ESSEC Graduate School of Management

http://www.essec.fr/

フランスの教育システムは日本のそれとは大きくちがうため、一概に比べることはできませんが(フランスの教育システムにつきましては`欧州MBA一覧’の‘フランス’の部を参照)、いうなればフランスでは日本でいう慶応大学や早稲田大学のようなポジションにあるスクールです。
1907年に設立され、アカデミック機関として優れた研究活動を推進するとともに、有名企業をスポンサーとした冠講座や共同でのプログラム構築を行うことで、時代に適したカリキュラムを提供しています。
MBAのほか、Executive MBA、博士号、修士号、学士号など幅広いプログラムを4つのキャンパスで提供しています。
日本とのつながりが深く、日本事務所は1985年に開設されました。毎年夏にグラン・ゼコールプログラムの学生がフランスから来日し、2週間大阪で日本文化を体験した後、日本にある様々な企業でインターンシップを行っています。

学校紹介/特徴・強み

学生層

フランス外からの学生が90%以上を占め、世界中約25カ国から集まって来ています。年齢は26歳から35歳までが多く、平均就業年数は約6年です。職歴も様々で、女性の割合は50%です。
卒業後の職は、80%が学校のネットワークを通して見つけており、セクターや職務を変えるいわゆるキャリアチェンジの割合も高いことが特徴です。
卒業後、海外で活躍する日本人の卒業生も増えています。

学校の雰囲気

MBAはパリ郊外のCergy-Pontoiseキャンパスとシンガポールキャンパスで行なわれています。
Cergyキャンパスの周りは住宅地、ショッピングエリアや公園が広がるおちついた環境となっており、パリ市内から近いにもかかわらず、フランスの方々の生活に密着した生活を楽しむことができるようです。
シンガポールキャンパスは、シンガポール政府主導で開発されたR&DやStart-up企業が集まる地域(One North)に位置しており、Action Community for Entrepreneurship (ACE)とパートナー協定を結ぶことで、ESSECの学生はこれらの企業でインターンシップをしたり、MBAのConsulting Projectを行ったりしています。
2016年にはモロッコのラバトにもキャンパスを竣工し、MBAの学生がField Tripの一環としてモロッコを訪問する機会にも恵まれています。
一方、ESSEC & Mannheim Executive MBAは、ヨーロッパトラックとシンガポールトラックがあります。ヨーロッパトラックと短期ビジネスコースは、パリ中心のLa Defenseに位置しており、パリ第2の凱旋門といわれる建物一帯の高層ビルの一角にビジネス施設を構えています。パリ市内で仕事をされながら受講されたい方などには便利な位置にあります。

プログラム

少人数制で、学生のニーズに応じた授業構成が可能なブティック型のMBAプログラムです。
授業は全て英語で行われ、12ヶ月で終了。プログラムの最後の3ヶ月に行われるConsulting Projectでは、企業が実際に抱える問題を共に考え、解決策を提案する実践型のプロジェクトです。
5つのMajorsから選択し、MajorによってはTerm2でキャンパスを変わることも可能です。

  • Luxury Brand Management (Paris)
  • Hospitality Management (Paris)
  • Finance (Paris)
  • Strategy & Management (Paris or Singapore)
  • Digital Business (Singapore)

卒業生の声

染谷 江利(そめや えり)さん ESSEC/フランス2003年 卒業生

染谷 江利さん

2003年 MBA in International Luxury Brand Management卒業

私は留学前に化粧品・美容機器の製造・輸入会社に勤務経験があり、MBA Luxuryはこれまでのキャリアを生かし、さらにステップアップを図ることができる最適なものと判断して留学に踏み切りました。このコースは18カ国 29人の学生で構成され、日本人は私を含めて2人だけ。さまざまなバックグラウンドを持った人たちの集まりのため、非常に刺激がありました。授業は小人数制で、普通のMBA同様の科目に加え、高級ブランド業界の基礎知識およびブランドマネジメントを論理的に、またケーススタディを通して実践的に学びました。このように教授から理論を、業界出身の講師から業界の知識やケーススタディをと、双方から学べる点がよかったです。

井上 朋子(いのうえ ともこ)さん ESSEC/フランス2003-2005 在校生

[2006-2007ALC特別体験談より]

井上 朋子さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

私の留学したホテル業界専門の経営学においても、一般経営学同様、アメリカのビジネススクールの名前が、日本ではよく知られているようですが、学校を選ぶ際に頭に浮かんだのが、アメリカとヨーロッパのホテル業界ぞれぞれの特徴でした。アメリカでは、近代的・大型のチェーンホテルが主流ですが、ヨーロッパでは歴史と伝統やその土地の文化を活かした中・小規模のホテルがまだ多く、特にフランスのオーベルジュという業態は、日本の旅館に通じるものだといえます。卒業後、日本のホテル業界に関わる仕事をすることを考えたときに、ヨーロッパのホテル業界について学ぶことが、より参考になるとではと思ったのが一番の理由です。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

