IE Business School

足立 幸太郎さんIE MBA 2014年卒

足立幸太郎さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?貴校を選んだ理由は?

当初はアジアでの留学を検討しており、シンガポールのスクールを数校見学しましたが、そのタイミングに合わせて訪問したフランスのスクールの学生のレベルの高さ、学習スタイルや卒業後のビジョンの違いを目の当たりにし、アジアを離れる方が自分のイメージしている将来像に近づきやすいと感じ、対象をヨーロッパの学校にシフトしていきました。アメリカの学校は基本的に2年必要になることから、費用/年齢も考慮して、検討から外していました。

卒業後の進路として独立を視野に入れていたので、アントレプレナーシップ教育に強みがあり、企業の多い都市部の学校がいいと考えていました。フランス、イギリス、スペインの他校の卒業生にも会いましたが、IEの卒業生が最もフランクでオープンマインドであり、そういった点が自分の目指す将来イメージに近く大変魅力的に映りました。独立されている卒業生、就職されて活躍されている卒業生も、多くの事に興味をもって、人の意見をオープンに聞いて、アクションするというフランクさ、行動力を備えている方が多いと感じました。卒業生にいきなりLinkedInでコンタクトをとっても、無視せずに連絡をしっかりいただける方もIEが最も多かったです。こういった背景から、IEに対する志望度合が上がっていきました。

私はフィリピンで駐在していたこともあり、フィリピンで受験しました。東南アジアを担当しているドイツ人のアドミッションの方がおり、事前にかなり深い説明を受け、コミュニケーションをとる事ができました。IEは東南アジア各国でも頻繁にイベントを行っているので、授業の雰囲気を知る機会が多く、明確なイメージを作る事ができました。アドミッションの方も、アントレプレナーシップを有しており、起業家を目指すユニークなバックグランドやビジョンを持っている学生を探していると明言しており、私の東南アジアでの事業開発キャリアと今後の方向性がIE Business Schoolなら一致すると腹落ちし、実際に受験するに至りました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

授業は思った以上に苦労しました。諸先輩方のおっしゃる事ですが、特に授業への積極的な参加には大変苦労しました。自分が理解している内容でも、間髪入れずに他の学生がコメントを投げ込むようなハイペースで授業が展開されるので、言葉の問題以前に、授業に臨む意識の持ち方から変えていく必要がありました。教授の話を「聞きに行く場」ではなく、公に「ディスカッションする場」としての臨み方・準備が必要です。特に日本人は、人の話をしっかり聞くように教育されているので、つい教授や同級生の話をしっかり聞いてしまいますが、そのタイミングで発言をし始めると遅く、発言できずに終わるというような状況に陥りました。教授の質問する内容、タイミングを察知して、事前にここで発言するというような授業の流れを予測した上での戦略をもって臨む必要がありました。日本で教育を受けた日本人には短期的な改善が容易ではないので、他にどの点で貢献度を上げていけるかという事を考えるようになりました。その中で、グループワークにおいて、より時間が掛かりそうなパートを受け持つようにし、面倒な作業も積極的にこなすようにして、グループ内での存在価値を出すように意識していきました。

プレゼンテーションの機会も多く、準備時間がない中で、プレゼンをしないといけないという事が少なくなくなかったので、そういった中でのメンタルの整え方、どうすれば緊張せずに話せるようになるかなどはかなり考えるようになりました。一度、ほぼ徹夜明けでプレゼンをする機会があり、Stage Frightになり15秒ほど言葉に詰まった事がありました。(元々、プレゼンは苦手でなかったのですが。)30か国以上の人が真顔で私の話に集中して聞いてくるので、相当なプレッシャーです。Stage Frightを経験してから、準備を怠らないようにする習慣ができ、他のメンバーが話しやすい環境を作る意識も芽生えました。プレゼン中にプレッシャーからか嘔吐する同級生がいたり、ネイティブでダントツにいい成績をとっていた同級生もStage Frightになったり、強がってはいますが、一様に皆、苦労していました。大変ではありますが、準備や情報が十分整わない中でも強引にやり切る力というのはかなり身に着いたと思います。

好きな教授や科目は?

