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 花原 憲一郎(はなばる けんいちろう) さん Strathclyde/英国 2003-04年 在校生
 

| Update July/2004|

 PROFILE :

94年大学卒業(国際関係専攻)

 

卒業後も商社にて8年間国際取引に従事。4年間の東京勤務、その後香港支社へ4年間出向し、繊維・宝飾・服飾雑貨等の軽工業品を流通顧客に対する営業マーケティングを含むグローバルサプライチェーンの構築・管理、品質管理のプロセス再構築等の業務を担当。
MBA進学前には、Leeds大学のPre-MBA6ヶ月受講。大学時代には北京大学へ中国語短期留学も経験。

   

MBAでどのようなことを学んでいらっしゃいますか?

 

正直な話、独学でもMBA的なことは勉強できるかもしれません。しかし、最も違う点は、色々なバックグラウンドを持つ多国籍なクラスメイトの存在だと思います。コース中にはかなりのグループワークがありますが、これをいかに上手くこなせるかが独学とは大きく異なるMBAの醍醐味だと思います。一つ一つのアサインメントが、実社会でのプロジェクトのような感じです。チームがアサインされてから、簡単な自己紹介から始まり課題のブレインストーミング、スケジューリングと行ないますが、上下関係のない中、毎回メンバーによって癖があり正直なかなか上手くいきません。しかし、それが実社会。具体的な課題をこなす上でのチームワークの大切さ、改めてその大切さを感じます。もう一つクラスメイトの利点は、多国籍で多種多様なバックグラウンドです。日々色々な業界の話を聞く為、まるで自分もそこで働いたような錯覚をたまに起こすほどです。ましてや30ヵ国近くから集まっております。これこそ素晴らしいケーススタディーだと思います。もう一つ独学で難しいことは、バランスのとれた系統だった勉強かと思います。MBAでは苦手なエリアも全て履修しなければならないので決して楽ではありませんが、どのような場面にも対応できる為の基礎・底力がつくと考えております。
具体的な科目としては、現在1学期が終わった段階ですが、コア科目前の基礎5科目を終えました。Exploring Business Environment(マクロ経済・シナリオ設定)、Making Decision(科学的判断アプローチ方法)、Information System(IT関連)、Data Management(ビジネス統計)、Operation Management(品質管理、業績評価法やサプライチェーン等)を終え、今後マーケティングなどのコア科目へ突入予定です。その後、ストラスクライドの特徴である戦略・マネージメントの特別モジュール、そして選択科目を経て、MBAプロジェクトに取り組む予定です。

 

ヨーロッパのMBAを選んだ理由は何ですか? 

 

MBA選定に当たり、最初に重視した点は期間でした。ヨーロッパ内には一年のコースが多いため、それが第一決定要因でした。20代半ばならともかく、卒業時には30を超えることを考えると、感覚・リズム的にも、勿論金銭的にも、2年間職を離れることは長いと判断しました。1年制MBAという事で、一時はトータルコストの安いオーストラリアMBAを考えた時機がありましたが、卒業後の付加価値を考え最終的にはイギリスに決めました。香港勤務中にイギリスMBAを色々調べたのですが、香港はご存知のようにイギリスとつながりが深い為、説明会など日本に比較すると遥かに情報は豊富だった事は助かりました(ちなみに超キャリア社会香港でのMBA人気は日本以上です)。 もう一つは、クラスメイトの職歴年数とクラスサイズも重要でした。前職中いくつか社外スクールに通いましたが、職歴も浅く学生気分の抜けていない参加者にうんざりした経験があった為、少なくとも5年以上の職歴のある大人な学生が多い方が自分には合うと考えました。安くない投資を考えると、細かなコンタクトの得やすい適度なクラスサイズも重要な点でした(今年64人)。 また、テクニカルというよりアーティスティックなアプローチを勉強したいと思っておりました。その点、私が調べた限り、ヨーロッパMBAが私の希望にあっているという気がしました。以前よりイギリスをはじめとするヨーロッパに興味があった影響もありますが、日本の将来を考えると、アメリカよりヨーロッパに習うことの方が多い気がします。

 

現在のコースはその目的をどのように満足させていると思いますか?また、入学後感じる特徴は?

