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 成田 浩之 (なりた ひろゆき)さん Birmingham/イギリス 2004-2005 在校生
 

| 2006-2007 ALC 特別体験談より|

 PROFILE :

 

 

   

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

 

イギリスのMBAを選んだ理由は、1年間で履修、授業やケース演習を集中して取り組むことができ、コストパフォーマンスが高く、及び英語母国での英語力強化ができると思ったからです。アメリカのMBAも考慮しましたが、資金面と準備期間の長さ、そして自分の年齢を見て、社会復帰(キャリア継続)へのブランクとして短い1年コースの方が良いと思い、イギリスのMBAを選びました。他、コース参加者の国際性、欧州に近いのでケーススタディで欧州ネタが多いこと、少人数でケース演習ができること等色々あります。現在も当時のMBA同輩との交流があり、それらは財産となっております。

 

授業はどうでしたか?大変だったことは?

 

まず、課題概要の説明をします。課題(ケーススタディ)ではグループワークと個人ワークに分かれ、それぞれ同じ分量の勉強量が必要となります。グループでも、担当箇所の調査をし、グループワークの総体としてレポートやプレゼンを行います。問題点としては1年コースと短いので、詰め込みの感があることです。時間的制約が厳しく、十分な討議が出来ないまま、グループ内での分割作業的になってしまうのも事実、言い換えれば個々人の得意分野や役割がグループ内で自然にでき、効率性が作業の中で出てきたとも言えます。しかし、これが2年コースであったらどうでしょうか。もしかしたら、「課題、作業」とは関係のなく、様々な意見を交換でき、より広い視点でグループワークに取り組むことができたかもしれません。個人ワークも同様に、図書館でのリサーチ、レポート作成にあたってのプロセスで効率性が要せられました。スキミング等のスキルの向上と情報収集の迅速化が求められ、関連性の高いものを拾い上げることのみに集中し、広く、違った視点の文献を探す余裕がなかったのも事実です。対応策として、調査前に課題に対する仮説を組み、その後その仮説をサポートする文献と対抗説を探し、加えて、賛否両論(Argument)を作りこむといった作業性重視になりました。

授業密度についても同様で、上記コースワークとの絡みで時間がなく、授業に対して毎回予習復習ができず、その内(特に試験前)はそれなりに出来たチーム(自然発生的)で授業内容のカバー(主に復習)、そして試験対策をするようになりました。

ポイントとして、英国のMBA(1年コース)は授業や課題の量は2年コースと変わらないため、詰め込みになりがちです。しかし、チームワークをうまく活用し、チーム内でWin−Winの関係作りをしておけば、自然と日程調整や調査分担ができます。得意不得意(つまり時間のかかる科目、かからない科目)に係わらず、バランス良く学ぶことが可能となっております。もちろん出来る方は全て自分で勉強、共有化を一切しない方もおりました。しかし、ケースバイケースで柔軟にチームを作るということも大事です。私にとっては、英国でのMBA(1年コース)ではチームワークは不可欠であったと言えます。もっとも大変だったことはタイムマネージメント(時間管理)でした。

 

好きな教授や科目は?

 

私の好きな教授はポールフォレスター氏で、科目はプロジェクトマネージメント(PM)でした。授業は日程、コスト、品質(パフォーマンス)のバランスを保ちながらプロジェクトをどう進行させるか、必要リゾースの確保や様々な予想不能な事態への対応策作成の演習と盛りだくさん、非常に実戦的な授業でした。他、ストラテジー、HRMやマーケティングなど定性的な課題を中心にした科目、ファイナンスやアカウンティング等、定量的な題材の多い科目もありました。しかし、このPMはそれら両面性を備えた科目で私の相性に合い、また前職の経験等(品質管理)にも合致・相反した内容でだったため満足しております。過去の品質管理の経験で、なぜ品質マネージメント(品質重視)とプロジェクトマネージメント(コスト内でのプロジェクト進行を重視)がきっ抗していたのかが分かりました。特に日本の品質マネージメントは現地現物主義、時間が過かっても、また係るコストを「品質向上のための投資」と見る向きが非常に強く(←私は美点と思いますが)、海外工場のプロジェクトチームともめることが多かったのです。結局、それら相反する目的のため、きっ抗する仕事の進め方が存在していたことが分かりました。自分なりに理解でき満足しております。