私はアントレプレナーシップ関連の授業が好きでした。特に、Paris de l’Etraz教授のKnowledge Incubatorの授業からは、多くの事を学ぶことができました。Paris氏はアントレプレナーシップ関連ではIE Business Schoolの看板教授です。短期間のプログラムですが、「チームを作って、プロダクト/サービスアイデアを決め、リサーチに基づいてビジネスモデルを決め、マーケティング戦略、収支予想までを決めて、実際に投資家にプレゼンする」という、スタートアップで必要となる一連のプロセスを全て経験する事ができる授業です。この授業はスタートアップを始めるに当たっての重要ポイントを網羅しており、卒業後も大変役に立ちました。途上国のE-commerceに興味があったので、フィリピンでのファストデリバリーサービスのビジネスアイデアをKnowledge Incubatorの授業をきっかけにかなり掘り下げて作り込み、プレゼンできるレベルにまで仕上げました。最終的に、このアイデアをフィリピンでやる事はなかったですが、この授業で学んだ、ビジネスを形にしていくプロセスは、その後、独立する過程で大変役に立ちました。特に、Paris教授からは就職ではなく、起業を目指すべきだとのアドバイスもいただき、自分のフィリピンという少し特殊な国での経験を活かすべきだという事、培ってきている経験はかなりエッジがある事、そういった事を改めて気づかせてくれる授業になりました。この授業を通して、改めてフィリピンの“独立する場所”としての魅力を確認できたことは、最終的にフィリピンに戻る決断をした一因となりました。

もう一つ、印象が強かったのはSocial Entrepreneurshipの授業です。実際にSocial Entrepreneur達と一緒に働いてより良いマネタイズモデルを提案するというプロジェクトがありました。私がアサインされたスタートアップは、アートを介した街の再構築をサービスとして提案していました。ブラックスポットと言われる、人の往来が減ったエリア、店、ギャラリーを、アート作品の展示を通して、人の往来を活発化させたり、ニューアーティストに対しての作品発表の場を提供したりといった活動をしていました。面倒な作業も自分たちで真摯に取り組み、活き活きと働く姿を見て、私もこうなりたいなと強く感じました。彼女達の事業は収益化が大変で、普通に考えれば手が出しにくい領域でしたが、その点を理解しても、それに勝る強い情熱があり、社会的意義があるからとにかくやりたいのだという、Entrepreneurとしての本質を目の当たりにし、衝撃を受けました。ユニークなビジョンを以て、私達が見ていない世界を見て、そこに向かって生きている姿には、生活の為の労働というものを超えた、その人の生き様がにじみ出ていました。私も他の人のビジョンを手助けする「お手伝いマン」ではなく、自分の心の声に従って、ユニークなビジョンをもって、社会や人をリードでする側になりたいと、この授業を経て切実に感じるようになりました。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

IEは、そのDiversityを特色として挙げていますが、実際、同級生は優秀で人間的にユニークな人が多かったです。同じクラスの学生だけでも30か国以上から集まっており、私の最初のグループワークのメンバーは、監査法人出身のフランス人、世界銀行で働くペルー人、エンジニアで父親がロケットの開発をしているイスラエル人、組織学関連コンサルタントをしているアメリカ人、元獣医のポルトガル人でした。他にも元プロバスケットボール選手、写真家、ある国の王子等の同級生もおり、それぞれが何かの道を究めてきたというような人が集まっていました。こういう同級生と一緒に勉強する事で、国際感覚を磨き、海外ビジネスをする上で必要なソフトスキルを自然と学ぶ事ができます。このタイプは話したい事があるけど言わないタイプ、このタイプはグループワークはやらないがプレゼンは上手い、このタイプは途中で作業完遂せずに逃亡する可能性があるので早目にプレッシャーを掛けて細かく動きをみる方がいいなど、苦い経験、上手くいった経験を通して、それぞれの付き合い方が身につき、対応力がつきました。

