INSEAD

http://www.insead.edu/home/

ビジネススクールとして、世界トップランキング。
2016年、2017年ともにFinancial TimesのMBA Programmeランキングでは世界1位にランクされました。
パリの他に、シンガポール、アブダビにもキャンパスがあります。

目次
1. 学校紹介/特徴・強み
2. 卒業生の声
3. 出願案内

1. 学校紹介/特徴・強み

学生層

‘人’重視を理念に掲げているだけあり、インタビューを2回して学生を受け入れている、という‘人’重視の選考方法をしているので、学生のプレゼンテーションは本当にすばらしい。さすがInseadといった感じがします。 中には、学歴が満たない方や経験が少ない方などもいるそうですが、そのような方が、Distinctionを取って卒業された、というぐらい成功する人を見抜く力を持ったスクールです。

‘人’として、他人に思いやることができるキャパシティーがあるタイプが多く、また、スクールもそのような一般的に考えて、コミュニケーション力に優れているタイプを好み、逆に一人でばりばりやっていきたい、というようなあまり協調性の無いタイプは、スクールにはあわないかもしれません。ただし、一人で仕事ができることと、協調性が無いことは別で、責任感があり、物事をやりぬく力のあるタイプ、他の学生に貢献できるという意味ですので勝手に助けてくれるのではないか、などという甘い考えや変なチームワークを期待してはいけません。

学生の構成は大変多様で、550人の学生が約90カ国から集まっています。職歴も2017年は女性の割合は34%、平均年齢は29歳で、平均就労年数は6年となっています。

学校の雰囲気

パリから電車で30分ぐらいいった美しいフォンテンブローの森林地域にあります。静かで、少し行くとハイキングなどに適した森林が広がっており、パリからの観光地としても有名。

スクールの施設は整っており、大学系ビジネススクールのように広大で蔵書が渦高くつまれている、という状況ではありませんが、機能的でビジネス教育をするには充分な施設が整っています。企業研修などにも使われるため、充分な施設と全てのスタッフの対応がよいです。さすがにフランスだけあり、学食も国際色豊かでおいしい。

もともとの創立が1959年にアメリカのハーバードビジネススクールの卒業生などがヨーロッパに設立したビジネススクールのため、いまだに、ハーバードとのネットワークがあり、図書館の使用などもできます。アジアの拠点は、シンガポールになるため、欧州、アジア、アメリカと主な地域を網羅した戦略をはかることができそうです。

強い分野

International
企業とのネットワークが確立している
実践的プログラム

Strategy
Finance
Technology
Entre=E-business

プログラムはすべて英語で行われますので、フランス語を入学前に話せる必要はありませんが、3ヶ国語を話せることが卒業要件になっています。多くの日本人学生は英語と日本語はOKなのでもう一つの言語としてフォンテンブローキャンパススタートの学生はフランス語を、シンガポールキャンパススタートの学生は中国語を学習していることが多いです。

卒業生は152,000人おり、コース終了後、世界170カ国以上に散らばり、まさに世界をまたいで活躍しています。

プログラム

1月スタートと9月スタートがあります。どちらも同じカリキュラムをこなすのですが、1月スタートだと7、8月の夏休みがあるのでインターンをやるチャンスもあります。10ヶ月のインテンシブなプログラムで、特に個々のリーダーシップ育成のためのPersonal Leadership Development Programme が特徴的です。クラス全体の人数は多いですが、国籍やキャリアバックグラウンドの違う学生達5、6人からなるstudy groupsでの活動を通して、学生はglobalな経験を身につけていきます。

またフォンテーヌブローとシンガポールにあるキャンパスを自由に選択することができます。ウォートンとのエクスチェンジプログラムを活用して1年間の留学中に、シンガポール、フォンテーヌブローとアブダビの3都市で勉強する学生もいます。

2. 卒業生の声

兵頭 敏宏(ひょうどう としひろ)さん INSEAD/フランス2001-2002 在校生

プロフィール[インタビュー実施:23/07/2002]

兵頭 敏宏さん

1990 大阪大学工学部船舶海洋工学科卒業
1990-2001 株式会社リコー 半導体デバイス研究開発/プロダクト技術/CAD技術

MBAのコースを受講していて、どんなことを学んでいますか?