 

合格をもらった複数の学校からストラスクライドに絞った理由は、MBAの歴史、コース編成と評価が主な理由でした。新興MBAに関しては、たまにドタバタした様子やコース内容の不安定さをプレMBA受講中現地にて在学生や卒業生より聞いておりました。逆に、歴史の長さはフレキシブルに欠けると言うことになるかもしれませんが、MBA運営はそう簡単ではないと考えておりました。

MBAコース内容に関しては、ストラスクライドは一般マネージメント及び戦略に重点をおいていたことも決定要因でした。スペシャライズディグリーコースを持つMBAもいくつかありますが、少人数では深く学べないと考え、特別コースでの差別化よりも学校が強化している分野に注目した方がよいと考えました。

評価に関しては、歴史の点で述べた点と重複しますが、MBAのカリキュラム・クオリティー管理は決して容易ではないと思います。そこを判断するにはランキングや各種承認団体からの承認が大切だと考えました。プレMBA在学中に現地で色々な情報を集められたのも非常に役に立ちました。入学後知ったのですが、現在アメリカのMBA承認団体への取り組みも行なっており、‘3冠(AMBA,EQUIS含め)’獲得間近の様です。これで最近下がり気味のランキングも上がるのではないかと考えております。
入学後ですが、入学前に学校を面接もかねて訪問したこととアドミニストレーション担当と何度も電話やメールでやりとりをしていた事で上記の点に対してギャップはあまり感じておりません。入学後改めて感じたことは、ここではパートタイム・フレキシブルラーニング・海外キャンパスコースとの距離が意外に近いことでした。フルタイムも含め都合4つのMBAが同じカリキュラムで行なわれているので、選択科目以外はオリジナルのテキスト(一科目約400ページ前後)が作成されており、これが非常に充実しており授業とリンクしている為その科目の理解に大変役立ちます。市販されている本もサブテキストとして使用しますが、そのオリジナルテキストだけで十分なくらいです。因みにテキスト代は授業料に含まれております。

ここのコース内容で最たる特徴は、コア科目と選択科目の間に戦略・マネージメントに関する1ヶ月強に及ぶモジュールが入っていることだと思います。前述しておりますが、これはここの強みであると同時に、他MBAとの大きな相違点だと思います。

モジュール授業形式というのもここの一つの特徴かと思います。ここのモジュールとは、一つの科目を2−3週間連続して授業が行なわれます。つまり、一日中同じ科目が数週間に渡って行なわれ、その中で授業・グループワーク・プレゼンをこなします。複数の科目が同時に進行するスタイルと比べて、予習復習も混乱せずに落ち着いて勉強できます。細かいことではありますが、試験はそれぞれ連休前、つまりクリスマス休暇前、イースター休暇前にあるので試験後の休みを次の準備等に有意義に使えます。

また、大学院内では頻繁に企業・各種団体に対する特別コースも行なわれており、現場と非常に密着していることを感じます。経営大学院内ではありませんが、同じビジネススクールファクルティ内に学部から社会人までを対象とした‘ハンターセンター’という起業家養成・援助研究機関もあり、そこのコースを同時に受講している‘タイムマネージメントの良くできた’クラスメイトも何人かおります。
今年は私が唯一の日本人ですが、正直な話、授業開始後、なぜもっと日本人が来ないのだろうと不思議に思っております。授業開始前は、地理的にも日本人は少なくてしょうがないかなと思っておりましたが、コース内容が希望に合いさえすれば、華々しさこそありませんが、コースレベルや各種環境を考慮するとここまでくる価値は十分にあると思います。ましてや、イングランドと比較してアジア人が比較的少ないので、ここは意外に穴場ではないかと考えております。授業料を考えても、今のところ他MBAと比較しても十二分に'Value for Money'だと感じております。新卒・職歴3年未満向けのMBM(MSc)コースも同じ建物内で行なわれておりますが、何人か友人ができ話をしておりますが非常に楽しそうですよ(勿論楽ではなさそうですが)。

大学母体は、人文系を含む5学部から成り立っていますが、雰囲気としては工科系大学といった感じを強く感じます。因みに東京大学の工学部はストラスクライド大学の協力の下設立され、初代学長はここの教授だったようです。

 

今後の目標

 

MBA卒業という目の前の目標は別にして(?)、クリエイティヴなビジネスマンを目標に考えております。器、舞台は関係なしに、自分を必要とされる場所で期待以上の成果を常に上げたいと考えております。また、自ら必要な場所を作り上げるチャレンジにも興味があります。具体的な分野としては、国際マーケティングあるいはコンサルティング業務に携わりたく思っております。日本、香港、イギリスとそれぞれの市場・経済状況を見てきておりますが、日本の底力はまだまだ出し切れいていないと思いますので、その力発揮のエージェントになりたいと考えております。
また、ストラスクライドMBAに関し知りたいことがありましたら、できる範囲で協力いたしますので何なりとメールをください(khanabaru@yahoo.co.jp)。ゆくゆくはストラスクライドMBA日本人同窓会を開催できたらと考えております。

 

ストラスクライドMBA体験談 2 花原憲一郎 2004年6月3日

 

ここは“戦略課題解決ファシリテーター養成”MBA!

