在卒業生体験談

MBA/欧州MBA 留学・就職サポート ‐ ビジネスパラダイム
 
 

Location : HOME > UEA> 下田屋 さん

 
 下田屋 毅(しもたや たけし) さん  University of East Anglia 2007/2008卒業生体験談
   
 PROFILE :

 

1991年中央大学社会学専攻卒業。
1991年川崎重工業株式会社入社。管理部にて総務人事管理業務、安全衛生業務に従事。
2002年出向にて環境ビジネス (RPF製造) 会社立上げに参画。
2007年9月より英国East Anglia大学に留学。
2008年8月同校School of Environmental Science MSc in Environmental Assessment and Management 修了。
2008年10月より英国Lancaster大学に進学。
2009年9月同校MBA修了。

   

欧州の大学院を選んだ理由は

 

欧州のまたその中でもイギリスの大学院を選んだ理由としては、1年間で環境科学を学び、学位を取得することができるという点にありました。私は環境科学のマスターを取得後MBAに挑戦するということを最初から考えていましたので、2年の間で環境科学とビジネスの2つの大学院の学位を取得可能であることが魅力でした。

環境科学の観点から申し上げるとイギリスは環境政策にいち早く取り組んでいるイメージがありましたので、その取り組みをその国にいてじかに体感したかったということ、また世界での環境分野への取り組みはEUが主導権を握っておりましたので、そのEUの加盟国としての取り組みも体感できるのではと考えたからです。

さらに、本場のQueens Englishで学べること、そして英国連邦(Commonwealth of Nations)からの留学生の受け入れが特に活発であり、生徒の国籍が様々であることも魅力の一つでした。

 

なぜUniversity of East Anglia(以下UEA)を選びましたか?

 

UEAの環境科学部は、英国のリサーチ分野の評価基準RAE (The Research Assessment Exercise)の格付けにおいて5 Double Starという最高の評価を得ており、特に気候変動でのReputationが高いということ。そして、環境問題を学際的に研究する共同機関であるCSERGE(Centre for Social and Economic Research on the Global Environment)、気候変動の共同研究機関であるTyndall Centreがあり、特に、2025年までに地域のCO2削減60%を目指して活動しているCRed(Carbon Reduction Programme)の拠点がUEAの環境科学部の中にあるということ。また、UEAは、環境科学分野ではイギリスはもとより世界でも有数の研究機関であるということを知り、UEAに進学することに致しました。

UEAはロンドンから電車で2時間北東に行ったNorfolk州Norwichにあります。中世にはイングランド最大の城塞都市だったとのことで、町にはノルマン朝からテューダー朝時代にかけての建物が多く残り、教会が多い町としても知られています。

UEAはNorwichの中心地からバスで15分のところにあり、広大な敷地の中に自然豊かで非常に美しいキャンパスを持っています。

UEAの環境科学大学院は、私が在籍した2007-2008年では、イギリス人が50%、留学生が50%という状況でした。イギリス人は、大学を卒業してすぐか、社会人経験2〜3年の比較的若い人達が約80%、環境コンサルタントや環境分野への転職を目指している30代以降の人達が20%という状況で、なかには50代の人もいました。留学生については、国籍が多岐に渡り、ヨーロッパ、アジア、中近東、アフリカ、アメリカ、中南米、南米とほぼ世界の主要部分をカバーしているようでした。留学生は社会経験を積んだ人たちが多く、中には環境コンサルタントで活躍されていた人もキャリアアップの為に来られており、留学生の平均年齢は30代前半といった状況でした。日本からも私の他に4名が在籍しました。

UEAでは環境科学の他に開発学が有名で、こちらも世界各国から生徒が集まって来ていました。日本人では、JICAからの派遣で来られている方、海外青年協力隊の派遣を終えNGOを経てさらなるステップアップを考えられて来られている方、また、これから開発の分野にキャリアを移行する為に来られている方が多数いました。

UEAは、英国の大学生徒の満足度調査で1位を得ており、生徒からのフィードバックを大切にし、生徒が快適に過ごせるようにより力を入れているように感じました。例としては、図書館の本の貸し出しは、以前は夜9時まででしたが、私が在籍した2007-2008年の期間途中で、本の貸し出し及び図書館のすべての設備について夜中の12時まで使用できるようになりました。図書館のITエリアの使用は24時間OKで、大学内のインターネットの接続は図書館内、学校の食堂内、各学部の建物内など無線LANでどこでも可能でした。図書館内は、大学院の生徒専用のスタディルームがあり、1ヶ月単位で専用の机とロッカールームの貸し出しをしていました。また、留学生に対しては、ELSP(English Language Support Programme)が、秋、春学期を通して無料で実施され、授業のない空き時間を利用して、自分の英語スキルの不足部分を補うことができました。

