ここは“戦略課題解決ファシリテーター養成”MBA!
長かった一ヶ月の戦略科目モジュールを終え、ようやく8ヶ月の必修科目期間が終了しました。残るは1ヶ月強の選択科目とMBAプロジェクトを残すのみとなった現在(6月1日時点)です。
ここまで8ヶ月を終了し、ここのMBAの特徴が更に如実にわかってきました。一言で表現すると、ここは“戦略課題解決ファシリテーター養成MBA” というのが私の感想です。理由は大きく下記3つの要素からです。
まずは、MBAとしての基礎科目構成からコア科目までの科目構成が上手く配慮されており戦略イシューの把握を上手くできるようになっている点が挙げられます。それぞれの教授が前後科目の内容・スケジュールをしっかりと把握しており、それぞれの授業で他の科目との関連性を強く強調するため全体的なマネージメントの相関関係がスムーズ理解できるように工夫されています。例えばアカウンティングの授業ですが、どこの数字が会社マネージメントのレベルを示し、どこの数字がマーケティング力を表す等という具合です。ファイナンス授業でも、例えばキャピタルバジェティングの技術だけではなく、既に終わったビジネス環境シナリオ作成技術やその後のストラテジー授業で扱われるストラテジー策定でのキャピタルバジェティングの全体的な役割の教授がありました。教材も常に前後関係を配慮されており、基礎科目から常にマネージメント全体の中それぞれの科目領域の役割重要性を認識できます。
二番目の理由は、一ヶ月に及ぶ戦略科目として細分化された戦略5科目のモジュールにあります。外部環境分析を促すシナリオ作成技術を学ぶ‘ビジネス環境論’から始まり(ストラスクライドはShellの流れをくむEUの戦略シナリオ拠点で数冊日本語訳書籍も有り)、ストラテジー本のベストセラー教授Gerry Johnsonが教える‘戦略分析論’、‘戦略策定’、‘戦略、セオリーと実践’、そして最後に企業5社招聘しそれぞれのイシュー分析戦略策定提案までを実践的に行う‘戦略イシュー分析’でこのモジュールは終わります。それぞれの科目では様々な角度から、ただ単に戦略ではなく戦略的なイシュー解決法について学びます。最後の地元企業の戦略コンサルティングワークで正に戦略アプローチ能力の仕上げでした。この期間中は、正直な話、夜12時までグループワークなんて状況が頻発しますし、その様なプレッシャーの中グループ内には多々不和が発生します。しかし、あらゆる分析ツールを使い徹底的な検証の反復の中で戦略イシューを‘臭う’力がついてくる頃にはメンバーの顔が明るくなってきました。
そして最後にファシリテーションですが、これはストラスクライドの‘隠れた目的’といっても過言ではありません。これはただ単にグループワーク・リーダーシップの強調とは違い、組織力を生かし組織を成功へ誘導する能力の事です。 特別に年間を通し随所でファシリテーション指導が行われます。その影響でグループワークでは2・3時間毎にファシリテーターを決め、その指示のもとディスカッション、プレゼン・レポート作成を行うことが暗黙の了解となっております。この役割は、ある程度のアサーティブネス(強制力)を必要とするので意外に難しく責任重大です。学校がこのファシリテーション能力を強調する理由は、ポストMBA で一番必要とされる能力は、習得した知識だけではなくその知識力を伴った行動力であり、将来的に確固たるリーダーになる為には十分なファシリテーション力を発揮させなければならないという理由からのようです。私は、このアプローチを当初は単純にリーダー育成と上手く区別できませんでしたが、実際にファシリテーター役を何度もこなすうちにリーダーとの違いを‘体’で認識する事ができました。正直、非常に難しい役割で慣れるまで、何度も失敗し辛い思いをしました。
入学前より、ストラスクライドの強みは戦略という認識を持っておりましたが、現時点ではこれらの理由からよりより具体的(?)に‘戦略課題解決ファシリテーター養成MBA’という認識になってきました。 ジェネラルMBA希望の方は勿論、この様な戦略領域に興味のある方には非常に役に立つと思います。
現在、選択科目期間ですが、ここは戦略に力を入れている為、他MBAと比較し選択可能数が3科目と少なめです。私はチェンジマネージメント論、企業コンサルティング、ベンチェークリエーションの3科目を選びました。この期間中は、パートタイム学生や香港、マレーシア、スイス、ドバイ等の海外キャンパスからも学生が履修に来ますのでまた新たな学生との交流も楽しみにしています。
私のMBAプロジェクトは、前述の戦略教授の主催する‘グレートブリティシュカンパニー’という大規模な英国政府機関のプロジェクトに参加するチャンスを得た為、現在、関連文献の調査段階です。具体的には企業における戦略転換成功の検証で、過去20年間の英国企業の戦略転換の成功例・失敗例のモデル化を行う予定です。最終的には英国版‘ビジョナリーカンパニー’的な内容になりそうな大掛かりなプロジェクトです。私は、特にチェンジマネージメントを中心にそのプロジェクトに貢献、その後その経験を卒論として仕上げる予定でおります。
以下、改めてストラスクライドMBAの特徴を箇条書き。
*戦略専門 シナリオ作成技術に強い
*戦略に強い反面、細かな専門的な技術面の授業は少ない
*ファシリテーション力を強調
*MBA承認団体3冠(AMBS/EQUIS/AACSB)
*歴史が長い為全体のコース科目連結がよくできている
*程よい国籍・バックグラウンドミックスで65人と程よいサイズ
*平均職歴8年、平均年齢30過ぎ、日本人少ない(?)ほぼ毎年一人
*元々海外キャンパスやフレキシブルコース用に作成されたCD-ROM等を含むオリ ジナル教材がよくできている(他市販教材ともに授業料含まれています)
*試験は意外に厳しい(各科目不合格者5%程度あり)
*授業は1科目を1週間から2週間連続朝から夕方まで行われる集中モジュール形式
*運営は母体大学より独立
*グラスゴーの中心街にある都市型キャンパス
以上
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