長かった一ヶ月の戦略科目モジュールを終え、ようやく8ヶ月の必修科目期間が終了しました。残るは1ヶ月強の選択科目とMBAプロジェクトを残すのみとなった現在(6月1日時点)です。

ここまで8ヶ月を終了し、ここのMBAの特徴が更に如実にわかってきました。一言で表現すると、ここは“戦略課題解決ファシリテーター養成MBA” というのが私の感想です。理由は大きく下記3つの要素からです。

まずは、MBAとしての基礎科目構成からコア科目までの科目構成が上手く配慮されており戦略イシューの把握を上手くできるようになっている点が挙げられます。それぞれの教授が前後科目の内容・スケジュールをしっかりと把握しており、それぞれの授業で他の科目との関連性を強く強調するため全体的なマネージメントの相関関係がスムーズ理解できるように工夫されています。例えばアカウンティングの授業ですが、どこの数字が会社マネージメントのレベルを示し、どこの数字がマーケティング力を表す等という具合です。ファイナンス授業でも、例えばキャピタルバジェティングの技術だけではなく、既に終わったビジネス環境シナリオ作成技術やその後のストラテジー授業で扱われるストラテジー策定でのキャピタルバジェティングの全体的な役割の教授がありました。教材も常に前後関係を配慮されており、基礎科目から常にマネージメント全体の中それぞれの科目領域の役割重要性を認識できます。

二番目の理由は、一ヶ月に及ぶ戦略科目として細分化された戦略5科目のモジュールにあります。外部環境分析を促すシナリオ作成技術を学ぶ‘ビジネス環境論’から始まり(ストラスクライドはShellの流れをくむEUの戦略シナリオ拠点で数冊日本語訳書籍も有り)、ストラテジー本のベストセラー教授Gerry Johnsonが教える‘戦略分析論’、‘戦略策定’、‘戦略、セオリーと実践’、そして最後に企業5社招聘しそれぞれのイシュー分析戦略策定提案までを実践的に行う‘戦略イシュー分析’でこのモジュールは終わります。それぞれの科目では様々な角度から、ただ単に戦略ではなく戦略的なイシュー解決法について学びます。最後の地元企業の戦略コンサルティングワークで正に戦略アプローチ能力の仕上げでした。この期間中は、正直な話、夜12時までグループワークなんて状況が頻発しますし、その様なプレッシャーの中グループ内には多々不和が発生します。しかし、あらゆる分析ツールを使い徹底的な検証の反復の中で戦略イシューを‘臭う’力がついてくる頃にはメンバーの顔が明るくなってきました。

そして最後にファシリテーションですが、これはストラスクライドの‘隠れた目的’といっても過言ではありません。これはただ単にグループワーク・リーダーシップの強調とは違い、組織力を生かし組織を成功へ誘導する能力の事です。 特別に年間を通し随所でファシリテーション指導が行われます。その影響でグループワークでは2・3時間毎にファシリテーターを決め、その指示のもとディスカッション、プレゼン・レポート作成を行うことが暗黙の了解となっております。この役割は、ある程度のアサーティブネス(強制力)を必要とするので意外に難しく責任重大です。学校がこのファシリテーション能力を強調する理由は、ポストMBA で一番必要とされる能力は、習得した知識だけではなくその知識力を伴った行動力であり、将来的に確固たるリーダーになる為には十分なファシリテーション力を発揮させなければならないという理由からのようです。私は、このアプローチを当初は単純にリーダー育成と上手く区別できませんでしたが、実際にファシリテーター役を何度もこなすうちにリーダーとの違いを‘体’で認識する事ができました。正直、非常に難しい役割で慣れるまで、何度も失敗し辛い思いをしました。

入学前より、ストラスクライドの強みは戦略という認識を持っておりましたが、現時点ではこれらの理由からよりより具体的(?)に‘戦略課題解決ファシリテーター養成MBA’という認識になってきました。 ジェネラルMBA希望の方は勿論、この様な戦略領域に興味のある方には非常に役に立つと思います。

現在、選択科目期間ですが、ここは戦略に力を入れている為、他MBAと比較し選択可能数が3科目と少なめです。私はチェンジマネージメント論、企業コンサルティング、ベンチェークリエーションの3科目を選びました。この期間中は、パートタイム学生や香港、マレーシア、スイス、ドバイ等の海外キャンパスからも学生が履修に来ますのでまた新たな学生との交流も楽しみにしています。

私のMBAプロジェクトは、前述の戦略教授の主催する‘グレートブリティシュカンパニー’という大規模な英国政府機関のプロジェクトに参加するチャンスを得た為、現在、関連文献の調査段階です。具体的には企業における戦略転換成功の検証で、過去20年間の英国企業の戦略転換の成功例・失敗例のモデル化を行う予定です。最終的には英国版‘ビジョナリーカンパニー’的な内容になりそうな大掛かりなプロジェクトです。私は、特にチェンジマネージメントを中心にそのプロジェクトに貢献、その後その経験を卒論として仕上げる予定でおります。