こうした色々な同級生と付き合うコツは、相手に期待するのではなく、自分の行動様式を相手によって適応させる事ではないかと思います。相手に変化を期待するのではなく、こちらを変化させて、相手に歩み寄りを迫るというステップが有効と感じました。後は、意見を言葉にして伝えるという事が重要です。アジア人は直接的に意見を伝えない文化で、相手に悟ってほしい、一種のテレパシーを期待してしまいますが、このテレパシーは海外では全く通用しないので、言葉にして、“こうしてくれるとSatisfiedだ”, “こんな事をされるとDisappointedだ”と直接的な表現で伝える必要があります。どういう表現だと相手が動くのかというのをよく考えるようになりました。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

フィリピンという途上国での滞在が長かったので、それと比較すると、スペインでの生活は食事もおいしく、治安も悪くないので本当に快適でした。フィリピンだと夜は外を歩けないのですが、スペインは聞いていたより治安は悪くなく、銃も一般的に家庭に流通していないので、そういう面で常に気が張っているという事も無く、安心して勉強に集中できる環境にありました。マドリードで勉強するアドバンテージは、やはり大都市です。様々な企業が集まっており、学校外でも色々な人につながる事ができる点だろうと思います。私の場合は、Impact Hub Madrid(注:起業家、企業、組織などにより結成されたSocial Innovationセンター。マドリードに位置し、コワーキング、ネットワーキング等に活用されている。)も利用していたので、そこを通して多くの起業家の方と話をする機会がありました。マドリードで活躍されている起業家の方とも良く食事に行くようになり、強く影響を受けました。どうしても1st, 2ndタームは学校内でのネットワーク作りに集中してしまいましたが、もう少し早めに学校外のつながりもつくっておけば良かったなと思いました。純粋な起業家だけでなく、マドリードはアーティストの数も多く、そういった人達の人生観から刺激を受ける事が多々ありました。最近はDesign Thinkingのようなアート創発プロセスを事業創発プロセスに適用するようなアイデアが増えていますが、こういう日常的にアートと接しているマドリードの性質からか、人と違う事をする事に対して寛容な印象を受けました。スペインのビジネススクールを卒業しましたと言うと、なぜ(欧州でも比較的景気が悪い)スペインにいい学校があるのか良くわからないと言われますが、こういったオープンで縛られない事が許される、アーティスト的、起業家的人生観が許される社会環境があるというのが、一つの理由なのではないかなと思います。マドリードで生活するという事自体が、そういう自由な発想をする人との接点を増やし、起業するというマインドセット作りに貢献したのは確実だろうと考えています。

MBA取得後のキャリアは?MBA取得はどのように役立っていますか?

現在はフィリピンで独立し、AXIS Software Developmentというソフトウェア開発会社、進出支援コンサルティング会社のGlobal Bridge Resourcesの2社を経営しています。また、TechShakeというスタートアップ関連情報サイトの運営を通して、現地のスタートアップコミュニティ醸成の支援活動を行っています。

MBAでは学校で習う知識面もそうですが、私の場合、最も役に立ったのは、自身の硬直化しつつあった価値観/人生観の刷新です。アプリケーションプロセスから卒業までを考えると、学校内外で1000人以上のそれぞれの道のトップランナー達と会い、話をして、こういう風になりたいなとか、こうはなりたくないなとか、このレベルでも起業家で成功しているのだなとか、考える機会が無数にあり、自分が30年以上かけて作ってきた考え方から脱皮するような感覚を覚えました。独立するのは、日本人の場合は特に、キャリアを考えると大脱線ですので、これまで、将来的にやりたいなという気持ちはあっても中々、踏み込めませんでした。やはり、考え方を変えるチャンス、そのモメンタムを提供してくれたというのが、私にとってMBA取得が、最も役だった点だと言えます。

他のポイントで挙げるべきは、やはり卒業生ネットワークです。アジア圏内でも、どこに行ってもIE卒業生ネットワークがあり、現地の情報収集をする事が可能です。私の場合は、独立のタイミングでは、IEのフィリピン人卒業生ほぼ全てに連絡して、アドバイスをもらい、情報収集しました。結果、内2人は役員として経営メンバーに入ってもらい、ビジネスパートナーとなっています。どの国にもこういったサポートをしてくれる人がいるというのは海外で仕事をする上で、本当に心強いです。IE卒業生はお互い助け合う意識は強く、私も、IE関連で質問や紹介が来た際は、多少、忙しい時期でも確実に早く返答するようにしています。このように、卒業後も多くのリソースを使える点は、MBA取得、特にIE Business Schoolの大きな強みだろうと感じています。

