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 奥谷 公胤(おくたに まさつぐ)さん Aberystwyth/英国 2004-2005 MBA在校生
 

| Written 12/2005|

 PROFILE :

平成9年に大学卒業後、全国約8万の神社を包括する神社本庁に奉職。

 

主に国際課に勤務し、キリスト教、仏教、イスラム教など海外宗教や関係団体との国際会議などの渉外業務、海外の大学、研究機関、在外日本大使館や日系企業、在日大使館や外資系企業などへの広報業務を行う。31歳。

   

MBAのコースを受講していて、どんなことを学んでいますか?

 

アバリーストゥイス校のMBAプログラムはジェネラルのみで(MScはマーケティング、ファイナンスなどがあります)、統計、エコノミクスなど10のコアモジュールと2つの選択モジュールを受講します。選択モジュールはマーケティング・コミュニケーションとノリッジ・マネジメントを受講しました。授業は講師によってケース中心と講義中心となります。選択モジュールは両方ともケース中心でした。

通常の授業以外には、ゲストスピーカーの講演や、アウトバゥンド・アクティビティーなどがコースを通して提供されています。特にアバリーストゥイス校の特徴の一つである、アウトバゥンド・アクティビティーでは専用施設に合宿し、プロのトレーナーが指導に付きます。頭と体を使って、理論と体験の両面から多国籍でのリーダシップ、チームワークを学ぶよい機会でした(このアクティビティーは生徒から好評で、今後回数を増やした方がいいという意見が多くあり、スクール側もそれに応じるとのことでした)。

 

ヨーロッパのMBAを選んだ理由は何ですか? 
また、現在のコースはその目的をどのように満足させていると思いますか?

 

実家は代々神職で(社家といいます)、大学では神道を学び神社関係に奉職と、ビジネスとは無縁のキャリアでしたのでアカデミックな勉強をしたいと思ったことと、1年間で修了できることから、欧州を選びました。他には留学にかかるコストが比較的安いこと、欧州諸国を旅行してそれぞれの文化・宗教事情などを見て回るのに便がいいことなどです。さらにアバリーストゥイス校は、クラスのサイズが小さいこと、国籍のバランスがよいこと、講師との距離が近いこと、国立図書館が近くにあることなどから選びました。

2004/2005のクラスは、26名14カ国から構成され、欧米、中東、アジアとバランスのいいクラスだったと思います(日本人は私を含め2名でした)。平均年齢は36歳で、バックグラウンドも国連、カナダ政府、弁護士事務所、会計事務所、証券会社、石油会社など、あらゆる職種から経験豊かな人が集まっていました。因みに神職は私だけでしたが、以前はバチカンからの生徒がいたようです。またクラスのサイズが小さいので講師と生徒の距離が非常に近く、講師が大幅に時間延長して授業をしたりするフレキシブルさもあり、MBAの生徒は大事にされている感じがしました。授業以外でも講師といろいろ話をしたり、質問したりする時間が多く取れたことがとてもよかったと思います。

キャンパス内は全てワイヤレスネットワークが利用可能で、授業ではラップトップを持参してノートを執る生徒が殆どでした。大学寮の各部屋はビジネススクール、全ての講師、クラスメイトとイントラネットで繋がっており、ネットワーク上での講師を含めたディスカッションなどもありました。授業で使用するハンドアウトなどもイントラネットを通じて事前に配布されます。また国立図書館が直ぐ近くにあり、大学の図書館に無い書籍は大抵閲覧することができるので頻繁に利用しました。

ウェールズはイングランドと異なり丘が多く、特にアバリーストゥイスは自然が豊富で日本の地方と景観が似ていると感じました。都市部で勉強することも考えましたが、大自然に囲まれ(カーディガンベイではイルカを見ることもあります)落ち着いて勉強し、思考するには非常によい環境でした。

 

今後の目標

 

英米両国のキリスト教界では、若年・壮年層を中心に伝統文化や教会離れが急速に進行している状況下において、ビジネスマネジメントのコンセプトやツールを理解してキリスト教界に合う形で積極的に取り入れ、現状の改善と公益性向上の一助として努力を試みているところが非常に興味深く、また実際にそうした人々と会って交流を深めることができたことは大きな収穫だったと思います。プロジェクトは神道・神社をマネジメントの観点から考察するというテーマですが、ビジネス世界のマネジメントをそのまま当てはめることは難しいので、非営利組織のマネジメント、宗教組織のマネジメント関係の本などを新たに読み進めながら違いを確認し、日本固有の信仰である神道、神社の歴史と特徴をふまえつつ、プロジェクトを進めています。またプロジェクトを進めるに当たっては、国内外のマネジメント、社会科学の識者や企業のトップの方々に示唆に富む貴重なご意見を伺うことができ、さらにこれを切欠に米国のあるビジネススクールのMBAコースでケースとして取り上げて頂きいろいろな意見・アイディアを頂く幸運にも恵まれました。神職としてMBAを取得するのは私が初めてと思いますので、今後は「神社とマネジメント」をライフワークにし、さらに追求していきたいと考えています。

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