Cambridge Judge Business School

http://www.jbs.cam.ac.uk/

ケンブリッジ大学が提供する12ヶ月のMBAコース

世界有数の名声と800年の伝統を誇るケンブリッジ大学は、ハイテクスタートアップのスピンオフを多数生み出し、 欧州最大のハイテククラスターの中心としても知られ、MBAプログラムとも密接に連携しています。

プログラムは協調的な雰囲気でグループワークが多く、ハードスキルと同様にソフトスキルも重視される傾向があります。

2005年にスクール名をJudge Business Schoolへ改名。

Status: Department of University of Cambridge

学校紹介/特徴・強み

生徒層

-2007年秋入学の学生は150名、国籍は47カ国より集まっています。職歴とも非常に多様性に富んだ構成。
-平均職務経験7年、平均年齢31歳と比較的高め。

学校の雰囲気

ケンブリッジはITクラスターであり、欧州最大のビジネスセンターであるロンドンへのアクセスも良く、 2つのコンサルティングプロジェクトやネットワーキングイベント(Enterprise Tuesday)等において、 最先端のビジネスを知ることができ、また起業家と接する機会も多くあります。

歴史のある大学ですが、こうしたハイテクベンチャー企業の影響もあり、活力あふれる若い雰囲気のビジネススクールとなっています。 現在の学生・講師陣も、とても優秀ですが、想像以上にさばけています。

街中は観光客が多く大変な賑わいですが、一歩校内に入ると落ち着いており、家族なども施設も使用することが出来ます。

全ての学生は31あるカレッジのうちいずれかに所属します。カレッジは生活の基盤となっており、 パーティーやフォーマルディナー等を通じて、他学部の研究者・学生との交流も頻繁にあり、 他のビジネススクールでは得られない学生生活を楽しめます。

古さゆえに、よくいわれるOXBRIDGEの卒業後のNetworkは充実しており、卒業後に得るベネフィットも大きいかと思います。

2006年9月より新ディレクターが就任し、「より世界的に影響力のあるビジネススクール」という目標に向けて各種の改革が進められています。

強い分野

  • Entrepreneurship
  • People Management / Leadership
  • Strategy
  • Finance

選択科目が多様に渡るため、選択肢が幅広く、個々のニーズに合ったものを選んでいくことが出来る。 非常にプラクティカルなプログラムとなっています。

2008年のFTランキングでは、世界で第10位に、Economistのランキングでは世界で第7位にランキングされました。

卒業生の声

池上 重輔さん Cambridge/英国MBA卒業生

プロフィール[インタビュー実施:2000 Summer]

ソフトバンク・コマース株式会社 経営企画本部 新規事業企画部担当部長 VERTICALNET JAPAN 株式会社 COO

The University of Cambridge,
The Judge Institute of Management Studies MBA卒

早稲田大学卒業後、 英国KENT大学にてInternational Relations、 英国Sheffield大学にてInternational PoliticalEconomy修士号取得後、 米系大手コンサルティング会社、 BCG(The Boston Consulting Group)にてコンサルティング、 米系大手メーカーにてブランドマネージメントを経験。 一時家業を手伝った後、University of Cambridge, MBA取得のため渡英。

MBA取得中は、サンドイッチコースにて1年間GE Europeでプロダクトマネージャーの経験。 一方、特技のバスケットボールを活かし、 イギリスでの公式認定コーチの資格を取得するなど、様々な方面でも活躍。

なぜヨーロッパのMBAを選びましたか?

まず早稲田大学卒業後に英国の大学院にマスター留学し、英国の教育の質の高さ、環境の良さを実感していました。 その大学卒業時に英国を選んだ理由は、現在アメリカ型の価値観で染まっているかに見える世界政治・経済もその源流はヨーロッパから来ており、 アメリカのトップエグゼクティブ達も結局はヨーロッパには敬意を抱いているようだと感じていたからです。 (最初の留学時は国際政治・経済を専攻していました)次に、 帰国後米国系の戦略コンサルティング会社と米国系のメーカーで働いて米国型のビジネスはかなり体感したが、 ヨーロッパ型のビジネスはあまり経験していないことからバランスを取りたいいう意味でもMBAをヨーロッパで取りたく思いました。 バランスという意味では、ヨーロッパ系のMBAが国籍のミックスが幅広く、北米系に比べバランスが取れていることも理由の一つです。 ケンブリッジはヨーロッパ系、北米系、アジア系、その他がそれぞれほぼ4分の1づつでした。 又、ヨーロッパの中でもケンブリッジ大学を選んだ主な理由は、そのカレッジ制により様々な専門学部のトップクラスとカレッジ内で交流できること、 1年間学校が就労ビザを保証してくれてフルタイムで英国で働けるサンドイッチコースがあること等です。 最後に、妻が英国で大学生活をしていたので英国生活に慣れていたというのも一つの理由です。家族をつれてMBAに行く場合、家族のケアも大事な要素です。

MBAは現在の仕事にどのように役に立っていますか?