インターンシップでの経験に関して

私はインターンでの経験が卒業後の進路を決める際に大変役に立ちましたので、そこでの経験について触れておければと思います。インターンはアメリカのシリコンバレーでやりたいと考えていたので、そこにつてのありそうなIE卒業生の方にコンタクトをとって、会社を紹介してもらい、現地のベンチャーキャピタルで3か月インターンをする機会をもらいました。実際の仕事は、案件の初期スクリーニング、デューディリジェンスですが、事業選定のポイントが良く理解できました。現地の起業家に会う機会も大変多く、且つ、思った以上に苦労&努力しているのを見て自分も何かしたいという気持ちが高まりました。ある日本人起業家に、「シリコンバレーでは事業アイデアは武士の刀と一緒だ、事業アイデアを持たずにここで生活して恥ずかしくないのか」と言われ、半ば強引にアイデアも作り、そのアイデアを現地で会う人に話し、フィードバックをもらうようになりました。投資家の人に話すようにしていましたが、フィリピンでやるなら投資したいというエンジェル投資家の方にも3人ほどお会いする事ができ、自分のスタートアップ市場での価値を感じるようになりました。

また、シリコンバレーでは、スタバに行けば次のスタートアップの為にコーディングしている起業家がおり、髪を切れば散髪屋のお姉さんが、兄が投資家だから紹介してやる、電車に乗っていると隣に座った人がFacebookのエンジニアでスタートアップアイデアがあってこういう事をやろうとしていると話してくるという風に、起業とアントレプレナーシップが人々の日常生活に入り込んでおり、極端な話、起業自体は誰でもできる事で(成功は難しいが)そんなに意気込んでやる事でもないなと、起業に対するメンタルハードルが大幅に下がったというのも大変重要な経験になったかなと思います。こういう経験を通して、自分でも起業するチャンスがあるのではないか、あと一歩踏み出すだけなのだなと、その距離感が明確になり、真剣に起業について考えるようになりました。この経験ができたのも、IE Business Schoolあっての事で、ライフチェンジの大きなきっかけになりました。

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岡崎 智徳(おかざき とものり)さん IE/スペイン2004-2005 在校生

[2006-2007 ALC 特別体験談より]

岡崎 智徳さん

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

大きく分けると下記の3つがヨーロッパのビジネススクールを決めた理由です。
1.ヨーロッパの多様な文化
2.インターナショナルな環境
3.MBA+言語が留学の目標

基本的にはMBAの授業内容はどこでも同じです。そこで私は環境を重視しました。アメリカには数回遊びに行ったので留学の際にはヨーロッパに行こうと思いました。ヨーロッパになると様々な国があるので近隣の国に行くことで異なった文化・習慣を経験できます。留学中は休みの度に様々な国へ行きました。

またヨーロッパのビジネススクールはインターナショナル率が高く、マジョリティーも無い為ある国で固まるといことがなく様々な国の人との交流ができました。

最後は個人的な内容ですが、留学にはMBAの取得と同時に語学を勉強したいという目的もありました。私はスペイン語を以前から勉強していたので必然的にスペインのMBAが第一志望でした。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

実際に毎日授業で大変でした。基本的に毎日ケースを読んで予習します。1週間で唯一気が抜けるのは金曜日の授業が終わってから夜までです。この時に勉強の事を忘れ飲んだりしてストレスを発散していました。しかし土曜日から徐々に次週の予習の為にケースを読んだりします。また私の学校では授業中の発言が成績評価の対象になっていました。授業中に発言するという事が英語に自信の無い自分にはかなり大変でした。その為にしっかりと予習をせざる負えませんでした。しかしながら大勢の前で自分の意見を論理的に発表するというのはいい訓練になりました。

好きな教授や科目は?

