Strathclyde Business School

小仲 夕紀(こなか ゆき)さん Strathclyde/イギリス2006-2007 在校生

[2007-2008 ALC 特別体験談より]

小仲 夕紀さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

大学でフランス語を専攻、欧州資本の企業に勤務経験があるというバックグランドを持つ私にとって、ヨーロッパのビジネススクールはごく自然な選択でした。ヨーロッパの本社のトップマネジメントの意図することや戦略の背景にあるのは何かを考える機会が多く、それらを理解したいと考えていたからです。様々なステークホルダーを視野に入れて、中長期的なスパンで経営を捉えるという姿勢は、ヨーロッパで学んだからこそ得られた結果のように感じます。

余談になりますが、次のような理由からUniversity of Strathclyde Graduate School of Businessを選びました。AMBA(イギリス)・EQUIS(ヨーロッパ)・AACSB(アメリカ)という3つのMBA承認機関から、承認を受けている信頼できるプログラムであること、従ってMBA修了後どの国に本社がある企業に勤めたとしてもプラスに作用すると考えられること、興味があった戦略とチェンジマネジメントに強みを持っていることです。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

授業の密度が高いのは事実です。予習、授業、グループワーク、アサイメント、試験というプロセスを通して、知識が身についていったと感じています。ビジネススクール在籍中に、パートタイム・通信制MBAの方とも話す機会がありましたが、仕事と並行してMBAを取得する方が大変だと思います。私にとっては、今後も続くビジネスの変化に常にキャッチアップしていくための自己研鑽の良いトレーニングになったと思います。修了した今となっては、大変なことよりも楽しかったという思いが残っています。あえて言うならば、アサイメントやプロジェクトの提出時に、限りある時間内にベストなものを出すにあたり、どこでラインをひくかが大変でした。

一方で、University of Strathclyde Graduate School of Businessの場合は、試験がクリスマス・イースター休暇前にあるので、メリハリのある生活を送ることができました。

好きな教授や科目は?

一つを選ぶのは難しいので、「Exploring Business Environment」「Strategy Analysis and Evaluation」「Managing」「Making Strategy」「Strategic Issue Explorsion」の科目からなる「Strategy」モジュールを挙げたいと思います。ミンツバークが著書「戦略サファリ」で述べている計画的戦略と創発的戦略を網羅しており、グループワーク・プレゼンテーション・アサイメントを通して、これらを体得できました。フレームワークの紹介ではなく、いずれも企業の抱える制約条件も含めた実現可能性など実行フェーズまで視野に入れた戦略策定プロセスである点も実践的だと思います。また、プロセスでは徹底して考えぬくこと、ロジカルに議論することを求められました。このモジュールの末、それまで問い続けてきた「多国籍企業における全社戦略と現地法人の事業戦略の一貫性と現地法人をとりまくビジネス環境との整合性」に対する私なりの解を見つけることができました。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

業種、職種を問わず、多国籍企業出身者が多いと感じました。ビジネスや自身のキャリアに対して熱意と明確な意志を持った人に出会えたこと、そんな友人達と議論しあったことは、何事にもかえがたい経験となりました。

コツと言えるかどうかはわかりませんが、異なる習慣や文化を尊敬すること、自分の意見をしっかり主張することをはじめ自分のカラーを出すことは大切だと思います。

現実として、教授からだけでなくクラスメートからも多くを学ぶMBAでは、グループワークでのパフォーマンスや授業での発言内容が、人間関係に影響します。実ビジネスでのクロスファンクショナルかつ多国籍のチームにて、どのように振舞うかという心がけで臨むことが適切かもしれません。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

苦労したことは、冬の長さ・雨の多さ・ポンドの高さです。そうは言っても、グラスゴーは適度な規模の都市のため、勉強に集中しながらも多少の息抜きもでき、生活に困ることは特にありませんでした。ただ、日本の医療制度とは異なり、体調の悪い時にすぐに診てもらえるシステムではないので、健康管理には通常以上に気をつけていました。

楽しかったことは、忙しい合間をぬって友人と食事をしたり、カフェで話し込んだことです。また、ストラスクライドでは、フルタイムMBAにはスコットランドの山の名前がイヤーネームとしてつけられ、その山に登るという伝統があります。往復7時間の道なき道を歩き続ける大変ハードなものでしたが、成し遂げた達成感と頂上からの絶景は忘れられません。

MBA取得後のキャリアは?

企業の抱える幅広い経営課題の解決を支援することと組織変革に携わりたいと考えています。MBAで学んだことはあくまでも基礎中の基礎なので、そのまま役立つとは思っていません。しかし、物事を多面的に捉える習慣や考えるためのベースとしての支えになるとは思います。

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