第一にゆっくりと自分にとってのビジネス哲学を考えられたこと。 国際的にバランスの取れた視点を持つ上で歴史のあるヨーロッパ・ケンブリッジで米国発のビジネスセオリーを体系的に学ぶことは非常に有効でした。

第二に、全ヨーロッパで唯一の日本人として現地で1年、働いたことは貴重な経験でした。 先にも書きましたが、 CambridgeのMBAは、1年コースと2年コースの2種類の中から好きなものを選択できます。2年のサンドイッチコースを選択すると、 学校が保証してくれる就労ビザで1年という比較的長期間フルタイムで仕事ができます。 特にGEという世界有数の企業でマネジャーとして揉まれたことにより、先進的大企業での動きかた、 多様な価値観の中でいかにビジネスを推し進めてゆくかを学びました。副次効果としては様々な種類の英語が入り混じる電話会議が非常に楽になりました。 かなり英語が堪能な方でも英米のネイティブ、インド系、中国系の英語がミックスの電話会議は結構聞きづらいものがありますので。第三に月並みですが、 卒業後も全世界をカバーするネットワークを得られたことです。ソフトバンクでは全世界から合弁企業相手を探しますし、 その個別のビジネスも世界規模の事業である事が多いので現地での経験、築いた人脈などは大変役に立っています。 例えば現在立ち上げ中のバーティカル・ネットは米国発で現在アフリカ、ヨーロッパ、日本に展開中で、 現地の客観的な意見を求めるのにMBAのネットワークは非常に便利です。

今後の目標

まずは、現在立ち上げ中の大プロジェクト、バーティカル・ネットを成功裏に立ち上げ日本のB2Bビジネスの基盤にしてゆくことです。 昨年の全米で最も成功したIPO会社であり、米国内で現在56業種において業界別企業間取り引き支援サイトを運営しているこのビジネスを日本に導入することにより、 日本のビジネスをよりオープンで活力のあるものにしてゆきたいです。

小野寺 拓(おのでら たく)さん Cambridge/イギリス2005-2006 在校生

[2006-2007 ALC 特別体験談より]

小野寺 拓さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

アメリカとヨーロッパのMBAコースでは、いくつかの違いがあります。 私は、以下の点に魅力を感じ、ヨーロッパのMBAコースに進むことにしました。

帰国後の就職活動等を考慮し、できるだけ短期間で学位を取得したいと考えていたので、 数多くの1年制MBAコースがあるヨーロッパのほうが、2年間を要するアメリカのMBAコースよりも魅力的だった。

一般的にクラスサイズが小さいので、学生同士、あるいは学生と学校側との交流が活発である。

比較的年齢層が高く実務経験をしっかり積んだ学生が多く、そうした学生から学ぶことが多い。

学生の出身国も少数の国に偏ることなく、真にインターナショナルな環境で学生生活を送ることができる。

ビジネススクールに行く前までの職務経験において、アメリカ資本の会社に勤めることが多かったので、 より広い視野をもってキャリアを構築したいと思った。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

2年間で履修すべき内容が1年間に集約されたヨーロッパのMBAコースでは、常に時間に追われる感覚になります。 授業は9時から18時まで行われ、休み時間もグループワークをすることが多く、ランチを取る暇も無いこともあります。 家に帰っても授業のための予習復習だけでなく、入学してすぐに始まる就職活動のために時間を費やすことも必要になります。 さらにMBA内外での社交の場も数多くあります。これら全てを完璧にこなすことは不可能であり、むしろビジネススクールでの生活では、 何が自分の将来のキャリアプランにおいて必要なのかを明確に認識して、優先順位をつけて行動する能力が必要になると思います。

私は海外での生活が初めてだったこともあり、この点が大変でした。 特に最初のうちは、日々、目の前のことをこなすだけという状況になってしまい、 いくつかの興味深いイベントや講演会を欠席してしまいました。

好きな教授や科目は?