私は今までの学生生活の中で一番印象に残る先生に会いました。ストラテジーの主任教授David Allenです。

コロンビア大学教員養成校教授のL.ネフェルカンプが下記の言葉を残している。
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"最高の講義とは、学生を挑発し、不意をつき、それまでと違う新しい
視点でものを考えさせるものである。"
-------------------------------------------------------------------
まさにDavid Allenは学生にいい意味でチャレンジし、新たな視点を提供してくれました。ケースに対しての模範的な回答ではなく、ある意味粗暴な表現で学生にチャレンジする姿勢はまさにエンターティナーでした。毎回が新鮮なアプローチができました。初めて彼の授業で緊張感があり、また授業後に得るものがあったと実感する経験ができた先生でした。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

皆よく勉強し、よく遊んでいると思いました。飲む時は朝までは当たり前。かといって勉強をサボったりはしていません。日本人は平均的に力を出すのに対して彼らはメリハリをつけているような気がしました。

私は英語に対して多少不安を抱えていましたので仲良くなるために自主的にイベントを企画するようにしました。例えば校内サッカー大会や日本食レストランへの食事会を主催し自分のテリトリーで勝負しました。幸い日本食は人気があるのである時には40名以上の大所帯になったこともありました。やはり自分から何事にか積極的に参加することが必要とされます。その点、この1年は色々と背伸びして頑張ったお陰でいい友人が数多くできました。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

入学時にはスペイン語がある程度できたので、それ程苦労した事はありませんでした。言葉が出来ていなければ、もしかしたらかなり苦労したかも知れません。

楽しかったのは、スペインで生活が出来た事です。昼ごはんが3時、夜ご飯が9時にはもう慣れてしまいました。また町の人のおおらかな気持ちに触れる事により自分自身も人には優しくなれたような気がします。

MBA取得後のキャリアは?

私自身一番MBAで得たことはマーケティングとかファイナンスとか勉強での内容ではありませんでした。今はMBA関連の書籍は本屋に多く置かれていて日本でも独学でも学べる事ができます。

私が一番得たものは自分の限界ギリギリの環境で勉強した事によりストレスに対して強くなったことだと思います。実際に現在働いていても許容範囲がかなり広くなった事を実感します。また考え方にも柔軟になった気がします。昔は答えは1つしかないと思っていましたが、今は様々な答えもあると感じるようになりました。

このようにMBAでは知識以上にメンタル面が鍛えられた気がします。これはまさにこの限界の経験をしないと得ることができないものだと思います。

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本島 恵実(もとじま えみ)さん IE/スペイン2003-2004 在校生

[2007-2008 ALC 特別体験談より]

ヨーロッパのビジネススクールを選んだ理由は?

まず、年齢やキャリアのブランクを考えたらアメリカでは通常の2年という期間は長いと思いました。またアメリカは優秀な学生が集まるけど、学生の年齢層や職業、出身国の点で、多様性に欠けていると個人的な印象を受けました。

私は特に大きなキャリアチェンジは考えていなかったし、MBAという勉強そのものよりも、外国語で勉強してみること、海外生活そのものやそこにいる人々から学ぶものの方が大きいのではないかと、決める前から思っていましたので、学生の多様性という点で、ヨーロッパの方に興味がありました。

また英語はもちろんブラッシュアップしたかったのですが、大人になってから1年英語圏で生活したからといって英語の伸びはそんなに望めないと思いました。それなら、「一生の趣味になるような他の言語の学習を始めるいい機会になるかもしれない」という思いから、ヨーロッパの英語圏以外に絞られていきました。中でも南米の文化などにもともと興味があったので、全くやったことのないスペイン語ですが挑戦してみようと言う感じでIEに決めました。

授業はどうでしたか?大変だったことは?

確かに、勉強は一通りやるのが精一杯で、全て完全に理解することは出来なかったと思います。初めのコアの科目は、あまり自分には興味のない分野も数多くやらなければいけないのが辛かったです。時間的には、こんなものかと思っていたので、苦しいと思うことなく、あっという間に過ぎた感じです。それを過ぎてエレクティブになったら、課題や授業の集中で、時間的に大変でしたが、勉強自体が興味があって取っているものなので、学んでいるという実感も多かったです。とはいえ、近くのバルに集まっては最後の学生生活を楽しもうと、みんなでよく飲んでました。

最も大変だったのは、チームワークでした。IEはラテン系が多く、みんなあまりチームのことは最後までがんばりません。チームの課題も、担当を分担してもなかなか計画通りにはいきません。チームの雰囲気が悪く作業が進まなくなったこともありました。大変だったとはいえ、いい思い出です。最も大変であったとともに最も学んだ場所でもあったのがチームだったと思います。

好きな教授や科目は?