また勉強以外の施設も充実していました。大学内にはPubやBarがあり、また、LCR、Waterfrontと呼ばれる場所では、様々なイベントが開催され、またアーティストが来てコンサートを頻繁に開催しているようでした。

 

 

プログラムの内容

 

UEAのTaught ProgrammesのMScには大きく分けて3つがあります。MSc in Environmental Sciences、MSc in Climate Change、そして、MSc in Environmental Assessment and Managementです。MSc in Climate ChangeとMSc in Environmental Assessment and Managementは必須科目が定められていますが、基本的に、3コースのいずれのコースを履修していても、選択できる科目は共通しており、それらの科目から選択が可能でした。

私はMSc in Environmental Sciencesの生徒として入学しましたが、選択する科目がMSc in Environmental Assessment and Managementの必須科目をカバーしており、また、Field Courseと称して、イギリス南部で実施される約10日間の実地研修を履修したい意向をもった為、コースをMSc in Environmental Assessment and Managementに変更しました。このようにフレキシブルにコースを変更できるのもイギリスの大学らしさかもしれません。

MSc in Environmental Assessment and Managementは、環境コンサルタントを輩出する為に設けられたコースの様で、内容的にはとても実践的であったと感じています。また、入学するとすぐに生徒1人1人に対してTutorとして環境科学部のProfessor を始めとする教授陣が割り当てられます。Tutorは勉強のアドバイスがメインですが、大学での生活面についてのアドバイスもくれます。私のTutorはDr. Alan Bondで、環境科学大学院のDirectorでした。彼は、非常に柔軟な考えの持ち主で、私の良き相談相手となってくれ、また、彼には次年度のMBAの出願の際の推薦文をお願いしました。

授業は、全体としては講義とセミナーとの2通りの構成になっています。後者のセミナーとは、講義の内容に沿ったグループワークを実施する授業のことを指します。以下に、UEAの環境科学大学院でどのようなことが学べるのかを、科目毎に説明したいと思います。

 

 

■Environmental Assessment(環境影響評価)

この科目では、環境影響評価の上で重要なプロセスを、実践を交えて体系的に学ぶことが出来ました。「実践的」ということでいうと、Scopingについて、隣のSuffolk州にあるBiomass Power Plantの元建設予定地に行き、環境に著しい影響を及ぼす恐れがあるかについて、周辺環境等を調査、予測、評価して、レポートの提出を行いました。また大規模ショッピングセンター、海上風力発電場、陸地風力発電場の既存の3つのEIS(Environmental Impact Statement:環境影響評価書)について、既存のEISの評価基準書を参考に自分のEIS評価基準を作成し、3つのEISを比較・評価しました。最終的にはプレゼンテーションを行い、その内容をレポートに纏めて提出しました。この授業を通じて、現在行われている環境影響評価プロセスも様々であり、また、環境コンサルタント会社では環境影響評価が「開発ありき」で実施されている部分もあるという状況を認識し、また環境影響評価がどうあるべきかを考えさせられました。授業では、他に現在活躍されている環境コンサルタントや外部団体の講演も含まれていました。LecturerのDr. Mat CashmoreはUEAのMSc in Environmental Science卒業後、環境コンサルタント会社を経てUEAでPhD取得という経歴を持っており、環境コンサルタントとしての職務経験を踏まえての授業が実施されたので、非常にわかりやすく説得力がありました。彼は2008年7月よりスウェーデンの大学の研究員として招かれており、その研究後UEAにまた復帰する予定のようです。

 

 

■Environmental Management Systems and Auditing
 (環境マネジメントシステム)

この科目では、環境マネジメントシステムを体系的に学ぶことが出来、またIEMA (Institute of Environmental Management and Assessment) のEMS Implementation Courseとして認定されている科目でもあります。受講者はこのコース終了後のテストを経て環境マネジメントシステムの監査員としてIEMAに認定されます。授業では、環境マネジメントシステム規格のISO14001を始め、EUで基準が厳しいEMAS(Eco-Management and Audit Scheme)、またBS8555(British Standard 8555:中小企業向け)等々の基準、基本的枠組み、プロセスを実践も交えながら学ぶことができました。実践演習としては、初期環境レビューを実施しました。これは、UEA自体が環境マネジメントを取得するという設定で、UEAに当てはめ、大学敷地内の設備等を調査し、環境側面の洗い出しや法的要求事項の洗い出しについて実施しました。大学を対象として環境マネジメントを実施するのは、一般企業の工場などと比較するとサンプルとしてはあまり良いとは言えませんが、著しい環境側面の洗い出しという意味では、該当項目があるなしに関わらず、すべての項目について網羅する必要があるので、経験するという意味では良かったかもしれません。