以下、改めてストラスクライドMBAの特徴を箇条書き。

*戦略専門 シナリオ作成技術に強い
*戦略に強い反面、細かな専門的な技術面の授業は少ない
*ファシリテーション力を強調
*MBA承認団体3冠(AMBS/EQUIS/AACSB)
*歴史が長い為全体のコース科目連結がよくできている
*程よい国籍・バックグラウンドミックスで65人と程よいサイズ
*平均職歴8年、平均年齢30過ぎ、日本人少ない(?)ほぼ毎年一人
*元々海外キャンパスやフレキシブルコース用に作成されたCD-ROM等を含むオリ ジナル教材がよくできている(他市販教材ともに授業料含まれています)
*試験は意外に厳しい(各科目不合格者5%程度あり)
*授業は1科目を1週間から2週間連続朝から夕方まで行われる集中モジュール形式
*運営は母体大学より独立
*グラスゴーの中心街にある都市型キャンパス

以上

 

ストラスクライドMBA体験談 3 花原憲一郎 2004年7月1日

 

抜群のアントレプレナー教育環境

選択授業期間が終了し、残るはプロジェクトを残すのみとなりました(7月1日現在)。選択科目期間中に、新たにストラスクライドMBAの目玉を見つけました。それは、起業論です。これは全く頭になかった訳ではありませんが、‘ニュー・ベンチャー・クリエーション’の選択科目授業を通し、ここがアントレプレナー教育に関して、教授陣、カリキュラム、ネットワークの良い事に大変驚きました。

実際、アントレプレナーシップ専門の学部がビジネススクール傘下に存在し専用の設備をもっております。その施設はHunter Centreと呼ばれており、最近Marks & Spencer買収で注目されているPhilip Greenと並ぶストラスクライド大学OBの起業家Tom Hunterの寄付により2000年設立されております(http://www.entrepreneur.strath.ac.uk/)。その施設では、学部生向けの学位コースと同時に単科で各種ファイナンス、マーケティング、テクノロジー起業等の授業も学生向けまた社会人も対象として行われております。また、Strathclyde Entrepreneurial Networkというネットワーキング組織もあり?セミナー・各種ネットワークイベントも頻繁に行われております(http://www.sen.strath.ac.uk/)。先日はアメリカのバブソン大学が主催する起業カンファレンスがHunter Centreで行われておりました。それ以外にもStrathclyde University Incubatorという組織があり、ハンターセンター卒業生達のベンチャー企業の資金援助活動等のサポートが行われております(http://www.suilimited.com/home.asp)。

もう一つユニークな組織として大学生以前の幼児から高校生を対象とした起業家教育活動を行うNPO組織Young Enterprise Scotlandのスコットランド本部もキャンパス内にあります(http://www.yes.org.uk/index.asp)。この組織の存在につい最近気がつき、先日その事務局を訪問し各種説明を聞いたのですが、言葉レベルの違えこそあるものの、私が苦労しつつMBAで得た知識体系や起業論を隈無く幼児から高校生を対象にプログラムが組まれており大変驚きました。正直な話、私もこの様なチャンスが子供の時に会ったら今になってMBA習得の必要性がなかったのに・・・と、スコットランドの子供たちを羨ましく思いました。同組織のCEOに私がその活動に興味がある旨の話をしたところ、私はビジネス経験者、ましてやMBA習得中なので逆にその活動ファシリテーターとしての研修に特別に参加させていただく話となりました。

授業を通して各種演習を行ったり教授を含む関係者と話をしたりの範囲内で私見を述べさせていただくと、英国の起業家教育は、アメリカの果敢に株式公開IPOを目指すタイプとは違い基本的にセルフエンプロイメントを目的としているので、起業家然とした激しさよりむしろ自己能力開発に繋がる要素が強いように感じております。

ストラスクライドMBAで受講可能な選択科目は、私が受けた‘ニュー・ベンチャー・クリエーション’と‘ベンチャー・ファイナンス’の二科目がありますが、どちらとも大変に人気があります。実際、私も密度の濃い決して楽ではない1週間の集中講義ではありましたが、大変楽しむ事ができました。

ストラスクライドMBAに起業家専門コースがある訳ではありませんが、同じキャンパスに上記それぞれの施設・組織がある事、また選択科目にも良い科目がくまれている事などから、ここに戦略と起業(ストラテジックアントレプレナーシップ?)を目的に来るのも大変良いアイデアだと思います。

以上

 
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