コアの授業はあまり覚えていないのですが、経済学がとくに良かったと思います。IEの中でも一番の人気の先生で、様々な国の実体経済を例に説明してくれるのが、おもしろかったです。またIEの授業方針でもある「ケーススタディ」方式は個人的に合っていました。実際には体験できないことを実際の例で学ぶことにより、疑似体験した感じです。

エレクティブでは、ファイナンス系を多く選択したのですが、エレクティブのファイナンスはすべて先生が良かったと思います。共通しているのは、教え方や内容の構成が素晴らしく、わかりやすいのです。残念ながら良かったと思う先生は、IEの先生ではなくビジターの先生が多いのですが、毎年来ている先生が多いようなので、まだ受けられると思います。

他国からのMBA留学生の印象は?上手く付き合うこつは?

IEはラテンアメリカの学生が多く、その人たちは、日本人は経験したことのない、国の存亡や政治不安を常に危機感として持っていて、それが自身の行動の選択にも影響を及ぼしているのが印象的でした。それでも彼らは底抜けに明るく、飲み会や踊りが好きなので、仲良くなるのは簡単だと思います。学校では、時間が経てば、だんだん自分と勉強スタイルの合う人が出てきて、自由に編成できるチームなどでよく組むようになってきます。私は最後までよくチームを組んだのは、スペイン人とべラルーシ人でした。最後のチームの課題が終わったときは、二人から「君と一緒にたくさんの授業でチームが組めて本当に良かった。ありがとう」というメールをもらい感動したのを今も思い出します。 スペインでは上手に付き合うコツなんて簡単です。とにかくフィエスタが多いですから、友達になる機会が豊富にあります。フィエスタはだいたい夜10時からスタートするのですが、全員そろうのはいつも午前2時ごろで、私はそのころにはフラフラだったので、一体何時に終わってるかは未だに不明です。

生活面で苦労されたことや、楽しかったことは?

私は元同僚のベルギー人と初めから一緒に住んでいたので、彼女に言葉の面では助けられました。彼女もスペイン語はやった事がないまま来ましたが、フランス語が母国語なので、アパートの契約書や新聞などは最初からスペイン語でも読めました。まったく一人で乗り込んでいたら大変だったかもしれません。ヨーロッパ人は日本人よりはずっと語学的には有利で、最初は一緒くらいのレベルだと思っても上達の速度がぜんぜん違います。私も、買い物や旅行などには苦労しない程度にはなりましたが、スペイン語は最後まであまり出来ませんでした。IEでは学生同士の学外での会話がスペイン語になることも多く、そのときはちょっと疎外感がありました。私がいると英語にしてくれるのですが、スペイン語圏の人もしくはスペイン語を話したくてスペインに来ている外国人が大半なので、自然と会話がスペイン語になるのは無理もありません。スペイン語は出来なくても大丈夫ですし、十分楽しめますが、学校生活をより楽しくするために、最低1年くらいは日本で勉強してから来た方がよかったなとは思いました。

MBA取得後のキャリアは?

私は卒業後、1年ちょっと香港で働き、昨年日本に新しい仕事を見つけて帰ってきました。スペインも香港も身近な国となり、さらには、IEで知り合った仲間の国が気になったりして、新聞やニュースで向こうの話題に触れることにも敏感になったと思います。そのことで少なからず、グローバル企業で働くことに楽しさを見出している気がします。

また、意図せずして、卒業後2回も就職の面接を受けることになりましたが、年齢もあるかもしれませんが、MBAを取ったことよりも、スペインのMBAに行ったこと、その後香港で働いたことで興味を持っていただくことが多いと実感しました。スペインのMBAにいくなんて、どんな人なのだろう、会って見たいと思われたようです。

MBAの勉強そのものが直接役立った実感はないのですが、行ってよかったとは言えると思います。抽象的で申し訳ないですが、MBAはビジネス全般の勉強で専門的な職業訓練ではないので、これが多数のMBA卒業生の感想なのではとも思います。

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