ビジネスパラダイムでは、MBAを考えられている方からよく'ヨーロッパのMBAを取得すると、どのようなキャリアが望めるのか'という漠然とした質問を受けますので、ここで少しご紹介させていただきます。(ファイナンシャルタイムズ 15th Jan 1996より)
1.The Big Game Planner
(起業などを考え、在学中に知識を深めると共に、ネットワークを築きたい方)
ヨーロッパでの起業は永住権さえあれば比較的簡単です。金融機関やカウンシルなどで様々なサービスを受けることができます。現地のMBA卒業生をみると、一般的に、MBA取得後、数年間企業にて働いた後、独立するというパターンが大変多いようです。優秀な学生ほどその傾向が強いといえます。ただし、こちらの永住権を取得することが厳しいため、永住権のない日本人が、はじめから現地にて会社を興すことはほとんど不可能です。
例: 南アフリカ出身 INSEAD卒 ⇒ 金融 ⇒ 起業:投資ビジネス
イギリス出身 Southampton卒 ⇒ 起業:プロジェクトマネージメント
2.The Natural Next Stepper
(金融機関などにお勤めで、多くの同僚がMBAを取得し、自分も必要だと感じている方)
ヨーロッパには金融やコンサルティングに強いビジネススクールが数多くあります。また、 ヨーロッパのMBAを取得している日本人はまだまだ少ないので希少価値かもしれません。これは、あくまでもその会社がヨーロッパを視野に入れているか、米国を中心としているのか等によるかと思います。国際性の面からみますと、違う文化の国々と隣接しているヨーロッパでは、生徒や講師陣の'外国人率'が米国の比ではありません。他の言語を話す方々とコミニュケーションをとる機会を得ることができるという点でも、魅力的です。日本で受講するのと違い、英語力が武器になることは言うまでもありません。
Table1 ヨーロッパのビジネススクールにおける講師陣の'外国人'率
1. ENPC (フランス) 95%
2. IMD (スイス) 95%
3. Helsinki (フィンランド)94%
4. NIMBAS(オランダ)92%
5. INSEAD (フランス)83%
6. Theseus(フランス)72%
7. Maastricht (オランダ)70%
8. Southampton (イギリス)67%
9. Dublin-Trinity (アイルランド)56%
10. London(イギリス)56%
*The University of Southern Europe (モナコ)は100% のため、表より除外しています。
*20位以内をみても、米国のMBAは、3−4校しか入っていません。
Source: Which MBA? , The Economist Intelligence Unit 2000
Table 2 外国人学生の占める率
1 Royal Holloway 98%
2 RSM 97%
3 Birmingham 96%
4 IMD 96%
5 Monaco 96%
6 Sheffield 95%
7 Canterbury 94%
8 New Castle 94%
9 INSEAD 91%
10 STirling 89%
*20位以内をみても、米国のMBAは、3−4校しか入っていません。
Source: Which MBA? , The Economist Intelligence Unit 2002
例: 日本国籍 日系大手電器メーカー ⇒ London卒(企業派遣)⇒ 同会社
3.The Disillusioned Functionalist
(他の業種に移りたい方)
ヨーロッパのMBAは、一般的に大変実践的だといわれています。企業などがサポートしているビジネススクールや企業向けに研修を行なっているビジネススクールでは、講師陣と企業との結びつきが強く、卒業後の進路の窓口となることもよくあるようです。
どのようなトップ・ビジネススクールを卒業しても、雇用者側から見るとその産業分野にて仕事経験が無く、即戦力にならない高いMBA卒業生を雇用するということは、リスクを伴います。MBAにおいてその産業専門のMBAを選考する、プロジェクトにおいて、希望の企業で働くなどの経験を通して在学中に売り込んでおくことが成功のポイントとなります。
例: イギリス出身 金融 ⇒ Cranfield卒 ⇒ コンサルティング会社 ⇒ インターネット関連
日本国籍 メーカー ⇒ City卒 ⇒ 金融
4.The Searcher
(漠然とキャリアアップを考え、MBA受講を検討中の方)
現在のMBAブームに誘われて、なんとなくMBAを考えている方も多いかと思います。人生長いのですから時間とお金に余裕があれば、今のうちにMBAを取得しておくこともよいのかもしれません。12,000人のMBA卒業生が毎年誕生していると言われています。近い将来、MBAは、キャリアアップに有利であるというよりは、必要不可欠なものになっているかもしれません。時間とお金のバランスをみて、それらのクライテリアに合うMBAを探してみるとよいでしょう。ヨーロッパでは多くのMBAが1年間で取得できますので、時間やお金を最低限に食い止めることが可能です。
例: オランダ出身 RMS−Erasmus卒 ⇒ 金融(未だ次のキャリアを検討中)
5.Moving up at 35
(30代半ばになり、マネージメント・スキルに磨きをかけたい方)
ヨーロッパでは、成人教育の歴史はながく、通信教育やPart-timeによっても大変優れたプログラムを受講することができます。また、スクールも落ち着いた環境の中にあり、最高の施設と様々な分野において活躍している生徒と交流を深めることは、管理職の方々にとって魅力的かと思います。
例: 日本国籍 日系金融 ⇒ Henley ⇒ 同会社
6.The Cop-out
(キャリアの最終目的は決まっていないが、教養を深め、可能性を見直したい方)
以前は、MBAを卒業すると次の就職はコンサルティングファームというのが一般的でしたが、現在ではかなり状況が変わってきています。もともと、コンサルティングファームに就職するほとんどの理由は、20代後半の若いMBA卒業生がいきなり大手企業にて経営に携わるということは、ほとんど不可能ですので、彼らは、若くてもマネージメントの仕事に携わることができ、かつ、給料のよいコンサルティングファームに流れていたわけです。ところが、現在、若い経営者陣で経営されている比較的若い、もしくは、スタートアップ企業が増え、MBA卒業生もそれらの会社において経営にかかわることができるようになりました。これらの企業へ就職するためには、在学中からの口コミなどのインフォーマルなネットワークを持つことが大切です。また、現地にて就職を考える場合は、日本国籍の方が現地においてワークパーミットを取得することは、大変困難である、と言う意味からも、学生時代からプロジェクトワークなどを通して自分を充分に売り込んでおくことが成功のポイントとなります。
例: フランス出身 EAP卒 ⇒ 金融
日本国籍 Cambridge卒 ⇒ 通信関連
7.The Self- Developer
(経営学を学び、個人のスキルをより高めたい方)
ここヨーロッパでも多くのビジネススクールがExecutive MBAやPart-time、通信教育のコースをもっており、仕事を続けながらMBAを取得することが可能です。興味があれば、その後、博士号まで進み、将来的に教える側に回ることも考えられるかもしれません。
例: イギリス出身 Greenwich卒 ⇒ 教育機関(現在働きながらDBAも取得中) |