HEC

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HEC Paris(フランス語読み:アシュ・ウ・セ・パリ)経営大学院は、MBA・グランゼコール・マスターコース・エグゼクティブMBAなどの幅広いプログラムを提供し、Financial Timesのビジネススクールランキングにおいて欧州トップ校の一つに度々ランクされている総合的な経営大学院です。L’Oreal、AXA、Michelin、Kering*、BestBuyなどを初めとする大企業のCEOやベンチャー起業家に加え、多国籍企業や金融・コンサルティングなどを中心に、強力なAlumniのグローバル・ネットワークを誇ります。

キャンパスはパリ南西20kmの場所にあるJouy-en-Josasという街にあります。340エーカーの広大な敷地を有しており、学生の大半はキャンパス内にある住居に居住していますが、パリ市内から通学する学生も多くいます。キャンパス内の様々な施設、自然、スポーツジム、カクテルパーティー、著名人による講演会などのイベントを満喫することができ、他にもサッカー場やラグビー場、キャンパスに隣接するショート・ゴルフコースとゴルフ練習場などもあります。キャンパスの目の前にスーパーマーケットがあり、また車で10分程度の所に大型ショッピングモールがあります。パリ中心部には車で30分、電車で1時間程度で行くことが可能です。

*Gucci、Puma, Yves Saint-Laurentなどのブランドを有するアパレル・アクセサリー企業

目次
1. 学校紹介/特徴・強み
2. 卒業生の声
3. 出願案内

1.学校紹介/特徴・強み

学生層

HEC Parisは欧州の有名校であり、世界各国から非常に優秀な人材が集まります。学生のバックグラウンドは多種多様で、国際経験が重視されていることもあって数カ国での業務経験などを持つ学生が多く、またフランス軍からも例年数名がMBAプログラムに派遣されるなど、国際的でユニークな経歴を持つ人材が多いのが特徴です。またHECは協調的でコミュニケーション能力とリーダーシップに優れた人材を求めています。プログラムで重視されているグループワークは、必須科目と選択科目のほぼ全てで課され、異なるバックグラウンドを持った多様な人材と協働して課題をこなす能力を身につけることが期待されています。

MBAプログラム入学時のMBA生の平均年齢は30才程度で、2016年は平均6年の業務経験、およそ90%がフランス国外からの留学生です。

プログラム

16ヶ月のプログラムで、授業は全て英語で行われます。16ヶ月という期間が、学生に知識の吸収と実践に十分な時間を与えてくれます。またフランス語の語学の授業も定期的に行なわれ、フランス語既習者は他の語学も選択することが可能です。

HEC ParisのMBAでは通常の授業以外にも様々なプログラムが組まれています。MBA Tournament(MBAT)と呼ばれる、欧米の有名MBA校から約1500名のMBA学生を集めたスポーツイベントのホストを行っており、MBA学生のネットワーキングの場ともなっているイベントです。

また毎年、キャンパスもしくはパリにてSustainable Business Conference(SBC)を開催し、著名人をゲストスピーカーとして招待して持続可能な社会に向けたビジネスのあり方などを議論するカンファレンスを主催しています。 日本でのネットワーク 東京に代表事務所があり、Alumni の集まりも定期的に開催されています。MBAプログラムには例年日本企業からの派遣学生も数多く在籍しており、また東京大学、一橋大学、慶應義塾大学などから、例年数名が交換留学生としてHECのMBAやグランゼコールプログラムに留学しています。 リーダーシップ HECでは上述のMBATやSBC、またフランス軍士官学校で行われるLeadership seminarなどのプログラムをはじめ、プロフェッショナルクラブやMBA Associationの運営など、様々な場面で学生がリーダーシップを発揮する機会を提供し、学生が授業による理論に加えて実践を通してリーダーシップを学ぶことを可能にしています。また、アントレにも強く、学生の約25%は卒業後に企業します。 国際的で刺激的な学習環境 HECのMBAの最大の強みの一つが国際的な学習環境です。世界約50カ国前後から集まる優秀で国際経験豊かな学生との議論や協働を通し、多様な人材と効果的にグループワークを行う方法を身につけることができます 世界的な教授陣 欧州の有名校であるHEC Parisには世界中から教授が集まっています。中心プログラムであるグランゼコールやMBAに加え、Financial Timesで世界No.1にランクされるファイナンスのマスターや、マーケティング・アントレプレナーシップのマスターなどの幅広いプログラムが提供されていることから、幅広い領域について極めて優れた教授を抱えていることがHECの大きな強みです