ケンブリッジのMBAコースには、必須・選択科目のほかに、3つのコンサルティングプロジェクトがあります。 そのうち3~4月に行われる国際的優良企業におけるフルタイムプロジェクトが最も印象に残っています。このプロジェクトにおいて、 私達のチームは電力技術を供給する会社での財務システム構築プロジェクトに参加しました。1ヶ月のプロジェクト期間のうち、 半分をケンブリッジでのリサーチ、半分をクライアント本社でのヒアリング等に費やし、最後にはクライアント側の役員が数名参加する中で、 プレゼンテーションを行いました。私はコンサルティングの経験がそれまでありませんでしたが、 国籍や文化背景が異なるチームメンバー・クライアント・その他の利害関係者と共同作業をし、 我々の最終的な成果がそのまま会社の重要な意思決定に反映されるプロセスを実践の場で経験できたことは、 私の今後のキャリアにおいて必ず役立つものと思います。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

ケンブリッジ大学というと非常にアカデミックで学生も堅いというイメージがあるかもしれませんが、 ビジネススクールでは協調性をコース全般で要求されているため、活発で社交的な学生が多いです。 国籍・文化背景・年齢・職務経験も多様性に富んでおり、話をしていると自分の知らない世界を知ることができる一方、 様々な悩みを抱えていることも知り、育ってきた環境が違っても考えていることは私と同じなんだなと感じることもありました。

彼らとはコース内でのグループワークの他に、パブでの飲み会・スポーツイベント・パーティー等、様々な社交の場があります。 私も週末にフットボールやバレーボールを楽しんだりして、 コースだけでは話す機会がない学生とも交流を深めました(筋肉痛や生傷が耐えませんでしたが)。 それぞれが既に新しいキャリアをスタートしていますが、今後もお互いに連絡を取り合い刺激しあえる関係になればと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

ケンブリッジの近くには空港があり、そこから格安航空券を使ってヨーロッパの様々な国に遊びに行けます。 私も飛行機にPCと予習課題を持ち込んで勉強しつつ、5 回ほど他国に遊びに行きました。 12月の冬休み中にクラスメート10人以上でイタリアにスキーに行きましたが、 毎晩ペンションでお酒を飲みながら今後のキャリアや家族のことを話しあったことは、 私のMBA生活において最も思い出に残っていることです。

苦労したことは、物価の高さ・サービスの質の悪さ・芝花粉症です。特に金融機関等のサービスについては、 日本で受けられるようなレベルを期待していくと、かなり苛立つことが多いです。 また、芝花粉症は日本のスギ花粉が大丈夫でも悩まされることになるかもしれないので、注意したほうが良いでしょう。 よく言われる天候の悪さや冬の夜長については、学校の中にいることが多かったので、さほど気になりませんでした。

MBA取得後のキャリアは?

他の多くの学生は英国に残って就職活動をしていましたが、私はコース終了後東京に戻り、 現在は外食企業にて財務コンサルタントとして働いています。業務上、膨大なデータを処理し過去の傾向を把握したり、 将来の動向を予測することが要求されますが、そのような際には統計学、 また、様々なプロジェクトの投資効果を測定する際にはファイナンスのケースで学んだことが役立ちます。 また、世界のトップ企業で行われているプロジェクト管理手法を経験したことも、今後の業務において活かされるものと思います。

現在の会社に勤めてまだ日が浅いですが、今後数年かけてビジネススクールで学んだ知識と、 現在携わっている業務との接点を認識し、さらに新しい情報も継続的に取り入れ、これらを自分の中で消化し、 将来、会社の経営に大きく影響を与えるようなポジションについた時に活かすことができるようになればと考えています。

藤野 淳史(ふじの あつし)さん Cambridge/イギリス2006-2007 在校生

[2007-2008 ALC 特別体験談より]

藤野 淳史さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

私がヨーロッパのビジネススクールへの進学を選んだのは、以下の三つの理由からです。
第一に、ヨーロッパのビジネススクールの大半が、1年制のMBAプログラムを持っていることです。 私は30歳を超えてからMBAに進学したので、費用対効果について強く意識する必要がありました。 1年制の場合、仕事から離れることによる経済的・時間的費用が2年制の半分であるのに対し、 主な効果である経営に対する戦略的・統合的な視点は十分に培うことができると考えました。 第二に、ヨーロッパのビジネススクールの方が国際的であることです。ファカルティー・学生の双方とも非常に国際色豊かであり、 今後ビジネスがますますグローバル化する中、そうした環境に身を置く経験は非常に意義深いと考えました。 第三に、ヨーロッパのMBAプログラムの多くが、比較的小規模であることです。 プログラムの規模が大きいと意外にも付き合いの範囲が狭くなりがちですが、 小規模なプログラムでは幅広いタイプのファカルティー・学生と密な交流ができると思いました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

限られた期間内で経営学の主だった分野を網羅するため、1日の授業時間が長く、また一つひとつの授業自身も超高速で進んでいきます。 また、Cambridge MBAはグループワークを重視しているため、それぞれの科目で数多くのグループ課題があり、 そのためのミーティングにもかなりの時間を費やす必要があります。その他にも、講演等の催し物や課外活動、 そして就職活動があるため、秋学期は非常に忙しい生活を送っていました。
冬学期以降は、全てを完全にこなすのは難しいと考え直し、優先順位を付けて取り組む方針に変更しました。 勉強面では戦略及びファイナンス科目に重点的に時間をかけること(特にケースの読み込み)、 それ以外の面ではコンサルティング会社に絞った就職活動をすること、そして積極的に同級生と交流することを心がけていました。

好きな教授や科目は?

