Vlerick Business School

小野 伊織(おの いおり)さんVlerick Executive MBA 2016年卒

ヨーロッパのMBAを選んだきっかけは何ですか?

欧州のビジネススクールは高い費用対効果、短期間などの特徴がありますが、自分にとっての最大の魅力は豊かな国際性でした。

私がMBAを通じて学びたかったことは、日本企業がグローバル競争で再び勝つ為に必要な組織体制を理解し、マネージメントスキルを身につけることでした。国際業務に従事し、最初に痛感したのが日本企業のプレゼンスの低さです。昭和の遺産により、日本企業は品質及び性能が高い製品を生み出す国として認知されているものの、昨今のグローバル化の流れに付いていけずに苦戦しているのが現状です。 組織という視点で見た問題点としては、ダイバーシティを推進するような人事制度の欠落及びプロダクトアウト思考の強さが故にセグメンテーション、ポジショニングを含むマーケティング戦略を軽視する傾向があります。
一方、個人の問題点は、異文化環境で人や組織をマネージメントできる人材が圧倒的に不足していることが問題だと感じています。その理由としては、語学の壁と欧米型のマネージメントスタイルについての理解が乏しいことが原因だと思います。 理論を学ぶという点では、全世界のMBAではある程度の質は担保されていると思います。一方でMBAは、ディスカッション及び課題という名のプロジェクトを実践する場なので、より多様性の高い環境に自分自身を放り込むことが重要でした。 日本では、欧州は一つの括りにされることが多いのですが、通っていたベルギーという小さな国一つを取っても南部と北部で言語及び文化が異なり、考え方も大きく異なります。欧州は異なる国の文化が集まる人種の坩堝であるからこそ、ダイバーシティを尊重するようなマネージメントスキルが身に付き、米国のMBAでは身に付かない経験ができたと思います。

プログラムで特に良かった点や特徴的な点は何でしたか。

Vlerickはアントレプレナーシップに重点を置いたプログラムが強みです。アントレプレナーシップの授業では、理論を学び、ケーススタディーを実施した後に、4-5人のチームでビジネスプランを作り、審査員のベンチャーキャピタリストに向けてピッチプレゼンを実施します。
アントレプレナーシップの授業を学ぶまでは、起業はスティーブ ジョブスのように天才的なアイデアを持った経営者が立ち上げることで初めて成功すると思っていました。現実は大きく異なり、今では体型的な型とビジネスモデルキャンパスのような補助ツールが存在しています。これらのツールを駆使し、グループで徹夜しながらビジネスプランを作った経験を通じて、起業に対するハードルを大きく下げることができました。
その他にもカリフォルニアのUCバークレー校でアントレプレナーシップとイノベーションのプログラムを一週間受ける機会もありました。ここではIDEO(注:米国カリフォルニア州に本拠を置くデザイン コンサルタント会社)のOBからデザイン思考を学び、GoogleやMicrosoftの本社及びスタートアップが沢山集まるアクセラレーターを訪問しながら、世界で最もスタートアップのエコシステムが確立しているシリコンバレーの空気を体感できました。日本企業とのスピード感やリスクに対する考え方の違いを肌で感じることで、仕事に対する自分の価値観が大きく変わった瞬間でした。

クラスの雰囲気や求められる学生像はどのようなものですか?

Vlerickでは多種多様な文化間で異なるビジネス感覚をざっくばらんにぶつけ合うことが求められています。
私の場合はドイツに駐在しながら週末にベルギーに通うEMBAでした。クラスの平均年齢は約37歳でほぼ全員がマネージャー、もしくは経営幹部だったので、議論のファシリテートが上手な人が多く、授業でも積極的に発言をしていました。一方で国民性や文化の違いも明確に出てきます。例えばベルギー人は総じて現実主義で仕事が早い、一方でフランス人は鋭い指摘や独自の視点を持つものの、話が長いなどの特徴があります。Vlerickではこれらの多様性を尊重しつつ、お互いの意見に素直に耳を傾けるカルチャーが醸成されています。
そんな中で日本人に求められることも、日本企業の働き方や日本の問題点や利点を伝えることです。欧州人の多くは、日本に対して良いイメージを持っているものの、仕事に対する具体的な価値観や考え方は理解していません。故に重要なのは、自分なりに日本と世界のビジネスに対する価値観の違いを理解し、伝えることです。遠い異国の地である日本に対して、多くのクラスメイトが興味を持っているので、自分なりの意見を持つことが大事だと思います。