 

 

■Strategic Environmental Assessment (SEA) and Sustainability Appraisal (SA) (戦略的環境影響評価)

SEAとは、政策決定、計画決定や事業の意志決定段階、そして開発地域選定段階で実施される環境影響評価を指します。イギリスでは政策的な分野が進んでおり、SAを英国の法律で義務づけ、経済、環境、社会的側面から持続可能な開発を実施しようとしています。この科目では、EU の生い立ちから、政策決定に当たっての環境に関する指針、EU指令やイギリスでの環境法、またSEAとSAの重要性と持続可能な開発におけるその実践方法などを学びました。

 

 

■Economics of the Environment (環境経済)

私は履修しませんでしたが、友人の話では総合的に満足度の高い授業だということです。UEAには、環境経済学の権威者であるProfessor Kerry Turnerがおり、またProfessor Ian Batemanは説明がわかりやすいと生徒の評価が高いようです。経済を今まで全く勉強していなかったり、概要しか知らない程度でも、順次説明がなされるので、授業についていくことができ、また、教科書的読み物や、参考文献もかなり準備されているとのことでした。

 

 

■Advances in Risk Management(リスク管理)

この科目では、環境や健康のリスクに関し、リスクの把握・特定、発生頻度と影響度の観点からのリスク評価、リスクパーセプション、またリスクコミュニケーション等を学びました。環境リスクでは、海底油田掘削用の石油プラットフォームの解体のリスク、チェルノブイリ事故後の周辺環境のリスク等について学びました。健康リスクに関しては、罹患リスクの確率や放射能、天然ラドンの人体への影響のリスク(白血病や癌発生)、紫外線からの皮膚癌のリスク、食物に含まれる毒物のリスク、遺伝子組換え食品のリスク等々、普段意識していない部分でリスクがあることを認識しつつ勉強していきました。また危険性の度合いが低いのにメディアが関与するとリスクの意識が高くなるとか、うわさで広まるうちにリスクの危険性が増幅されてしまうような授業も興味深く受講しました。実践的な部分としては、環境影響評価の際に、リスクアセスメントがなされている実際のEIS(環境影響評価書)を使用して、そのアセスメントが適正なものかを確認するコースワークがあり、実務を実施する上での参考になるように感じました。この科目は、リスクに関して様々な角度から学べる良質な科目であったと思います。

 

 

■Applied Environmental and Waste Management(廃棄物管理)

私は以前、会社からの出向で環境リサイクル会社(RPF製造会社)に4年程おりましたので、この授業を通じてヨーロッパ、イギリスの廃棄物管理政策や状況がどのように展開されているか等について、非常に興味をもっていたので受講いたしました。この科目では、廃棄物管理の歴史、EU、イギリスの環境方針、また廃棄物管理に関する法律等の基本知識を学ぶことはもちろんですが、ほぼ毎週のように外部の廃棄物管理に関する組織や環境コンサルタントを招いての講義が実施され、その点でも有意義な科目でした。例としては、地元の廃棄物処理業者の廃棄物処理方法や今後の施策、Norfolk州の廃棄物管理政策、Norfolk州Breckland市でのリサイクルへの取組み、環境コンサルタント会社Envirosのハイテク技術を使用した廃棄物処理方法等についての講義がありました。また、地元の廃棄物処理業者のリサイクル施設、埋立処理場の見学もあり、処理業者の実状も比較することが出来ました。イギリスは、埋立処理の依存率が約80%と高く、今後埋立処理をどう減らしていくかが鍵となっており、その為にリサイクルや他の処理方法に移行している状況です。イギリス全体のリサイクルに対する市民レベルでの取組みは日本に比べ遅れていますが、それを実施させようとする政策や枠組み作りについてはEU指令も含めて進んでいるように感じました。

 

 

■Practical Use of GIS(地理情報システム)

GIS( Geographic Information System)地理情報システムを体系的に、そして実際にソフトウェアを使用しつつ学ばせてくれる科目です。私は後期の科目が忙しくなる前まで聴講していました。科学的調査、土地、施設や道路などの地理情報の管理、都市計画などに利用され、環境影響評価でも有効なツールとして活用されています。

 

 

