にリードしていくことが出来るか、どうすればディスカッションの中でグループのメンバーを説得できるか、何が自分の強みで何が補ってもらわなければならない部分なのかなど、世界中から来た多様なバックグラウンドの人間と仕事をしていく上で必要になる考え方や態度を試行錯誤の中で身につけていく貴重な機会になりました。

好きな教授や科目は?

Organizational Behaviour(Kevyn Yong教授):効率的・効果的な意思決定を行う方法、人々のモチベーションを高める方法、グループワークで陥りやすい失敗、イノベーションを生み出す組織運営のあり方などを、実践を通じて学習しました。例えばモチベーションに関しては、情報が共有されなければメンバーのモチベーションは低下すること、意見を述べる機会が設置されていることが、最終的な結論が自分の考えと違った場合にもそれを受け入れる精神状態を作ることなどを学びました。またグループワークの失敗例として、議論がチームとしての成果を出すためでなく、個人の経験や当初の意見を正当化することに使われてしまうことなどが挙げられ、自分たちが無意識のうちに行っていることを意識化させられ、振り返ることが繰り返されました。HECのMBAのように、異なる強みを持つ人材が集まったチームが、それぞれの強みを活かして協働し、チームとしての力を最大に引き出していくためにどうすればよいか等、非常に多くのことを学んだ授業でした。

Geopolitics(Jeremy Ghez教授):あらゆるビジネスの前提となる国際情勢について、地政学的な観点からの分析手法とビジネスへの影響を認識する方法を学習する授業です。欧州、中東、トルコ、中国等のケースを用いて、それぞれの国や地域が抱える地政学的な優位性やリスクを分析・定量化し、将来起こりうるシナリオやビジネスへの影響について議論・学習しました。扱われるトピックは最新のものばかりであり、教授も知識が豊富で非常に面白かったです。例えば欧州のケースでは昨今の金融危機に対するEU及び各国政府の対応状況を学び、将来の見通し(ギリシャにとってEU脱退は得策か、ギリシャ脱退は他のEU諸国にどのような影響を与えうるかなど)についてのディスカッションを行いました。コースパックとして配布される記事やケースも最新のもので選りすぐりの為、大変勉強になりました。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

海外のMBA生と恊働し、彼らに対してリーダーシップを発揮していく上では、言葉で自分の意見をはっきりと説明し、自分の成果を目に見える形でアピールしながら進めて行く態度が常に必要であると感じました。あくまで私の留学経験からですが、海外のMBA生は一般として、矛盾や非論理性を内包しうる状態を放置せず、論理的な道筋がはっきりするまでリーダーや上司に対して意見を言い続けます。最後にどうしても意見が合わない時にリーダーの方針に従ってくれるかを左右するのがそれまでに構築した信頼関係であり、その信頼関係も、結局はしっかりと説明しながら自分の出した成果を目に見える形でアピールしていく中で築かれていくのだと感じました。
多様な人材を抱える海外ビジネススクールでの経験を通して、海外の人材と恊働する上で必要なそれらの態度に気づくと共に、それを自分自身の強みや特徴を踏まえて身につけていくバランス感覚が重要だと強く感じました。これらは良く言われていることではありますが、実際に試行錯誤してこれらの重要性を体感し、ある程度体現していく自信を得られたことは非常に良い経験となりました。

M.S様から見て、このスクールの「特徴」「一番の売り」、またはこれからMBAを考える方に是非知ってもらいたいことがあればお願いします。

HECは伝統ある名門ビジネススクールであり、極めて豊富なリソースを持っています。例えば授業やイベントでの各種講演会では有名企業のCEOや他国の在仏大使などが定期的にキャンパスを訪れて講演しています。私が在学中には、HEC名誉教授でノーベル平和賞受賞者であるMuhhamad Yunus氏に加え、L'OrealのCEO、マッキンゼー代表、ベイン&カンパニー代表、クリーンテックビジネスのベンチャーキャピタリスト、排出権取引事業の起業家などのHEC卒業生による講演が行われ、その他にもフランス軍登山チームのキャプテン、アメリカ大使、OECDジェンダー問題担当官など、様々なゲストによるスピーカーイベントが全て英語で行われました。
教授陣と学生との距離も近く、授業外で教授と関わることで新たな知識や人脈を得ることも出来ます。教授陣は世界各国から集まっており、MBAで授業を持っている教授のバックグラウンドも、BNPパリバ銀行コーポレートファイナンス部門のMD、アップルのHuman Resources Director、ルイヴィトンジャパンのCEO、エルメスのVP、PPRマーケティング部門のヘッド、マッキンゼーやべイン&カンパニーのコンサルタント、政策シンクタンクの研究員など、非常に多彩で実績があり、教授を通して就職先を得る学生もいます。私自身授業での積極性や授業外での個人的な提案を評価してもらい、Sustainable Investmentの授業の教授が代表を務める南アフリカのコンサルティング会社の調査レポート作成に参加する機会を得たり、Business Ethicsの授業の企画のため、教授とコンサルタントとのミーティングに参加する機会を貰ったりしました。これらの活動は現在の仕事(ロンドンの社会的責任投資調査会社)を得る上で非常に役立ったと感じています。
こういったHECの持つ豊富なリソースを積極的に活用すべく自ら動いていくことが、HEC MBAを最大限満喫する上で非常に重要だと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

HECはキャンパス内に居住施設があり、MBA生にはExpansielという建物が割り当てられています。MBAに所属する学生の多くがExpansielに居住しています。授業が行われるMBAビルディングはキャンパス内を歩いて2〜3分のところにあり、また朝昼晩の食事もキャンパス内の食堂でとることができます。寝る時間以外、平日は朝の授業から夜のグループワークまでずっとクラスメイト達と過ごし、毎食事を共にとり、週末も彼らと一緒にパリ中心部やベルサイユ、学期の合間の休みには周辺の欧州諸国などに遊びにいき、文字通り朝から晩までともに過ごしたことは掛け替えのない経験となりました。
日本で過ごしていては決して感じることのできない、海外の人材との微細な文化の違いや考え方の違いを、ときに嫌というほど実感し、それらにどう対応したら良いかを毎日考えさせられ、試行錯誤してきたことは、MBAの多くの経験の中でも特に貴重な経験となりました。HEC MBAのおかげで世界各国から集まったクラスメイトとこれだけの時間を共有し、一生付き合っていくであろう仲間と本当に深い関係を築くことが出来ました。

MBA取得後のキャリアは?

ロンドンの社会的責任投資の調査会社にて、社会的責任投資に関係するマーケットの調査や新規ビジネス開拓の戦略策定を行っています。社会的責任投資の領域について深い理解を得られたのは、HECのSustainable investmentの授業を受けたことが大きく、それに加えて現在働いている会社の担当者による講演がHECで行われたことで、人脈を得られたことが非常に大きかったです。また職場は非常に多国籍であり、このグローバルな業務環境において、HECで多様な人材と共に過ごした経験が大いに役立っているとも感じています

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