2. 卒業生の声

M.S さん HEC/ フランス2012-2013 在校生

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

欧州の文化・人々の価値観・社会のあり方についての理解を深めたいと考えており、欧州の国際的な大学院に行きたいと考えていました。また幼い頃フランスに住んでいたこともあり、フランスに行きたいと考えていました。HECはフランス・欧州のビジネススクールでありながら学生・教授の国籍やバックグラウンドが極めて多様で、国際評価も非常に高いため、自分の留学目的にぴたりと当てはまるスクールでした。(尚、HECのMBAの授業は全て英語で行われます。)

授業はどうでしたか?大変だったことは?

HECではほぼ全ての授業でグループワークが義務づけられており、グループワークが成績に占める割合が非常に大きいです。グループは国籍や職務経験をベースにスクール側が指定し、多様で異なるバックグラウンドを持ったメンバーによって構成されます。Coreフェーズ期間中の前半8ヶ月は課題も非常に多く、常にグループのメンバーと議論している状況だったように思います。
何度もディスカッションや共同作業を繰り返すうちに、どうすればグループを積極的にリードしていくことが出来るか、どうすればディスカッションの中でグループのメンバーを説得できるか、何が自分の強みで何が補ってもらわなければならない部分なのかなど、世界中から来た多様なバックグラウンドの人間と仕事をしていく上で必要になる考え方や態度を試行錯誤の中で身につけていく貴重な機会になりました。

好きな教授や科目は?

Organizational Behaviour(Kevyn Yong教授):効率的・効果的な意思決定を行う方法、人々のモチベーションを高める方法、グループワークで陥りやすい失敗、イノベーションを生み出す組織運営のあり方などを、実践を通じて学習しました。例えばモチベーションに関しては、情報が共有されなければメンバーのモチベーションは低下すること、意見を述べる機会が設置されていることが、最終的な結論が自分の考えと違った場合にもそれを受け入れる精神状態を作ることなどを学びました。またグループワークの失敗例として、議論がチームとしての成果を出すためでなく、個人の経験や当初の意見を正当化することに使われてしまうことなどが挙げられ、自分たちが無意識のうちに行っていることを意識化させられ、振り返ることが繰り返されました。HECのMBAのように、異なる強みを持つ人材が集まったチームが、それぞれの強みを活かして協働し、チームとしての力を最大に引き出していくためにどうすればよいか等、非常に多くのことを学んだ授業でした。

Geopolitics(Jeremy Ghez教授):あらゆるビジネスの前提となる国際情勢について、地政学的な観点からの分析手法とビジネスへの影響を認識する方法を学習する授業です。欧州、中東、トルコ、中国等のケースを用いて、それぞれの国や地域が抱える地政学的な優位性やリスクを分析・定量化し、将来起こりうるシナリオやビジネスへの影響について議論・学習しました。扱われるトピックは最新のものばかりであり、教授も知識が豊富で非常に面白かったです。例えば欧州のケースでは昨今の金融危機に対するEU及び各国政府の対応状況を学び、将来の見通し(ギリシャにとってEU脱退は得策か、ギリシャ脱退は他のEU諸国にどのような影響を与えうるかなど)についてのディスカッションを行いました。コースパックとして配布される記事やケースも最新のもので選りすぐりの為、大変勉強になりました。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

海外のMBA生と恊働し、彼らに対してリーダーシップを発揮していく上では、言葉で自分の意見をはっきりと説明し、自分の成果を目に見える形でアピールしながら進めて行く態度が常に必要であると感じました。あくまで私の留学経験からですが、海外のMBA生は一般として、矛盾や非論理性を内包しうる状態を放置せず、論理的な道筋がはっきりするまでリーダーや上司に対して意見を言い続けます。最後にどうしても意見が合わない時にリーダーの方針に従ってくれるかを左右するのがそれまでに構築した信頼関係であり、その信頼関係も、結局はしっかりと説明しながら自分の出した成果を目に見える形でアピールしていく中で築かれていくのだと感じました。
多様な人材を抱える海外ビジネススクールでの経験を通して、海外の人材と恊働する上で必要なそれらの態度に気づくと共に、それを自分自身の強みや特徴を踏まえて身につけていくバランス感覚が重要だと強く感じました。これらは良く言われていることではありますが、実際に試行錯誤してこれらの重要性を体感し、ある程度体現していく自信を得られたことは非常に良い経験となりました。