Cambridge MBAには、教室での講義に加えて、実践的な経験を積むことを目的にしたプロジェクトを重視しているという特徴があります。 1年間に3つのプロジェクトがあるのですが、中でもグローバル企業を対象として、 学生グループで行うGlobal Consulting Projectが強く印象に残っています。
私のグループは、国際的なワイヤレス通信技術メーカーをクライアントとして、 西ヨーロッパにおける今後5年間の携帯通信業界のシナリオ分析を1カ月かけて取り組みました。 その間他の授業はなく、朝早くから夜遅くまで他のメンバーとともに、文献レビュー、 携帯通信キャリア・携帯電話メーカー・業界アナリストなど約20名へのインタビュー、 一般消費者とのフォーカスグループを行いました。こうした作業を通じて得た情報・所見をまとめ、 グループ内で議論した結果をクライアント幹部に提言して高い評価を得ることができました。 最終報告をするまでに、取り組み方や考え方の違いによるグループ内での衝突が何度かありましたが、 納得のいくまで議論を戦わせて、最終的にはメンバーが結束して成果物を完成させることができました。 ヨーロッパでのビジネスに触れる機会を得るとともに、 国際的なチームでプロジェクトを進める方法についても多くを学ぶことができました。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

ヨーロッパのトップスクールだけあり、全体として非常に優秀な学生が多かったです。 しかも、単に頭が良いだけでなく、他者を尊重し、チームで課題に取り組むことができる成熟した学生が多かった印象を持っています。 また、多くの学生が物事をクリティカルに捉え、さらに創造的な解決策を求めようと志向していたことに刺激を受けました。
同級生とのつきあいでは、あまり特定の個人やグループに偏らず、できる限り多くの学生と積極的に交流するよう心がけていました。 また、自分の意見をしっかり持って発言するようにしていました。相手の性格や価値観を尊重するように、 常にオープンな態度で接したことも、多くの友人に恵まれたことにつながったと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

二度目のイギリス留学であったこともあり、生活面での苦労は殆どありませんでした。 住み慣れた日本から離れて外国に住むのですから、生活する上で様々な違いがあるのは当然のことです。 むしろ、それらを楽しむ心構えで臨むことが大事だと思います。ただ、留学中に円安が進み、 当初予定していたより生活費が嵩んでしまったことには悩まされました。
逆に楽しかったことは、数え切れません。Cambridge MBAでは全ての学生がカレッジに属すのですが、 そこでの生活を通じて様々な経験ができました。他学部の学生との日常の交流はもちろんのこと、 ガウンを着てフォーマルディナーに出席したり、学生が主催する様々なパーティーに参加したりしました。 また、MBAサッカーチームに所属し、学内でのリーグ戦やパリで開催されるMBAトーナメントに参加したことも良い思い出です。

MBA取得後のキャリアは?

MBA取得後、組織・人事コンサルティング会社に勤務しています。 勤務を開始してからまだ日が浅いのですが、MBAで学んだ内容は今後本格的にプロジェクトに参加し、 専門知識・スキルをさらに深めていく上での確固とした基礎になると感じています。
組織行動や人的資源管理の専門分野の知識はもちろんのこと、 経営に対する戦略的・統合的な視点や戦略やファイナンス等のその他の分野の理解も、 クライアントの課題に対して的確なコンサルティングサービスを提供するのに活きてくると思います。 また、数多くのグループワークを通じて培ったリーダーシップやチームワークのスキルも役に立つでしょう。

出願案内

出願に必要なもの

申込書 TOEFL (250/600- Essay 5.0以上もしくはiBT 100 written score 25以上)または IELTS-7.0 GMAT 平均:690(Mid 80%: 640-740) 成績証明書 (GPA3.3以上)
(4年生大学卒業でない方も職歴などで相当の経験があり、クラスに貢献できると判断される場合は、入学を認められる場合もあります。) 職歴3年以上 (実社会経験の内容・密度によっては交渉可能)