必須科目では、財務、会計、マーケティング、戦略、組織、オペレーション、統計、マクロ/ミクロ経済のキーコンプトを一通り学びました。INSEADは2ヶ月 x5学期で運営されており、実質10ヶ月の集中プログラムです。この期間内に、2年制のMBAプログラムの2/3くらいの内容をカバーするといわれています。限られた時間の中で効率よく習得できるように、カリキュラムや教材は大変工夫されていると思います。授業はケーススタディが中心となり、またグループワークが非常に重視されています。必須科目のグループは学校側があらかじめ、学生の国籍やバックグラウンドを考慮して、グループ内のdiversityが保てるように決めています。

選択科目では、戦略に興味がありましたので、ベンチャービジネス、ハイテク戦略、モバイルコマースなどを学びました。ベンチャービジネスの授業では、通常の授業に加え、起業家やベンチャーキャピタリスト等のゲストスピーカーを多数迎え、現場の話を聞くことができました。また、私自身もベンチャービジネスのチームを結成し、ビジネスプランコンペティションに応募したりしました。結果として2位に終わり、ファンドしてもらえませんでしたが、審査員のフィードバックを含めて、この経験は非常にためになったと思います(あまり知られていないことですが、INSEADは起業家によって立ち上げられた、数少ない民間のビジネススクールです。そのため、企業家精神は大切にされています)。選択科目では、成績がグループプロジェクトで決まるため、グループワークの比重がかなり大きくなります。グループメンバーは自由に選べるようになっていますので、私はできるだけ多様な国籍/バックグランドの学生と組むようにしました。例えば、ハイテク戦略のコースでは、グループプロジェクトのテーマにバイオテク企業の戦略分析を取り上げました。この時のメンバーの国籍は、イギリス、フランス、オランダ、トルコ、そして日本とかなり変化に富んでいます。また、バックグランドも、バイオテクノロジの博士、戦略コンサルタント、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーといった具合でした。文化や出身業界の違いから、考え方や仕事の進め方も異なり、衝突は少なからずあります。しかし、最終的にはプロジェクトの完成という共通目標に向けて、チームを築き上げていきました。INSEADの学生は概して職務経験が豊富ですので、このようなグループワークを通じて仲間達から学べることは非常に多いです。当然、学生も、仲間からのインプットをかなり期待してグループを組みます。ですから、私も場面に応じて、何が貢献できるかと常に自問しながら、ある種の緊張感を持ってグループワークに取り組んできたのを覚えています。

ヨーロッパのMBAを選んだ理由は何ですか?
また、現在のコースはその目的をどのように満足させていると思いますか?

MBAを志した当初は、ヨーロッパのMBAにはあまり関心を持っていませんでした。その後、INSEADに出会い、色々と調べていくうちに、アメリカのビジネススクールにはない良さを知り、興味を持つようになりました。その良さとは、(1) 短期間であること。(2) 真に国際的であること。(3) 勤務経験の豊富な学生が多いことです。MBAプログラムを終えたところですので、これらについて検証してみます。まず、(1)についてですが、短期間(経済的)のトレードオフとして、コースの習得度が個人の吸収力/経験にかなり左右されやすいということがあります。例えば、私のようにエンジニア出身ですと、どの科目も初めてということが多く、うまく優先順位をつけて、時間配分しないと、中途半端にしか習得できないという問題が生じてきます。できるだけ学期の早いうちに、科目別に自分なりの勉強手法を確立しないと、そのまま学期末まで流されてしまいます。(2)の国際性については、120%満足しました。実際、教室に座っていると、国連総会にでも、出席しているかのような錯覚を受けます。それほど、国籍がバラエティに富んでいます。また、INSEADでは、国際的なマネージャー候補を育てるという目的から、International Political Analysisというコースを必須科目としています。この授業では、EUの将来、台湾独立の可能性、東アジアの統合の可能性など、現在ホットな国際政治的なテーマについてディベートします。大体の場合、当事国の学生が実際に教室にいますので、 ケースではカバーされていない生の声が聞けます。最後に(3)については前述したとおり、グループワークを通じて得るところが非常に多く満足しています。

今後の目標

今後はビジネススクールで学んだ知識と過去の職務経験の両方を生かせるような仕事をしていきたいと考えています。中でも、前職では、技術のイノベーションということに力を注いできましたので、今後はもう少し上流に移動し、ビジネス自体のイノベーションということに関わりたいです。将来的には、ジェネラルマネジメントに興味がありますので、理想の組織・会社とはどうあるべきかを考えながらキャリアを積み重ねていきたいと思っています。

A.S.さん INSEAD/フランス2007-2008 在校生

プロフィール[インタビュー実施:25/06/2008]

外資系コンサルティング会社において、戦略策定、業務改革、情報システム構築などのプロジェクトに従事。

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

ビジネススクール受験の時点ではヨーロッパに限定せずアメリカの学校も受験しました。その中で最終的にINSEADを選んだのは以下の3つの理由です。

1)グローバルである
INSEADは”The Business School for the World”だと言っています。これは僕にとって重要でした。世界にあるほとんどの大学はその国の優秀な人材を育てることを目的としており、ビジネススクールでもアメリカの学校は生徒の大半がアメリカ人でありアメリカ流のビジネスを学ぶには良い学校だと思います。しかしINSEADはフランスとシンガポールにキャンパスがありますが、フランス人・シンガポール人の割合は高くなくて世界中のあらゆる国の学生がバランスよく集まっている国連のような雰囲気のある学校です。私が考えていたこれからのグローバルなビジネスはアメリカ中心ではなく世界中の様々な国が連携し合う中で作られていくものであり、これはアメリカの学校ではなくINSEADでしか学べないと思いました。