私のコースは2年間でしたが、個人的には、2年間のコースでよかったと常々感じていました。1年生コースのクラスメートが若干おりましたが、2年分の内容を半分の期間でやるわけですので、当然1科目に割ける授業外で予習・復習・課題などに取り組む時間が少なくなります。彼らは、1週間朝から夕方までびっしり授業を受けたあと、寝るまで(時には睡眠時間も削り)休む暇なく、勉強という生活でした。1年間で終了できるのは効率的ではありますが、英語のレベルがかなり高くないと、本当に大変だと思いました。特に、マイーペースで日本人の私の場合、英語の得意な学生よりも課題をこなすのに時間がかかりますし、わからないことがあれば納得がいくまで調べたり、時には学校以外の場所で息抜きしたりと、余裕を持って授業に望める2年間のコースが合っていました。また、クラスメートと2年間苦楽を共にすることにより、家族のような強い絆ができ、一生の友を得た感がありますが、1年間であればそこまでにはならなかったと思います。

好きな教授や科目は?

どの科目も最新の業界事情に精通した教授が受け持ち、クラス内でのディスカッションの話題もup-to-dateなものだった点が気に入っていました。好きな科目を選ぶのは難しいのですが、ちょっと変わった科目を2つ紹介させていただきます。一つ目は、Industry Leader in Classroomという科目で、有名ホテルの総支配人、大手ホテルチェーンや世界的な規模のインターネット系旅行社の幹部、あるいは有名レストランガイドを発行する出版社の社長など、業界のキーマンともいえる方々が教室に来て、スピーチと質疑応答を行うというものです。毎回、異なる「Industry Leader」の話を直接聞くことができるのと、学生との活発な議論が繰り広げられるのが楽しみでした。もう一つは、フランスの観光産業の現場を見に行くことを目的とした授業で、フランス語での授業ですが、「パリの胃袋」と言われているランジス市場やサッカーのワールドカップ決勝戦がおこなわれた競技場スタッド・フランスなどを実際に見学できたのは貴重な体験でした。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

クラスメートの国籍は20カ国近く、人種や宗教など、とにかく多彩なだけでなく、ほとんどの学生が自国以外での生活経験を持っており、本当にインターナショナルな環境でした。様々な国や地域の文化や習慣、それぞれの考え方の違いを学ぶことができたのは大きな財産です。刺激といえば、異文化に触れることにより、逆に、日本文化の良さを再認識できたことでしょう。授業でも、特に話題がホスピタリティ産業のサービスや組織になると、教授が日本の企業文化やおもてなしの心といったトピックスに触れる場面が何度もありました。相手のことを知ろうとするだけでなく、自分の国の文化や慣習についてもきちんと語れるだけの知識と、興味をもってくれる人に喜んで紹介しようとする姿勢が大事だと思います。上手くつきあうコツは、自分の常識にとらわれないで相手を理解しようとすること、思ったことを(相手傷つけないように気を使いながらも)はっきり伝えることでしょうか。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

留学当初は、銀行・郵便局・携帯電話会社・役所など、フランス語でのやりとりというだけで大変ですが、それだけでなく、非効率かつ不正確(?)なサービスには悩まされました。フランスで生活を始めた日本人の誰もが経験することだとは思いますが、おおらかに構えて、笑って許せるようでないと、ここでの生活は辛いですね。留学中はずっと寮生活でしたが、クラスメートの3分の1くらいが同じ寮に住んでいました。キッチン・バスルームも付いた個室ですのでプライベートは保てますが、勉強について相談しあったり、夜中までグループ課題に取り組んだり、それぞれが自国の郷土料理を作ってちょっとしたパーティーを開くなど、楽しい寮生活を過ごすことができました。

MBA取得後のキャリアは?

自分の立場からは、実際にはまだまだ程遠いですが、経営者的な視点でビジネスを捉えることができるようになりました。長期的な展望について考えたり、月並みな言い方ですが、グローバルな視野でものを見ると同時に、自分たちの仕事がどうやって企業の成長や利益の増幅につながっていくかということをより意識するようになりました。また、業界の動きは早く、MBAで学んだ知識の一部は過去の記録でしかなくなっていくかもしれませんが、最新の情報をどのようにつかんでいくか、業界の変化や現象をどうやって捉えていくかといったことを学びました。また、勉強したことではありませんが、留学中に培った教授や業界関係者、学生、卒業生とのネットワークは、MBA留学のひとつの利点といえます。日本に帰ってきた今でも、教授やクラスメートとメールで業界の動向など情報交換を行っています。

田中 勝伸(たなか かつのぶ)さん ESSEC/フランス2006-2007 在校生

[2007-2008ALC特別体験談より]