MBA取得後のキャリアは?MBA取得はどのように役立っていますか。

MBAを取得したことで、会社に依存せずに自身のキャリアを客観的に見られるようになりました。
キャリアはクラスメイトと頻繁に話す話題であり、私が新卒当時から同一の会社に留まっていることを話すと、『なんて素晴らしい会社なんだ』と言われます。
もちろん現在勤めている会社が素晴らしい企業であることは否定しません。一方で、議論を重ねる毎に、自分自身のキャリアを客観的に捉えていなかったことに気づきました。
日本人と欧米人のキャリアに対する考え方には、大きな違いがあります。最近は転職する人も増えてきましたが、未だに多くの日本人にとってキャリアは、勤め先の会社の中で築きあげるものです。勤め先の会社に貢献し、出世競争に勝つことがキャリアのゴールとなります。
一方で欧米のキャリア感は、良い意味で自己中心的です。会社はあくまでも自分のキャリアを築く為の『器』であり、自分にプラスなオファーがあれば、積極的に転職を行ない、自分のスキルアップを考えていきます。
MBAのプログラムでも、キャリア開発や人生の目標に関して考える授業があります。時間をかけて自身にとっての自己実現の意味を考えることで、自分自身のキャリアと会社を分離して考えられるようになりました。
MBAを取得することでヘッドハンターからのオファーが増え、キャリアの選択肢は確実に広がります。一方で大切なことは、目先の利益に捉われずに自身の人生のゴールに向けて主体的にキャリアを設計していくことだと思います。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

幸い Vlerickのあるルーヴェン市の生活環境は高度に整備されており、大きな苦労は感じませんでした。15世紀から脈々と続く学生街であり、街中いたるところに学生向けアパートがありますし、学生は市内バスが無料です。人口10万人程度の市の割に大手スーパーやデパートもあります。Vlerickの母体の大学内にスポーツ施設が完備されており、私はフィットネスジムやトラックを頻繁に利用していました。またブリュッセルまで電車で25分程度で移動できますので、グランプラスや美術館にも気軽に行けます。

不満点を挙げるとすれば、市内では和食の食材が殆ど手に入らなかったことと、店の営業時間が短かったことです。ベルギーでは店舗の殆どが午後6時30分に閉店し、日曜日はほぼ全ての店舗が休業します。土曜日までに食料品を確保しないと日曜日に食べるものが無い場合も…。帰国後、コンビニや深夜営業スーパーの素晴らしさを再認識しました(笑)。

MBA取得後のキャリアは?

私は企業派遣だったので、転職活動はせずにそのまま派遣元の日系電機メーカーにて海外事業企画を担当しています。勤務先は大企業なので個人の役割が細分化されており、MBAで学んだことを全面的に直接活用する機会はあまりありません。しかし会社の経営状態や事業計画の判断、並びにオペレーションの立案・実行をする上で役に立っています。また、MBA留学前に比べて視野と守備範囲が格段に広がり、日常業務を推進するプロセスとアウトプットにも効果が出ていると思います。企業経営にまつわる知識やスキルを得たことで各業務の背景が見えるようになりましたし、各職能部門の専門知識をある程度学んだことで他部門コミュニケーションも円滑になりました。今後は更に実務経験を積み、専門スキルに厚みをつけていきたいと思います。

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上澤 隆信(うえさわ たかのぶ)さん Vlerick/ベルギー2006-2007 在校生

[2007−2008ALC特別体験談より]

上澤 隆信さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

第一に、ヨーロッパのビジネススクールの特徴である「国際性」に魅力を感じたことです。私が理想としていたのは、小規模でアットホームな雰囲気を持ち、国際的かつ経験豊かなクラスメート達と一緒に学べる学校でした。まさにヨーロッパのビジネススクールの特徴と合致していたわけです。ですから、受験仲間の間ではいつもアメリカの学校の話題で持ちきりの中、私は一切迷うことなくヨーロッパの学校に絞って受験先を選んでいました(笑)。

第二に、欧州市場をもっと知りたいと思っていたことです。これまで欧州市場向けセキュリティシステムのマーケティングや営業をしていたのですが、日本を拠点にしながら業務を行っていたのでどうしても市場理解に限界を感じていました。そこで欧州市場を深く学ぼうと思って留学したのですが、思いがけず国際的なクラスメートや教授のお陰で欧州だけでなく世界中の市場知識を深めることができました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