ここでのポイントは、職歴のある方は是非、実体験した仕事へのリファレンスとしてコースワークを取り組んでいただきたいという点です。お仕事との関連性を見出してください。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

 

MBA留学生は総じて英語が上級レベルで会話では殆ど問題ありません(アクセントはお国柄がありますが)。問題は習慣や文化の違いです。言い方や振る舞い等、各国様々な違いがあり、チーム形成と運営の妨げにもなります。やはり人の性格はその国々の文化や習慣に強く影響されております。上手につきあうコツは「良く聞くこと」、「それぞれの個性を尊重すること」、そして「言うべき時はハッキリ、主張すること」です。良く聞き、相手を理解する、言わば情報収集のプロセスでは「忍耐力」が必要とされます。個性尊重する段階で、各チームメートの個性の尊重しますので「バランス力」が要せられ、そして最後、「言うべき時は言う」、リーダーシップを発揮する「勇気」です。上手に付き合うのに必要なことは上記の3つのポイントと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

 

日常で苦労したことは殆どありませんでした。しかし困惑するとは多々ありました。やはり物価が高いことでしょう。よくマクドナルド指数など怪しげな財務指標がありますが、ロンドンやバーミンガムの都市ではセットメニューで800円から1000円します。これもポンド高、円安のせいでしょう。しかし、ロンドンのB&Bの例をとっても、建物等ハード面での品質(きしみや器具の使いにくさ等)やお店でのサービスの品質を見ても、日本のそれらと明らかに差があり、当初まったく納得できないまま、一年経ち、順応していったことが思い出されます。(帰国した時、日本のサービスの良さとハード面でのレベルの高さに驚きました)生活面での苦労を一言で言うと「納得できない価格」です。単に高いと言うだけでなく、カスタマーへの基本的な態度や応対に「ばらつき」が広く、多くの場合は悪いものばかりです。もちろん、高級デパートのハロッズや高級ホテルでは良いサービスが得られますがその対価は上記の物価ベースでより高いものになります。

楽しかったことは、「緑の豊かな環境で学べたこと」です。英国はそのサービスの悪さ、物価の高さ等いくつか挙げられますが、英国人の造園やガーデニングへの執着と愛情には敬服します。私の大学のあったバーミンガムでも良く芝を刈る作業員の方や、緑園を整備する職人さんを見かけました。もちろんそれなりのコストをかけ、市当局が運営しているのでしょうが、その徹底ぶりには私たち日本人も学ぶところが多いかと思います。特に東京の雑多なビル群、公園の少なさ、仮に公園があっても砂をひき詰めて整備を楽にしようとする味のなさ等、パブリックスペースに対する考え方が根本的に違うように思います。今でも、英国の緑豊かな都市と田園を大変懐かしく思っております。

MBA取得後のキャリアは?

 

MBA取得後の3カ月は現地就職を目指しました。しかし、諸事情により断念、帰国し、現在欧州系自動制御機器メーカーに勤めております。幸い(?)組織も新体制でリゾース確保や会社運営の仕組みが未熟なため、経営学を学ぶ上では最適な手本(?)となっています。会社とはやはり市場に向き合うもので、日々変わる市場へ戦略を策定し、戦術面で実行可能とするべく人材育成や採用が行われるというのが一般に、「基本的プロセス」となっております。しかし世の中には、組織形成そのものをワーキングクラスのマネージャーに丸投げし、戦略や会社としてのテーゼ(コーポレートストラテジー)が定まらないまま、進んでしまうケースもあります。その修正にミドルマネージャーが取り組み、社内での調整に奔走することがあります(特に外資系ローカルオフィスにて)。目下、弊社欧州本社の方針、日本市場の特質に合わせた整合化が進んでおります。しかし、根本的に人間(人的資本)のケーパビリティーの対応が一番遅れるもの、求められるスペックに対して、対応できる人材採用とトレーニングが間に合わずにおります。原因系としては初期のコーポレートスストラテジーの誤り、それに伴う時間の浪費、人材確保の遅れが挙げられております。MBAで学んで生きていることは、少なくとも、組織の問題を認識できること(現状認識)、そして対応プロセスの時間軸がある程度読めるようになることです。人の巻き込み方「組織運営」に関しては専門分野の違いや入った組織の文化の違いによって様々です。実際の職場(マネージメント)では、MBAで学んだことに加えて応用力が必要です。

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