田中 勝伸さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

わたしがヨーロッパのビジネススクールを選んだのには二つの大きな理由があります。
第一にラグジュアリー業界に非常に興味があった為、本場のフランスでラグジュアリー・マーケティングを学びたいと思ったからです。特にラグジュアリー業界のフィールド・ワークではパリ以上に適した街は他にないと思います。学校での授業と並行して、高級ブランドの本店を巡りながら、理論が現場でどのように実践されているのか実際にこの目で確かめることができるのもパリ留学の利点と言えるでしょう。
第二の理由としては、大学時代にフランスに二年間語学留学したことがあり、フランスという国に愛着があったことと、言語(フランス語)においてもアドバンテージがあったことが大きな要因です。
これらの理由から、私がフランスMBA留学を選択したのは自然の流れだったと言えます。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

ESSEC MBAは2年間(場合によっては3年間)のプログラムであったため、学校の授業だけであれば比較的余裕のあるカリキュラムが組めたと思います。しかしながら、この2年間の間に、自発的に6ヶ月の企業研修を2回組み込んだため、結局はタイトなスケジュールになってしまいました。
もっとも大変だったのは、グループワークでした。ESSECの殆どの授業がなんらかのグループワークを課しており、授業数が多くなるとその分グループワークも多くなる訳で、時間のやりくり(タイム・マネージメント)に苦労しました。また、このようなタイトなスケジュールのもと、全ての課題を全力投球でこなすのには正直無理があります。授業や課題に優先順位をつけて、効率的に、且つ自分の学習目的に沿って取り組んで行くことが必要でした。
また、グループワークでは様々な国の学生と一緒になることが多く、文化や習慣の違いから思いがけない障害に突き当たることもありました。しかしながら、これらの経験から学ぶことは多く、今では民族の多様性を知る(というと大げさですが)よい機会だったと思います。

好きな教授や科目は?

私はChaire LVMHというラグジュアリー・ブランド・マネージメントのゼミに所属していました(選抜あり)。その名の通り、LVMHグループが主宰するこのゼミでは、学校の授業の枠を超えて、様々な経験と知識を身に付けることができました。毎週ラグジュアリーブランドの最前線で活躍しているマーケターを講師に迎えたり、クリスチャン・ディオールの香水工場を見学に行ったりと、非常に充実したものでした。 Chaire LVMHはほんの一つの例にすぎませんが、ESSECの授業ではL’OREAL、ユニリーバ、P&G等々の世界の名だたる企業とのコラボレーションを実現しており、このことは学生に実際の現場の雰囲気を伝えるという点で高く評価できると思います。また、後の就職活動の際にも大いに役立つことは言うまでもありません。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

ESSECの留学生は、概してオープンな性格の人が多かったように思われます。異国の地フランスでは外国人同士ということで、不思議な連帯意識が芽生えたりと、和気あいあいとした雰囲気でした。
ただし、ESSECはフランスの名門グランゼコールの一つでもあるため、学生の大多数はフランス人です。彼らは、非常に厳しい選抜を勝ち抜いてきた精鋭であり、その優秀さは折り紙付きです。
そんな彼らと上手くつきあうコツは、「よく聞き、よく話すこと」だと思います。相互理解を深めるという単純なことですが、実は「よく話すこと」は日本人には結構難しいことだと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

私は完全な私費留学だったので、ユーロ高の影響で金銭面では苦労しましたが、二度目のフランス留学であったことと、フランス語でのコミュニケーションに問題がなかったことから、パリでの留学生活を満喫できたと思います。近所の川がセーヌ川だったり、グループワークの集合場所がポンピドゥー・センターだったりと、日常生活の中で常にフランス文化との接点があったことは、忙しい留学生活のなかで私の心の安らぎでした。また、ESSECでは頻繁に学生主催のパーティやイベントが行われており、若い学生にまぎれて楽しくにぎやかな夜を過ごしたのは良い思い出です。

MBA取得後のキャリアは?

私は以前から国際的に活躍できるような仕事に就きたいと思っていました。ESSEC MBAのプログラムでは主にマーケティングについて専門知識を養うことに重点を置いていたので、今後は国際的企業のマーケティング部門に就職したいと考えています。各企業において、マーケティングの手法は様々だと思いますが、根底に流れる基礎理論をMBAプログラムでしっかり学ぶことができたことは、今後の就職活動、またその後の私のキャリアにとっても大きなプラスになりました。
また、「人脈」もMBA留学によって築き上げた一つの財産だと言えます。これまでも様々な場面で大きな助けになってくれましたし、これからもそうなることでしょう。
しかしながらMBAを持っているからと言って、成功が約束されている訳では全くありません。MBA取得が一通過点でしかないことを自覚しつつ、次のステップアップへ向けて前進して行きたいと思っています。

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