2)1年制のプログラム
留学前に30歳を過ぎており2年間実務から離れたくなかったので、1年制のプログラムは魅力的でした。INSEADは学期間の休みも短いので、実際の授業の数だけでみるとアメリカの2年制のビジネススクールとほぼ同じだけの授業を受ける必要があります。短期間で集中して勉強できる良いプログラムだと思いました。

3)フランスに住む
過去に仕事や旅行でアメリカ・アジア・ヨーロッパを訪れている中でヨーロッパに一度住んでみたいと思っていました。フランスの料理やワインも好きだったので生活を通じてヨーロッパの文化を学びたいと思いました。

MBAのコースを受講して、どんなことを学びましたか?

“The Business School for the World”という言葉の通りで、グローバルで通用するリーダーになるためのトレーニングを受けたと思いました。”グローバル”と名前のついた授業はほとんどないのですがすべての授業でグローバルな側面が重視されています。例えばコーポレートガバナンスでも日米の違いは日本でも取り上げられますが、ヨーロッパやアジアの国もそれぞれに異なるアプローチを取っています。各国のアプローチや意識の違いとこれにどう対応すべきかを学ぶことはグローバルなリーダーにとって重要なことです。すべての授業でグローバルなリーダーを育てるという点が重視されているのがINSEADの授業の特徴だと思います。

また授業以外でも様々なイベントがあります。先日はINSEADでサッカーのワールドカップが行われ、16カ国のナショナルチームが参加しました。日本チームは残念ながらグループリーグで敗退でしたが、アズーリのユニフォームを着たイタリア人クラスメートと真剣勝負が出来ました。またナショナルウィークという1週間にわたってある国の文化を紹介するイベントがあり、僕たちは日本・韓国週間を実施しました。寿司や酒を振る舞ったり、太鼓パフォーマンスや着物の紹介などを通じて日本の文化を紹介して世界中からきたクラスメートが喜んでくれたのは本当にいい経験でした。

ビジネスの理論が世界の様々なシチュエーションでどう適用できるのかを学び、異なるバックグラウンドを持つ人とどうやったらチームワークが出来るのかを学ぶことができました。将来、世界中の人が集まっているグローバルな組織のリーダーになりたい人にとってはこれ以上のプログラムはないのではと思えるほど素晴らしいものでした。

好きな教授や科目は?

INSEADの教授のレベルはとても高いのでどの授業もすばらしいものでしたが、その中でも特に印象深かったのはブルーオーシャン戦略のチャン・キム教授とレネ・モボルニュ教授でした。お二人はTime誌のThe top 50 thinkersで6位にランクされる世界を代表する存在です。私がとったBlue Ocean Strategy Study Groupという授業ではグループ毎にある製品・サービスをブルーオーシャン戦略のフレームワークに従って分析します。私のグループはiPhoneを取り上げて分析しその結果についてチャン・キム教授と話し合いましたが、チャン・キム教授からはアップルのCEOであるスティーブ・ジョブズと話し合った時のエピソードも出てきて、自分たちの分析と世界のトップの人たちのレベルとの違いを知ることもできました。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

妻と子供二人を連れての留学でしたが、生活面では家族四人ともとても充実した日々を送ることができました。最初は冷たい印象のあったフランス人ですが、だんだん顔見知りになり挨拶を交わすようになるとすごく親切にしてくれました。フランス人に料理やお菓子作りを教わったり、コンサートやお祭りに連れて行ってくれたり、子供におさがりの洋服をくれたりと仲良くしてもらいました。5歳の娘は現地の幼稚園と音楽学校に通いフランス人の友達もたくさん出来ました。

また休みの日にはフランス国内やヨーロッパ各地を旅行しました。ブルゴーニュ・シャンパーニュなどのワイナリーや、モンサンミッシェルなどの世界遺産などフランス国内にも見どころがたくさんあります。またフランス以外にも10カ国の国を訪れ、ヨーロッパにある様々な国の違いも見ることができました。

MBA取得後のキャリアは?

