(1)MBA進学の理由、目的 MBAにて、再び学ぼうと考えたのは、ベンチャー企業の役員をしていた際に、営業方針を巡って、同僚の営業担当の役員と議論を行った時の経験が契機となっています。彼は、スピードを重要視するあまり、きちんとした分析や戦略的な視点が欠けており、彼の営業方針は、近視的になっていました。私は、彼と何度も議論しましたが、彼を説得することができず、会社は、彼の方針に沿って、営業を行った結果、売上が伸びず、経営は、危機に瀕してしまいました。結局、彼は、職を解かれ、退職し、社長自ら、営業の陣頭指揮を取ることで、社の経営は、事無きをえましたが、私は、その役員をきちんと説得できなかったことを猛烈に反省しました。どんなに優れた知識や経験を持っていても、それを的確に人に伝えられなければ意味がないと痛感しました。私が20代に勤務した新日鉄は、社員教育に熱心な社風で、様々な仕事や研修を通じて、知識や経験を私にインプットしてくれました。これは、私にとって貴重な資産だと思っています。30代は、この資産を活用して、質の良いアウトプットを出すことが問われ、そのためには、多くの人や組織を説得し、私の考えや行動に共感してもらうことが必要と考えました。多くの人や組織を論理的に説得するためには、ビジネスやマネージメントを再び学び、頭を整理し、足りない部分を補強する必要があると感じました。10年強の優れた実務経験とMBAで理論的、体系的な学習は、ビジネスやマネージメントの本質的な理解を可能にすると考えました。
(2)欧州MBAを選んだ理由 欧州のMBAは、レクチャー、理論主体で、レクチャー前には、理解を確実に、また、深いものにするために、多くの本を読むことが求められます。また、アサインメントとして、多くのレポート、エッセイが出されます。これらのエッセイを書くためにもかなりの読書量と深く考える力が必要になってきます。ディスカッションやケース中心のクラスも確かに興味深いとは、思いますが、自分の英語能力、特にスピーキング&リスニングでどれほど、短期間に深い議論がアグレッシブできるか疑問でした。また、私の目的である、「ビジネスやマネージメントを理論的、体系的に学ぶ」という面では、レクチャー、セオリー中心のクラスの方が適しているのではと考えました。
(3)現在のコースは上記の目的をどのように満足させているか? レクチャーの予習やアサインメントのために、英語、日本語にてかなりの書籍や論文を読みました。ただ、単に読む流すだけではなく、内容について、深く考え、論点や疑問点などをノートにメモして、教授の部屋を個別に訪れて、議論をしたりもしました。(皆が真似すると教授のアポがとれにくくなるので、教授の部屋にいくのは、クラスメートには、内緒にしていました。)これらの読書、思考、議論のプロセスは、私にとって、楽しく非常に有効でした。今まで、点として理解していた、様々なことが、線としてつながり、視野が広くなったように思えます。そういう意味で、ビジネスの理論的、体系的理解というの面では、個人的には成功でした。ただ、クラスレクチャーそのものについては、私には、レベルが合いませんでした。レクチャーは、どうしてもクラスの平均的な生徒のレベルに合わせているために、職務経験豊かな生徒には、やや退屈であり、経験の浅い生徒には、わかりにくいものとなっていたようです。経験の浅い生徒は、レクチャーだけでは、表面的な理解しかできていない人が多くいるようでした。(彼ら、彼女たちは、試験で苦労していました、個人的に話しをしてみると、卒業後、他人事ながらこのレベルで大丈夫か?と心配になる人もいました)私は、レクチャーだけでは、力がつかないと思い、自分の勉強スタイルを早くに確立しました。勉強とは、クラスに出席することだけではなく、むしろ、メインは、クラス外で問題意識を持ち、自分に与えられた時間、機会を自主的に活用することだと思います。 |