M.S様から見て、このスクールの「特徴」「一番の売り」、またはこれからMBAを考える方に是非知ってもらいたいことがあればお願いします。

HECは伝統ある名門ビジネススクールであり、極めて豊富なリソースを持っています。例えば授業やイベントでの各種講演会では有名企業のCEOや他国の在仏大使などが定期的にキャンパスを訪れて講演しています。私が在学中には、HEC名誉教授でノーベル平和賞受賞者であるMuhhamad Yunus氏に加え、L’OrealのCEO、マッキンゼー代表、ベイン&カンパニー代表、クリーンテックビジネスのベンチャーキャピタリスト、排出権取引事業の起業家などのHEC卒業生による講演が行われ、その他にもフランス軍登山チームのキャプテン、アメリカ大使、OECDジェンダー問題担当官など、様々なゲストによるスピーカーイベントが全て英語で行われました。
教授陣と学生との距離も近く、授業外で教授と関わることで新たな知識や人脈を得ることも出来ます。教授陣は世界各国から集まっており、MBAで授業を持っている教授のバックグラウンドも、BNPパリバ銀行コーポレートファイナンス部門のMD、アップルのHuman Resources Director、ルイヴィトンジャパンのCEO、エルメスのVP、PPRマーケティング部門のヘッド、マッキンゼーやべイン&カンパニーのコンサルタント、政策シンクタンクの研究員など、非常に多彩で実績があり、教授を通して就職先を得る学生もいます。私自身授業での積極性や授業外での個人的な提案を評価してもらい、Sustainable Investmentの授業の教授が代表を務める南アフリカのコンサルティング会社の調査レポート作成に参加する機会を得たり、Business Ethicsの授業の企画のため、教授とコンサルタントとのミーティングに参加する機会を貰ったりしました。これらの活動は現在の仕事(ロンドンの社会的責任投資調査会社)を得る上で非常に役立ったと感じています。
こういったHECの持つ豊富なリソースを積極的に活用すべく自ら動いていくことが、HEC MBAを最大限満喫する上で非常に重要だと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

HECはキャンパス内に居住施設があり、MBA生にはExpansielという建物が割り当てられています。MBAに所属する学生の多くがExpansielに居住しています。授業が行われるMBAビルディングはキャンパス内を歩いて2~3分のところにあり、また朝昼晩の食事もキャンパス内の食堂でとることができます。寝る時間以外、平日は朝の授業から夜のグループワークまでずっとクラスメイト達と過ごし、毎食事を共にとり、週末も彼らと一緒にパリ中心部やベルサイユ、学期の合間の休みには周辺の欧州諸国などに遊びにいき、文字通り朝から晩までともに過ごしたことは掛け替えのない経験となりました。
日本で過ごしていては決して感じることのできない、海外の人材との微細な文化の違いや考え方の違いを、ときに嫌というほど実感し、それらにどう対応したら良いかを毎日考えさせられ、試行錯誤してきたことは、MBAの多くの経験の中でも特に貴重な経験となりました。HEC MBAのおかげで世界各国から集まったクラスメイトとこれだけの時間を共有し、一生付き合っていくであろう仲間と本当に深い関係を築くことが出来ました。

MBA取得後のキャリアは?

ロンドンの社会的責任投資の調査会社にて、社会的責任投資に関係するマーケットの調査や新規ビジネス開拓の戦略策定を行っています。社会的責任投資の領域について深い理解を得られたのは、HECのSustainable investmentの授業を受けたことが大きく、それに加えて現在働いている会社の担当者による講演がHECで行われたことで、人脈を得られたことが非常に大きかったです。また職場は非常に多国籍であり、このグローバルな業務環境において、HECで多様な人材と共に過ごした経験が大いに役立っているとも感じています

3. 出願案内

出願に必要なもの

  • 申請用紙(含:エッセイ、推薦状2通、履歴書(CV))
  • TOEFL 100 / TOEIC 340 Speaking & Writing and 850 Listening & Reading / IELTSスコア 7.0 スコアはあくまでもスクールが基準として出しているものであり、例外がある場合もありますため、詳しくは弊社までお問い合わせください。
    お問い合わせ先:お問い合わせ
  • GMATスコア ミニマムはありませんが、平均690
  • 大学の卒業証明書 / 成績証明書(4年制大学卒業以上)
  • 職歴3年以上
  • インタビュー