■Field Course

秋、春学期の授業で学んだことを実地訓練する科目です。この科目は、MSc in Environmental Assessment and Managementのコース在籍者しか履修ができない科目でした。5月に10日間程度かけて、英国南西部のPlymouth近くのSlaptonという場所で実施され、環境コンサルタントとして実践演習の機会を与えてくれます。毎日違うテーマ(環境影響評価、環境マネジメント、リスク管理、戦略的環境影響評価、廃棄物管理、生物多様性等々)で実施され、研修所付近の地形や街並みを活用したり、またダートムーア国立公園に出向いての環境影響評価や、リスク管理についての一般人への聞込調査をしたりという様々な実践演習します。朝9時から夜10時近くまで実習がみっちりあり、1日の最後は必ずプレゼンテーションで締めくくられるというもので、短期間ですがとてもハードな内容でした。

 

 

■The Science of Climate Change(気候変動:前期)、Climate Change: Science, Society and Policy(気候変動、社会と政策:後期)

私は、他の科目の履修の為、UEAの環境学部に在籍しながら、残念ながら双方とも履修することができませんでしたが、前期は気候変動に関わる科学的な講義が中心、また後期の科目は、気候変動の歴史、認識のされ方、分野の持つ社会的意義についての講義のようです。生徒2人ずつペアとなって決められたテーマに沿ってプレゼンテーション、ディベートがあり、何度か聴講しましたが、白熱した議論が展開されていました。 また、UEAには気候変動の共同研究機関であるTyndall Centreがあり、気候変動について講義形式のワークショップが定期的に開催されておりましたので、こちらからも知識を蓄えることが可能と考えます。私も何度か参加いたしました。

その他、 Biodiversity, Conservation and Human Society (生物多様性)、Air Pollution Chemistry、Fundamentals of Meteorology、Geophysical Modelling、Hydrology and Hydrogeology等の科目も履修が可能です。

 

 

ボランティア活動について

 

CRed(クレッド:http://www.cred-uk.org/

The Community Carbon Reduction Programme (以下CRed)は、低酸素社会の構築を目的に2003年に設立されたものです。私がUEAに進学した理由の一つは、このCRedにてボランティアとして活動したかったからです。

CRedは、大・中小企業、学校、地方自治体、病院、コミュニティーグループ、個人、その他組織・団体とパートナーシップを結び、「コミュニティー」を形成することで、2025年までに60%の二酸化炭素削減することを目標としています。本部は、UEA環境科学部内、The Zuckerman Institute for Connective Environmental Research (ZICER)のBuildingに設置され、イギリス国内における組織の拡大ならびに、アメリカ、中国、日本、オーストラリア等の海外組織とのパートナーシップの確立に努めています。特に地方における炭素削減のための取り組みを組織の基本理念としています。CRedの主な活動は、気候変動対策の重要性に関する啓蒙活動、会員による削減のための誓約(Pledge)の促進、誓約後の活動に関するモニタリング・評価です。CRedの今後の活動重点分野として、組織、コミュニティー、個人会員の増加、支援活動・パートナーシップの拡充を通した二酸化炭素削減量の増加、知識の蓄積に伴うCRedの組織としての発展が挙げられます。

私は、環境科学部の他の日本人4人と開発学部の環境国際開発コースの日本人1人とボランティアを実施しました。CRedのUEA生徒向けのカーボンフットプリントイベントへの参加、CRed活動内容の日本語への翻訳や、日本の国立2大学へのCRedの情報提供、また日本のCRed沖縄が継続できなかったことの原因究明、日本の主要自治体、団体への働きかけ等を行いました。実際に企業や学校などに行ってCO2削減についての環境コンサルのボランティアをした訳ではありませんが、このボランティアを通じ、イギリスにおいて地域レベルでのCO2削減がどのように実施されているのかを理解することができたように思います。

 

 

今後の目標

 

私はUEAの環境科学のマスター修了後、2008-2009年はランカスター大学のMBAに進学いたしました。双方の大学院において、環境科学とビジネスの知識とネットワークをある程度構築できましたので、近い将来の環境ビジネス、コンサルタント会社の起業を視野に入れて、今後は、環境コンサルタント会社か、環境NGOに所属し活動していきたいと考えております。

 
欧州大学院入学前コンサルティング
お問合わせ
 ビジネスパラダイム
 E-MAIL:
 hotta@business-paradigm.com
 kawashima@business-paradigm.com
 Tel: +44 (0) 7939 200947
 Fax: +44 (0) 870 1341203
 
  先頭へ戻る  
Copyright (c) 2014 business-paradigm.com
All rights reserved.
無断転用を禁止します。 Privacy Policy