当初掲げた目標として広い視野でビジネスを見るということを前述しました。私のイメージとしては、ビジネスというジグソー・パズルを仕上げるようなものです。実務を通じ、マーケティング、オペレーション、人事、法律、組織構成など、ビジネスの各機能の役割は大方把握していましたので、いわばパズルのピースはすでに持っていた訳です。前半の必修コースではこの各ピースについての概要や、パズルが仕上がった時に浮かび上がる絵(目標・ビジョン)、さらに各ピースをどこにあてはめれば絵が仕上がるか(戦略)について学びました。後半の選択コースは、自分の興味に応じた選択科目を中心に、理論を実社会に適用するという実践的なカリキュラムとなります。特に外部企業とのプロジェクトは、パズルを組み立てるシミュレーションの機会であると同時に、イギリス企業との接触の場ともなり、大変貴重な経験でした。
目標の達成度合いとしては、今後まだまだ学ぶことはあるものの、キャリアのステップアップのスタートを切るに十分足るものと言えます。また、当初特に目標とはしていなかった2つの分野で思いがけず多くを得ることができました。1つはプレゼンテーションを含むコミュニケーション能力です。この科目に特化した授業が必修であることと、他の授業でも頻繁にプレゼンテーションを行う機会があったことで、どちらかというと苦手であった大人数の前での発表も楽しんでできるようになりました。もう1つは異文化交流です。私は海外学生代表者の1人となり、様々な企画を通じてイギリスを含む世界各国の文化に触れる機会が得られ、さらにコースを終えた今では行ったことのない国々に友人を訪ねて行かれるようになりました。また学習過程においても異文化交流は重要でした。クランフィールドでは、前半の2学期を通じて学習チームが割り当てられます。あらゆる経歴や国籍を持った7人のグループで毎日のようにミーティングを持ち、共に授業や課題のためのディスカッションや作業を行うのです。異なる文化・習慣を背景とする人々とどのように協力し、仕事を進めれば良いかを学べたことは、今後の私のキャリアに大いに役立つと考えます。
最後に、私にとって学問と同様に大切なことが学生生活を思い切り楽しむことでした。クランフィールドはロンドンから1時間ほど北上した片田舎にあり、周囲には都会で楽しめるような娯楽はあまりありません。しかしながらキャンパスは広々と豊かな自然に囲まれ、スポーツやホーム・パーティ、バーベキュー、学内パブでの自己企画のパーティなど、逆に都会では体験し難い家族的なイベントが盛沢山でした。時折ロンドンに繰り出し、オペラを観たりクラブで踊り明かすなどというのも良い息抜きになります。多忙なカリキュラムを縫ってのこれらの社交機会のお陰で総じて学生の結束も固く、長く付き合える友人も多く得られました。これが仕事上のネットワークとしての財産でもあることは言うまでもありません。
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