今後はグローバルな組織のリーダーになるべく、グローバルな組織で仕事をしていきたいと思っています。

企業研修プログラム / INSEAD

企業研修プログラム

ビジネススクールとして、世界トップランキング。企業系ビジネススクールのため、大学とが運営するビジネススクールと名声やそのあり方を比べることは、難しいのですが、企業系ならではの実践的プログラム、フレキシブルなアプローチは、活躍するマネージャーたちにみとめられており、その名声において、知る方も多いかと思います。シンガポールキャンパスもOpenし、これからのアジアでの展開も期待されています。

スクール公式サイト

メルマガ 「The 人事部 」 2001年7月号掲載記事

ビジネススクールとして、世界トップランキング。エグゼクティブ教育には40年の歴史を持っており、Theory(理論)、Pedagogy(教授法)、 Experience(企業のビジネス経験)の3つのサイクルで、それぞれが相乗効果を出す仕組みになっています。フランス:パリ近郊のほか、シンガポール、カリフォルニア、マカオでも開講されており、日本からでも受講しやすい環境が整っています。
INSEAD のエグゼクティブ教育の目的は、謙虚でありながら野心的で、大胆です。

・ 単なる情報ではなく、マップとナビゲーションツールを提供する。
・ 単なる「レシピ」ではなく、行動に結びつく一貫した「錨」を提供する。
・ 最新流行のトレンドをコミュニケートするためではなく、決断をシャープにする判断力
と推理力を鍛える。

・ 単なるアイディアではなく、個々のリーダーシップを育成する。
・ 最新テクノロジーのインパクトを、盲目的に受け止めたり無視したりするのではなく、
思慮深く考察できるようにする。

開講されているのは、トップマネジメント、ゼネラルマネジメント、ファイナンス&バンキング、テクノロジーマネジメント、マーケティング、オーガニゼーションとマネジメント、ストラテジの7分野です。個々の科目も充実しています。例えばファイナンスは、エグゼクティブのためのファイナンスからコーポレートファイナンス、バンカーのためのストラテジックマネジメント、EVA(経済的付加価値)と非常に幅広い領域をカバーしており、様々な企業のニーズに応えられるようになっています。オープンプログラムも充実度には目を見張るものがありますが、個々の企業のニーズに合わせて提供するCompany Specific Programも高い評価を得ています。

http://www.insead.fr/executives/

3. 出願案内

出願に必要なもの

申請用紙(含:エッセイ、推薦状、履歴書) 大学成績・卒業証明書 4年制大学卒業でなくとも、仕事経験で相当と認められる方は、考慮してくださる場合があります。 TOEFL 105、TOEIC950、IELTS7.5 GMATのスコア 特に最低基準は設定しておらず、職歴やパーソナリティーがあくまでも重視。平均は700.スコアのレンジは600-800. Interview 2回 現地でInterviewをするのがもちろん、最も好ましいことですが、それができない場合は、スタッフが日本へ出張する際や日本に住む卒業生などの協力にて、2回行なわれます。1回ですと、その方との相性などに左右される可能性があるため、2回。あくまでも‘人’重視です。 職歴 特に最低年数は定めていませんが、これもやはりその方のパーソナリティー次第。平均は、6年の経験。

[申請手続き最新情報]

2007年度:
一時期は日本人の数も減っていましたがここ数年は合格者数も増えているようです。合格者は私費/社費や業種などの偏りはあまり見られず、日本人学生の中でのダイバーシティも意識されているようです。また国際性を重視する学校なので帰国子女が有利とのイメージを持たれることもありますが、必ずしもそうではなく海外在住経験がない人も合格しています。

出願プロセスに関してはアドミッションに積極的に働きかければある程度は融通が利くようです。またこれまではインタビューは2回やられていたようですが、今年は1回だけの人もいました。

2002年度:
他のビジネススクールと同様、日本人学生に関しましては会社派遣の学生が激減し、私費留学でくる生徒が多くなりました。フォンテンブローキャンパス、シンガポールキャンパスともCompetitiveです。

2001年度:
申請後の合否連絡に本年度は大変時間がかかっているようです。
5年前まではFaxで申し込みをして電話で話したらそれがInterviewとなって2日後に合格がきた、という方もいたほど企業系スクールの‘サービス精神’がいきわたっており、どの学生も感動したものですが、今日では入学枠が倍増+シンガポール校の設立によりさらに倍増の最中、とうこともあり、また、ここ数年に知名度もあがったことにより、600人(フランス)枠の中、2万人の申請用紙がきているようです。
(卒業生談)

Admissionオフィス自体はそのように大きな組織でもないため、対応に大変時間がかかっており、催促をしても‘ちゃんと見ています。待っていてください。’という連絡がくるのみのようです。返事がくるのに時間がかかり、やきもきするかと思いますが、リスクを犯すことが出来ない方は、併願するなどおちついて待つつもりで望まれたほうがよいでしょう。

よって、英語やGMATのスコアがたりない方の仮入学などもでにくくなっていますので、提出してもRejectされて、スコアが整ったところで最出願などの心積もりがあったほうが良いようです。

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