ビジネスはヒトで決まる―不透明な経済状況下で成長を続けていくためには、優秀な「ヒト」の獲得が不可欠です。一方、優秀な「ヒト」ほど、自らの人生とキャリアに対する明確な意識とビジョンを持ち、企業と自分との関係を対等とみなしたうえで、Win−Winの関係を築こうとしています。こうした人々は、もはや「人材」ではなく「人財」と呼ばれるべきでしょう。企業が利益を出すために絶対必要な、Capital(資本)だからです。人事部の役割も、Personnel Management (人事)からHuman Resources Managaement(人的資源管理)、そしてHuman Capital Management (人的資本管理)へと変遷しつつあります。
しかし、人を財産とみなす企業が財政的にも成功する、という信頼できる調査結果が年々増加しているにもかかわらず、ビジネス状況が苦しくなると、人をコストとみなしリストラをする企業が続出しています。頭でわかっていても実現するのはなかなか難しい、と言ったところが現実なのでしょう。
企業にとって最も重要な資本である「人財」を通して利益を出すためには、ビジネス戦略と整合性の取れた「人財管理」が欠かせません。財政的組織行動学の権威であるスタンフォードのPfeffer教授は、著書「Human Equatation ? building profits by putting people first」 (Harvard Business School Press, 1998) の中で、7つの「鍵」を示唆しています。
1 安定した雇用
2 戦略的採用
3 自己管理型チームと権限委譲を前提とした組織づくり
4 パフォーマンスに応じた報酬制度
5 従業員教育
6 マネジメントレイヤーの削減
7 情報共有
どれもマネジメントの常識、と思われるかもしれません。しかし、企業とヒトがお互いにHappyになるための鍵は、案外こうした当たり前の事実のなかに紛れているものだといえましょう。次号では個々の鍵について、もう少し詳しくご紹介します。 |