留学前の先入観は「MBAは大変」。留学して実感したのは「MBAは物凄く大変!!」。2年の課程を物理的に無理やり1年に短縮したようなカリキュラムでしたから、年間を通して休日が殆どありませんでした。毎日平日は朝9時から夕方5時半までずっと授業、途中の休憩時間や昼食時間、平日夜間と土日は宿題・予習・スタディグループの打合せに費やす羽目になりました。英語の得意不得意に関係なく、学生皆そのような感じで1年間過ごしていましたね。よって月に1日以上のオフがあったことは滅多にありませんでした。ただし、年末年始とイースターにはゆっくり休めました(宿題なし!)。

最も大変だったのは時間の創出だったかも知れません。限られた時間内で何をやり何を捨てるか?いかにして短時間で結果を出すか?どんな分担作業をすればグループ課題を上手く処理できるか?そのようなことを考えて行動しないとすぐにパンク状態になります(笑)。

好きな教授や科目は?

最も面白かったのは「Negotiation Skills」(David Venter教授)でした。この教授は南アフリカのマンデラ大統領(当時)に仕え、南ア政府と反政府組織との交渉を裏で支えた人です。授業では自身の経験談を織り交ぜながら学生を惹きつける話をしてくれたので全く飽きませんでしたし、様々なケーススタディを用いた交渉練習を何回も授業に組み込んでくれて楽しく学べました。

そこいらの本屋で売っているMBA関連本を読めばビジネスクールで教わる科目の殆どを学べますが、交渉術は読書からではなく直接教わりながら実践しないと身に付かないと思いますので、是非また受けたい授業の筆頭です。因みにこの教授は我々クラスメートによる教授評価でも年間No.1を獲得しました。

他国からのMBA留学生の印象は? 上手く付き合うこつは?

私がいた年度のクラス(51名)の国籍数は28カ国で平均年齢は31歳。学生は様々な業界の民間企業経験者が大半でしたが、中には官僚、弁護士、会計士、航海士、起業家などもちらほら。皆年齢相応の社会経験を積んでいるため「mature」なクラスでした。これだけでも十分に国際色が豊かですが、驚いたことにほぼ全員が母国以外での就業経験や留学経験があったため、意外にも諸外国を深く学ぶことができました。

これだけ多様性のあるクラスですから常に誰とも阿吽の呼吸でことが進むのでは決してなく、例えば人によっては時間の感覚が大きく違いましたし、自己主張ばかりする人や個人プレーに走りがちな人も少なからずいました。グループワークを進めていく上ではやっかいになりますが、慣れてくるとそれ自体を異文化体験として楽しむ余裕が出てきました(笑)。もちろん度が過ぎる場合はちゃんとグループで話し合って解決を図りました。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

幸い Vlerickのあるルーヴェン市の生活環境は高度に整備されており、大きな苦労は感じませんでした。15世紀から脈々と続く学生街であり、街中いたるところに学生向けアパートがありますし、学生は市内バスが無料です。人口10万人程度の市の割に大手スーパーやデパートもあります。Vlerickの母体の大学内にスポーツ施設が完備されており、私はフィットネスジムやトラックを頻繁に利用していました。またブリュッセルまで電車で25分程度で移動できますので、グランプラスや美術館にも気軽に行けます。

不満点を挙げるとすれば、市内では和食の食材が殆ど手に入らなかったことと、店の営業時間が短かったことです。ベルギーでは店舗の殆どが午後6時30分に閉店し、日曜日はほぼ全ての店舗が休業します。土曜日までに食料品を確保しないと日曜日に食べるものが無い場合も…。帰国後、コンビニや深夜営業スーパーの素晴らしさを再認識しました(笑)。

MBA取得後のキャリアは?

私は企業派遣だったので、転職活動はせずにそのまま派遣元の日系電機メーカーにて海外事業企画を担当しています。勤務先は大企業なので個人の役割が細分化されており、MBAで学んだことを全面的に直接活用する機会はあまりありません。しかし会社の経営状態や事業計画の判断、並びにオペレーションの立案・実行をする上で役に立っています。また、MBA留学前に比べて視野と守備範囲が格段に広がり、日常業務を推進するプロセスとアウトプットにも効果が出ていると思います。企業経営にまつわる知識やスキルを得たことで各業務の背景が見えるようになりましたし、各職能部門の専門知識をある程度学んだことで他部門コミュニケーションも円滑になりました。今後は更に実務経験を積み、専門スキルに厚みをつけていきたいと思います。

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